国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
安岡家住宅(高知県香美郡香我美町)
ふりがな
:
やすおかけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
しゅおく
安岡家住宅 主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近世以前/民家
時代
:
江戸後期
年代
:
文政11
西暦
:
1828
構造及び形式等
:
居室部 桁行10.7m、梁間8.9m、切妻造、四面庇付、南面玄関及び廊下、東面便所附属、桟瓦葺
座敷部 桁行5.9m、梁間7.0m、切妻造、南面及び東面庇付、西面式台、北面相の間及び納戸附属、桟瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02469
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2005.07.22(平成17.07.22)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(五)流派的又は地方的特色において顕著なもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
高知県
所在地
:
高知県香南市香我美町山北979番地1
保管施設の名称
:
所有者名
:
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
安岡家住宅 主屋
解説文:
詳細解説
安岡家住宅は,高知県中央部の東方,周囲に田園が広がる平坦地にある。
安岡家は18世紀後半に現在地に居を構え,文化4年(1807)に郷士株を譲り受けた。
広大な屋敷のほぼ中央に主屋を配し,周囲に道具蔵,釜屋,米蔵がある。主屋は文政11年(1828)の建築で,他の建物も江戸時代末期までに建てられている。
主屋は居室部と座敷部からなる。居室部は食い違い田の字型の四室を基本とする。座敷部は,主室と次の間からなり,式台を附属する。
安岡家住宅は,四国地方の民家としては規模が大きく,主屋は居室部と座敷部を巧みに繋いだ独特の構成をもち,上質なつくりで意匠的にも優れ,武家住宅の構えを備えた特徴ある建物として貴重である。
附属施設が主屋を取り巻くように配され,屋敷の全体構成もよく残り,江戸時代後期における当地方の郷士の住宅を代表するものの一つとして重要である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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安岡家住宅 主屋
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安岡家住宅 主屋
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解説文
安岡家住宅は,高知県中央部の東方,周囲に田園が広がる平坦地にある。 安岡家は18世紀後半に現在地に居を構え,文化4年(1807)に郷士株を譲り受けた。 広大な屋敷のほぼ中央に主屋を配し,周囲に道具蔵,釜屋,米蔵がある。主屋は文政11年(1828)の建築で,他の建物も江戸時代末期までに建てられている。 主屋は居室部と座敷部からなる。居室部は食い違い田の字型の四室を基本とする。座敷部は,主室と次の間からなり,式台を附属する。 安岡家住宅は,四国地方の民家としては規模が大きく,主屋は居室部と座敷部を巧みに繋いだ独特の構成をもち,上質なつくりで意匠的にも優れ,武家住宅の構えを備えた特徴ある建物として貴重である。 附属施設が主屋を取り巻くように配され,屋敷の全体構成もよく残り,江戸時代後期における当地方の郷士の住宅を代表するものの一つとして重要である。
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詳細解説
安岡家住宅(高知県香美郡香我美町) 四棟 主屋、道具蔵、米蔵、釜屋、宅地及び山林 安岡家住宅は、高知県中央部の東方、高知市街から東へ約二〇キロメートルの位置にあり、周囲に田園が広がった平坦地に所在する。 安岡家は、当地で有数の旧家のひとつで、一族の祖を戦国武将と伝える。史料によると、一八世紀後半に現在地に居を構え、文化四年(一八〇七)に郷士株を譲り受けて、郷士となった。天保一一年(一八四〇)に文助正理が記した『安岡系図書』によれば、安岡一族で初めて郷士となったのは佐五右衛門正直で、宝永四年(一七〇七)のことである。岡芝に住した平八正久は、宝暦二年(一七五二)に郷士となった。なお、幕末の志士として知られる覚之助・嘉助兄弟は、文助正理の子である。 安岡家住宅は、正面の南に築地塀や板塀を廻して、三棟の表門を構えている。広大な屋敷のほぼ中央に主屋を配し、その東に道具蔵、北に釜屋、北西に米蔵、南西に雪隠がある。主屋の南には前庭を築き、その東、屋敷南東部がもと弓の射場で、屋敷北西部は石垣を築いて水路を廻している。 主屋は、座敷部の障子框には 「文政十一年戊子春三月吉日造之 工匠山北邑 重八 行年 三十才 塗師佐古村三右衛門 高 拾枚 安岡廣助正雄」 という墨書があり、文政一一年(一八二八)の建立と考えられる。道具蔵、米蔵、釜屋、雪隠は、年代を示す史料を欠くが、いずれも主屋と同じ江戸時代末期と推定される。 主屋は北の居室部と南東の座敷部からなる。居室部は桁行一〇・七メートル、梁間八・九メートル、切妻造で、四面に庇を付け、南面には玄関と廊下を角屋状に突出し、東面に便所を附属する。座敷部は、桁行五・九メートル、梁間七・〇メートル、切妻造で、南面と東面に庇を付ける。屋根は、すべて桟瓦葺で、妻面は目板打の縦板張で覆っている。 平面は、居室部は東を食い違い田の字型の四室として、その北に細長い台所と三畳の部屋を配し、西は前方を四畳半の部屋、後方を土間としている。座敷部は、それぞれ六畳の座敷と次の間からなり、東と南に矩折で畳廊下と切目縁を廻し、相の間は六畳で一段低い床を張る。西面南寄りには入母屋造の式台、北面東寄りには相の間及び納戸をそれぞれ附属する。 軸部は、貫や差物(さしもの)で固め、座敷と次の間には内法長押を廻す。居室部は、各室とも棹縁天井を張り、土間廻りは梁組をみせ、北側の細長い二室は化粧屋根裏とする。座敷は床・棚を備え、畳縁との境の床寄りは中敷居を入れて平書院風の構えとする。室境は竹の節欄間として、一連の棹縁天井を張り、蟻壁(ありかべ)長押を廻して格調高い空間とする。各部の取り合いや、居室部の間仕切などに後世の変更があるが、全体によく当初の形式を残している。 道具蔵は、土蔵造、桁行六・九メートル、梁間四・四メートルの二階建、西面は庇を付け、中央に戸口を設ける。切妻造の屋根は置屋根式で、庇も含め桟瓦葺とする。内部は各階とも一室で、小屋は桁行に牛梁を渡し、登梁を架ける。 米蔵は、土蔵造、桁行八・九メートル、梁間三・九メートルの二階建、切妻造で、南面に庇を付け、戸口を二カ所設ける。切妻造の屋根は置屋根式で、庇も含め桟瓦葺とする。一階は西寄りに間仕切を設けて東西二室に分かれるが、二階は広い一室とする。小屋は桁行に牛梁を渡し、登梁を架ける。 釜屋は、真壁造の平屋建で、桁行八・五メートル、梁間五・六メートル、切妻造、鉄板葺である。南半は吹放しの作業場で、北半は東が釜場、西が味噌部屋である。 屋敷は、ほぼ江戸時代末期の構えを保持しており、雪隠や主屋北西にある風呂場など、小規模な附属施設も残っている。 安岡家住宅は、四国地方の民家としては規模が大きく、主屋は居室部と座敷部を巧妙に繋いだ独特の構成で、座敷部は上質なつくりで意匠的にも優れ、武家住宅の構えも備えた特徴ある建物である。また、附属施設が主屋を取り巻くように配置され、石垣や水路など、屋敷の全体構成もよく残り、江戸時代後期における当地方の郷士の住宅を代表するものの一つとして重要である。 【参考文献】 『土佐の民家』(高知県教育委員会 一九七 二年) 安岡由喜『家を支えた先人たち ある土佐藩 郷士の家譜』(一九八八年) 『安岡寿雄家住宅調査報告書』(社団法人高 知県建築設計監理協会 一九九五年)
関連情報
附指定
風呂場(桁行2.3m、梁間1.4m、切妻造、桟瓦葺)
雪隠(桁行4.3m、梁間2.3m、切妻造、桟瓦葺)
絵図
関連情報
附指定
附名称
:
風呂場(桁行2.3m、梁間1.4m、切妻造、桟瓦葺)
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
雪隠(桁行4.3m、梁間2.3m、切妻造、桟瓦葺)
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
絵図
附員数
:
1枚