国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 讃岐入道集
ふりがな さぬきのにゅうどうしゅう
讃岐入道集
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員数 1帖
種別 書跡・典籍
日本
時代 鎌倉
年代
西暦
作者
寸法・重量 縦11.2cm 横12.3cm
品質・形状 紙本墨書 綴葉装冊子本
ト書
画賛・奥書・銘文等 首題「讃岐入道集〈顕綱〉」
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 02539
枝番 00
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 2005.06.09(平成17.06.09)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 京都府
所在地 京都府京都市左京区南禅寺下河原町61
保管施設の名称 野村美術館
所有者名 公益財団法人野村文華財団
管理団体・管理責任者名
讃岐入道集
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解説文:
 『讃岐入道集』は歌人藤原顕綱【あきつな】(生没年未詳)の私家集で一巻からなる。『顕綱集』ともいい、一〇五首の和歌を収載している。顕綱は讃岐、丹波、和泉、但馬などの守を歴任し、正四位下に叙され、後に入道して「讃岐入道」と号した。
 この家集が自撰か他撰かは不明であるが、集中に長治元年(一一〇四)五月に行われた『左近権中将俊忠【さこんごんのちゅうじょうとしただ】朝臣家歌合』の歌が見られるので、その後まもなくの成立と考えられている。
 本書の体裁は綴葉装冊子本。料紙には、①斐紙(薄様と厚様)、②装飾料紙(金銀砂子、切箔、野毛散らし)、③唐紙(波文様)が用いられている。本文は一首三行、詞書二字下げにて書写する。巻頭、巻末には藤原定家(一一六二~一二四一)の筆跡が認められる。『讃岐入道集』の諸伝本としては、現在のところ、宮内庁書陵部蔵本など一三本が知られるが、いずれも近世の書写本である。そのような中で、本帖は一部分ながら定家の筆にて記されており、定家監督本として鎌倉時代の成立になる。
 その内容は、前・後半に分けられる。前半部の五三首は比較的長い詞書を有した日常生活の詠である。「しりたる人のもとより」「かたらふ人に」などの恋の贈答歌が多いが、特定の人物名は見られない。また詞書に「源氏を人にかりて返しやりける」とある歌は、『源氏物語』享受史の一齣【こま】として注目される一首である。後半部は、「一の宮の女房のうた」と題した一〇首、続いて「女御殿女房内りにて」と題した一七首を存する。その後、各歌合での詠があり、終わりに贈答歌二首をおいている。
 付属の添状などから、加賀前田家に伝来したと考えられる。
 本帖は、伝来する『讃岐入道集』の中の最古写本であり、その研究を大きく進展させるものとして貴重である。
 附【つけたり】の柳流水鴛鴦【やなぎにりゅうすいえんおう】蒔絵箱は、本帖が加賀前田家に伝来した際に、五十嵐派の蒔絵師によって制作されたと考えられるもので、一八世紀の漆工芸品としても貴重であり、併せて保存を図ることとしたい。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定
  一つ書 なし
  添付ファイル なし