国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
杉本家住宅
ふりがな
:
すぎもとけじゅうたく
棟名
:
主屋
棟名ふりがな
:
しゅおく
杉本家住宅主屋
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員数
:
1棟
種別
:
近代/住居
時代
:
大正
年代
:
明治3
西暦
:
1870
構造及び形式等
:
店舗部及び居室部からなる
店舗部・木造、建築面積116.79平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺
居室部・木造、建築面積187.03平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02557
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2010.06.29(平成22.06.29)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
京都府京都市下京区綾小路通新町西入矢田町116番
保管施設の名称
:
所有者名
:
公益財団法人奈良屋記念杉本家保存会
所有者種別
:
管理団体・管理責任者名
:
杉本家住宅主屋
解説文:
詳細解説
杉本家住宅は、京都市街の中心部に所在する町家で、綾小路通に面して広い屋敷地を占める。主屋は、表側の店舗部と裏手の居室部を玄関で結ぶ表屋造(おもてやづくり)の形式で、主屋の後方に大蔵、隅蔵、中蔵が並び建ち、屋敷の周囲には高塀を廻らせる。
杉本家住宅の主屋は、伝統的な京都の町家形式をよく示し、保存状況も良好で、市内に現存する大規模な町家建築として、高い歴史的価値を有している。また、江戸期の土蔵とともに、明治期から昭和初期にかけて整えられた茶室なども保存され、町家の屋敷構えをよく伝えている。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
写真一覧
杉本家住宅主屋
杉本家住宅主屋居室部座敷
杉本家住宅居室部ハシリニワ
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杉本家住宅主屋
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杉本家住宅主屋居室部座敷
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杉本家住宅居室部ハシリニワ
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解説文
杉本家住宅は、京都市街の中心部に所在する町家で、綾小路通に面して広い屋敷地を占める。主屋は、表側の店舗部と裏手の居室部を玄関で結ぶ表屋造(おもてやづくり)の形式で、主屋の後方に大蔵、隅蔵、中蔵が並び建ち、屋敷の周囲には高塀を廻らせる。 杉本家住宅の主屋は、伝統的な京都の町家形式をよく示し、保存状況も良好で、市内に現存する大規模な町家建築として、高い歴史的価値を有している。また、江戸期の土蔵とともに、明治期から昭和初期にかけて整えられた茶室なども保存され、町家の屋敷構えをよく伝えている。
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詳細解説
杉本家住宅 四棟 主屋、大蔵、隅蔵、中蔵、土地 杉本家住宅は四条烏丸の南西に所在し、綾小路通に面して、間口約三〇メートル、奥行約六〇メートルの敷地を占める町家である。 杉本家の初代新右衛門は、寛保三年(一七四三)、四条烏丸で「奈良屋」と号して店を構え、さらに明和四年(一七六七)に現在地に移った。京に本店を構える一方で佐原(千葉県香取市)や佐倉(同佐倉市)に出店を構えて販路を拡大し、京都で仕入れた呉服などを下総方面で商った。また当家は西本願寺の有力門徒でもあり、一時は本山の勘定役も務めた。 屋敷地は、明和四年の移転当初は三間の間口であったと伝えるが、その後東西の敷地を徐々に取得して拡張し、明治中期頃に現在の規模になったとみられる。 綾小路通に面して建つ主屋は元治元年(一八六四)の大火後に再建され、主屋西端から矩折れに延びる高塀の北に、罹災を免れた大蔵、隅蔵、中蔵がL字形に並ぶ。これらの主屋、大蔵、隅蔵、中蔵、高塀については、平成二年二月二〇日付で、京都市指定有形文化財に指定されている。また敷地東側には旧米蔵と旧漬物小屋が建つ。 主屋は、表側の店舗部と裏手の居室部を玄関で結ぶ、いわゆる表屋造の形式になる。棟札により明治三年の上棟と判り、菱屋利三郎と近江屋五良右衛門が棟梁を務めた。明治初期に店舗部のコミセから応接間までの部分と居室部の大半が完成し、明治後期から大正期にかけて店舗部東西室の増築や、台所の間仕切設置、また昭和四年に応接間、同一一年に茶室の改修が行われた。 店舗部は、建築面積一一六・七九平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺である。中央東寄りの出入口に格子戸を建てて土間の通路とし、通路東側にコミセを張り出し、六畳間をおいて通用口を開き、東端をオトコシベヤとする。出入口の西側は、六畳、応接間、格子の間を通りに面して並べ、格子の間後方を八畳の間とする。上階は、中寄りの当初部と東西の増築部とが、壁で三区に隔てられる。 表構えは、下階では応接間と格子の間に出格子を設けて他を平格子及び板壁とする。また上階は虫籠窓を開け、軒を出桁造とする。 居室部は、建築面積一八七・〇三平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺である。東端をハシリニワとし、西側を床上部とする。ハシリニワは正面を大戸引とし、内部は中戸で手前の玄関ニワと後方の台所ニワに仕切り、上部は吹抜けとして、梁上に束と貫を組んだ力感のある小屋組を現す。 床上部は、ハシリニワ沿いの手前から、内玄関、三畳の間、台所、三畳を並べ、その西側に同じく六畳の間、中の間、床・棚を備えた一〇畳を並べる。中の間の西側に、内陣と前室からなる仏間を配し、床下に地下室をつくる。仏間の内陣・前室境には透彫欄間を入れ、仏壇前に花頭枠を設ける。また仏間南側を茶室とする。上階は、西側に三室を配し、北の一〇畳には床を備える。 軸部は、杉の良材を用い、長押はつけない。小屋組は和小屋で、登り梁を併用する。 天井は、台所廻りを根太天井とする他は棹縁天井とし、仏間内陣は壁ともに貼付とする。また店舗部上階では、ヴォールト状に棹縁天井を張り、天井高を確保する。 茶室は四畳半で、西面北寄りに曲面の小壁を垂らして床の構えとし、南寄りに広く窓を開ける。 大蔵・隅蔵・中蔵は江戸後期の建築とみられ、現在は道具蔵などに使用している。 大蔵は、建築面積三七・六一平方メートル、土蔵造二階建、切妻造、本瓦葺で、東面に庇を付ける。 隅蔵は、建築面積一九・〇九平方メートル、土蔵造二階建、切妻造、本瓦葺で、同じく東面に庇を付ける。 中蔵は、建築面積二三・五〇平方メートル、土蔵造二階建、切妻造、本瓦葺で、南面に庇を付ける。 旧米蔵は明治後期の建築とみられ、建築面積二四・七五平方メートル、南半は土蔵造、切妻造、本瓦葺で、南面に庇を付ける。北半は、寄棟造、桟瓦葺である。旧漬物小屋も旧米蔵と同時期とみられ、建築面積三〇・七一平方メートル、二階建、切妻造、桟瓦葺で、小屋は洋小屋を組む。これら旧米蔵と旧漬物小屋を附指定とする。 杉本家住宅の主屋は、伝統的な京都の町家形式をよく示し、市内に現存する大規模な町家建築として、歴史的価値が高い。また江戸期の土蔵とともに、明治期から昭和初期にかけて整えられた茶室など、附属建物や接客空間も良好に保存され、京都の大店における屋敷構えの変遷をよく伝えており、土地と併せて保存を図る。 【参考文献】 『杉本家住宅調査報告書』(京都市文化財保護課 一九九一年) 『京都府の近代和風建築』(京都府教育委員会 二〇〇九年)
関連情報
附指定
棟札
御本宅積り書
旧米蔵
旧漬物小屋
高塀
関連情報
附指定
附名称
:
棟札
附員数
:
1枚
関連情報
附指定
附名称
:
御本宅積り書
附員数
:
1冊
関連情報
附指定
附名称
:
旧米蔵
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
旧漬物小屋
附員数
:
1棟
関連情報
附指定
附名称
:
高塀
附員数
:
6棟