国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
銅造阿弥陀如来及両脇侍立像
ふりがな
:
どうぞうあみだにょらいおよびりょうきょうじりゅうぞう
解説表示▶
員数
:
3躯
種別
:
彫刻
国
:
時代
:
鎌倉
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
3541
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2007.06.08(平成19.06.08)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
群馬県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
青蓮寺
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
各鋳銅製鍍金。いわゆる善光寺式阿弥陀三尊像の一例で、作風から13世紀半ば~後半の製作とみられる。鋳上がりの見事さ、別に鋳造した部位を取付ける技法を多用する手の込んだ作技など、当代金銅仏の鋳造技法の到達点を示す作品である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
各鋳銅製鍍金。いわゆる善光寺式阿弥陀三尊像の一例で、作風から13世紀半ば~後半の製作とみられる。鋳上がりの見事さ、別に鋳造した部位を取付ける技法を多用する手の込んだ作技など、当代金銅仏の鋳造技法の到達点を示す作品である。
詳細解説▶
詳細解説
左手を垂下して掌を前に向け第二・三指を伸ばし他指を曲げ、右手屈臂して前方に出し掌を前に向けて立て、通肩に衲衣をまとって立つ阿弥陀如来を中尊とし、六角の宝冠を戴き条帛、天衣をかけ胸前で梵篋印【ぼんきょういん】を結んで立つ脇侍を配する三尊形式でいわゆる善光寺式阿弥陀三尊である。 中尊の両前膊【ぜんぱく】から先、左内袖、両脇侍の両肩から先、遊離する天衣等を別鋳するほかは頭躰幹部を一鋳して鍍金を施す。脇侍の両肩から先は蟻枘【ありほぞ】立てし、衣は各銅釘留するなど別鋳した部位を取り付ける技法を多用して細部にわたる入念な造形を示す。宝冠の文様も繊細で仕上げも秀逸である。しかも三尊とも鋳上がりの良さが特筆され、表面の仕上げはきわめて入念で、金剛仏の技法の到達点を示している。 造形的にも均衡がよく整った姿にまとめられ、ほぼ卵形の輪郭をもつ面部には秀麗な目鼻立ちをあらわし、両脇侍の上半身を後方に反らせ、両手とのバランスをとる側面の像容も写実を踏まえた的確な彫技によって表現される。堅実な作風と衣褶の凝ったやや装飾的な表現に一三世紀半ばから後半の特徴が顕著である。 青蓮寺はもと新田領内の岩松郷に創建され、天正年間(一五七三~九二)に当地に移ってきた。本像について寺伝では源家相承と伝え、源義国が持仏堂に安置、義重が新田庄大館安養寺に遷座したことなどを伝える。伝承のため確かなことは不明であるが、岩松郷は、岩松時兼が源実朝より新田庄内一一郷の地頭を命じられて以降、岩松氏が治めた。時兼の孫政経は一遍に帰依してから法名を青蓮寺殿道空と号していることから青蓮寺がこのころには存在していたことは明らかで、しかも文永九年(一二七二)に僧源祐が中興して時宋に改宗した伝承もあり、この年代は本像の製作年代とも矛盾しない。 現状、光背を失っていることは惜しまれるが、胸飾、天衣などの装身具の一部に亡失があるほかは台座までを完存する保存状態の良さも賞され、善光寺式三尊中のみならず、鎌倉時代金剛仏の優品といえる。