国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
壬申検査関係ステレオ写真ガラス原板
ふりがな
:
じんしんけんさかんけいすてれおしゃしんがらすげんばん
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員数
:
257点
種別
:
歴史資料
国
:
日本
時代
:
明治
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00131
枝番
:
0
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2004.06.08(平成16.06.08)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
埼玉県
所在地
:
埼玉県川口市領家5-14-36
保管施設の名称
:
Dプロジェクト川口領家Ⅱ
所有者名
:
東京都
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
詳細解説参照
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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詳細解説
明治5年(1872)に実施された社寺宝物調査(壬申検査)の写真撮影に用いられたガラス原板である。これは平成15年5月29日付で重要文化財に指定された「壬申検査関係写真(ステレオ写真・四切写真・四切写真ガラス原板)」(東京国立博物館保管)のうちのステレオ写真のガラス原板にあたる。 壬申検査は、明治5年5月から10月まで明治政府によって実施された文化財調査である。前年5月の太政官布告「古器旧物保存方」を受け、翌年ウィーンで開催が予定されていた万国博覧会への出品選定も兼ねて、文部省の町田久成<ひさなり>、蜷川式胤<にながわのりたね>、内田正雄、柏木政矩<まさのり>らが中心となり、写真師横山松三郎、油絵師高橋由一<ゆいち>、絵師岸光景<こうけい>、博物学者笠倉鉄之助を同行して行われた。 江戸東京博物館保管になるこのガラス原板は、愛知、三重、京都、奈良の古社寺や彫刻・宝物類等を撮影したもののうち、ステレオカメラによって撮影されたガラス原板であり、現存するステレオ写真にほぼ対応するネガである。サイズは縦10.7センチメートル、横15.8センチメートルで、厚さはほぼ1.6ミリメートルであるが、中には2.8ミリメートルと厚手のものがある。全体が乳灰色で覆われ、一見すると被写体が何かを判定することは困難である。この乳灰色の画像は撮影がコロジオン湿板法によるもので印画紙への焼付を前提にしていることを示す。そして、これを鶏卵紙へ焼き付けることによって陽画像を得ることができる。 乳剤面、ガラス面とも埃や擦り傷が多く一部破損している。さらに乳剤剥離が進行しているものが確認されるが、対応するステレオ写真には見られないため焼付後の劣化と考えられる。また付された時期は不明だが、ガラス面右上端にはアラビア数字の陰刻がある。 なお、このガラス原板の伝来としては、長く蜷川家のもとにあったものが、赤木コレクションを経て、平成4年12月に江戸東京博物館が購入したものである。 このように本資料はすでに指定された「壬申検査関係写真」と一体の関連性を有するものであり、近代文化財保護制度の原点といえるのみならず、わが国の写真史上に貴重である。