国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
梅小路機関車庫
ふりがな
:
うめこうじきかんしゃこ
棟名
:
棟名ふりがな
:
梅小路機関車庫
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員数
:
1棟
種別
:
近代/産業・交通・土木
時代
:
大正
年代
:
大正3
西暦
:
1914
構造及び形式等
:
鉄筋コンクリート造扇形車庫、建築面積3870.57平方メートル、電動天井走行クレーン及び引込線を含む
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02459
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2004.12.10(平成16.12.10)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(二)技術的に優秀なもの
重文指定基準2
:
(三)歴史的価値の高いもの
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
京都府京都市下京区歓喜寺町3番地
保管施設の名称
:
所有者名
:
西日本旅客鉄道株式会社
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
梅小路機関車庫
解説文:
詳細解説
梅小路機関車庫は,JR京都駅から約1.5km西方に位置している。京都停車場改良工事の一環として,鉄道院西部鉄道管理局の設計により,大正3年11月に竣工した。
鉄筋コンクリート造で,前面にある転車台を中心としてほぼ東西に扇形平面を描いている。機関車の修理を行う器械場,その東に連続する機関車駐留場,器械場背面に張り出す職場からなり,全体で20線の引込線を収容する。
梅小路機関車庫は,わが国に現存する最古の鉄筋コンクリート造機関車庫として,高い価値がある。
また,大規模な架構や合理的な平面計画により,機関車修理などの効率的作業を可能とし,全国的な鉄道輸送力増強を支える一翼を担った,大正,昭和期を代表する機関車庫として重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
添付ファイル
なし
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梅小路機関車庫
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梅小路機関車庫
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解説文
梅小路機関車庫は,JR京都駅から約1.5km西方に位置している。京都停車場改良工事の一環として,鉄道院西部鉄道管理局の設計により,大正3年11月に竣工した。 鉄筋コンクリート造で,前面にある転車台を中心としてほぼ東西に扇形平面を描いている。機関車の修理を行う器械場,その東に連続する機関車駐留場,器械場背面に張り出す職場からなり,全体で20線の引込線を収容する。 梅小路機関車庫は,わが国に現存する最古の鉄筋コンクリート造機関車庫として,高い価値がある。 また,大規模な架構や合理的な平面計画により,機関車修理などの効率的作業を可能とし,全国的な鉄道輸送力増強を支える一翼を担った,大正,昭和期を代表する機関車庫として重要である。
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詳細解説
梅小路機関車庫 一棟 梅小路機関車庫は、JR京都駅本屋から約一・五キロメートル西方に位置する。 梅小路機関車庫は、京都駅の旅客及び貨物量の増加等に伴い実施された京都停車場改良工事の一環として、鉄道院西部鉄道管理局の設計、大林組の施工により建設されたもので、大正二年一二月に起工、翌年一一月に竣工した(起工及び竣工年月は、『京都停車場改良工事紀要』(鉄道院西部鉄道管理局 一九一七年)による)。設計体制を正確に記述した資料は見つかっていないが、『鉄道建築ニュース』(一九五二年三四号)に収められた鉄道関係者座談会記事では、京都駅本屋設計を担当した大阪保線事務所工務課勤務の鉄道院技師渡辺節が設計を担当し、平面計画については鉄道院技師石田太郎、構造については鉄道院技師大井上前雄の指導を受けたとしている。梅小路機関車庫は、東海道線等の中心的機関車庫として機能し、鉄道の電化等に伴い次第に配置機関車数は減少したが、現在も機関車庫として使われながら、一部機関車展示施設として公開活用されている。また建設後、小規模な改修工事が何度か行われているが、全体として残存状況は良好である。 機関車庫は、「アン子ビツクシステム」による鉄筋コンクリート造で、転車台を中心としてほぼ東西に扇形平面を描く。機関車の修理を行う器械場、壁を隔ててその東側に連続する機関車駐留場、器械場の背面に張り出し器械加工を行う職場からなり、全体で二〇線の引込線を収容する。柱と梁からなる明解な立面構成で、大梁を放射状に配し、正面には欄間付の開口部を設け、側面及び背面には縦長窓を配す。また、屋根は陸屋根でアスファルトルーフィング、外壁はモルタル吹付で、床は基本的にアスファルト仕上とする。 器械場は、正面四・六メートル、背面八・一メートル、側面二三・四メートルの台形を、横方向に七つ連ねた平面形状とする。主に機関車底部の点検に用いられる灰坑七基を放射状に等間隔で設け、西側底部には機関車修理に用いる円弧平面のドロップピットを一基設ける。また、屋根を一段高くした背部には、スパン一五・六メートル、高さ一二・二メートルの大架構をつくり、大正四年月島機械製造の電動天井走行クレーンを架設する。 職場は、側面二二・八メートル、背面二四・〇メートルの矩形平面とする。ほぼ中央に円弧平面のドロップピット一基を設け、南東隅には鉄製扉を付けた事務室を配する。 機関車駐留場には、引込線が一三線収容され、東一〇線部分の奥行きを西三線部分より長くとることで、大規模機関車の駐留に対応する。また、東妻壁は増築に備えて煉瓦で築く。 梅小路機関車庫は、わが国に現存する最古の鉄筋コンクリート造機関車庫として、鉄道建設史上、価値が高い。また、大規模な架構や合理的な平面計画により、機関車修理などの効率的作業を可能とし、全国的な鉄道輸送力増強を支える一翼を担った、大正、昭和期を代表する機関車庫として重要である。 【参考文献】 『京都府近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(京都府教育委員会 二〇〇〇年) 『日本の近代土木遺産』(土木学会 二〇〇一年)