国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
木造大威徳明王像運慶作
ふりがな
:
もくぞうだいいとくみょうおうぞううんけいさく
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員数
:
1躯
種別
:
彫刻
国
:
時代
:
鎌倉
年代
:
建保4年
西暦
:
1216
作者
:
運慶
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
3550
枝番
:
1
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2008.07.10(平成20.07.10)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
神奈川県
所在地
:
神奈川県横浜市金沢区金沢町142
保管施設の名称
:
神奈川県立金沢文庫
所有者名
:
宗教法人光明院
管理団体・管理責任者名
:
神奈川県
解説文:
詳細解説
近年の解体修理時に像内から取り出された納入品の奥書から、建保4年(1216)に運慶によって造立されたことが明らかとなった作例。当初の彩色や切金もよく残り、数少ない運慶の真作として、さらに運慶最晩年の作として極めて重要である。納入文書は運慶と鎌倉幕府との緊密な関係を裏付けるなど歴史的に見ても貴重である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
添付ファイル
なし
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解説文
近年の解体修理時に像内から取り出された納入品の奥書から、建保4年(1216)に運慶によって造立されたことが明らかとなった作例。当初の彩色や切金もよく残り、数少ない運慶の真作として、さらに運慶最晩年の作として極めて重要である。納入文書は運慶と鎌倉幕府との緊密な関係を裏付けるなど歴史的に見ても貴重である。
詳細解説▶
詳細解説
髻上部から先、左肩から先を各亡失し、脚部もほとんど失っているため尊名を特定しがたいが、身色を青とし、忿怒形の三面頭部(右脇面亡失)で、両足が台座を跨ぐような形状とするところから大威徳明王像とみなされる。本像はすでに存在を知られていたが、わずか七寸ほどの小像で保存状態も良くなかったこと、さらに発見当初、鎌倉時代中期の作品とみなされていたためこれまでほとんど顧みられることはなかった。 平成十八年度より寄託先である神川県立金沢文庫の修理事業として本像の解体修理が行われ、像内より蓮実製舎利容器と大威徳種子等および梵字三身真言(大日如来法身真言、同報身真言、同応身真言)、梵字愛染真言、大威徳種子百字を列記したのちに梵字千手陀羅尼を記した巻物が発見され、巻末に建保四年(一二一六)十一月、源氏大弐殿の発願により、法印運慶【うんけい】が造った旨の奥書があることがわかった。 「源氏大弐殿」は『吾妻鏡』に現れる大弐局に比定されている。大弐局は信濃源氏加賀美【かがみ】(小笠原)遠光【とおみつ】の息女で文治四年(一一八八)に源頼家の養育係(介錯)として将軍御所に出仕して大弐局の名を賜った。その後、実朝の介錯に転じ、建暦三年(一二一三)五月に起きた和田義盛の乱後に勲功賞として出羽国由利郡を賜っている。源氏の女房としては最も地位の高い人物と考えられている。 奥書には「巧造肥中法印運慶」と作者についても記される。現在知られる運慶の最晩年の作品は興福寺北円堂の諸尊像(国宝、建暦二年〈一二一二〉)であったが、これより降る真作が判明したことの意義は大きい。小像ながら細部まで神経の行き届いた彫り口や張りのある相貌、安定感のある側面観は運慶の作風をよく示している。 このころ、運慶は実朝持仏堂の釈迦如来像(建保四年〈一二一六〉)や鎌倉・勝長寿院五大尊像の造像(承久元年〈一二一九〉)を行っていることが『吾妻鏡』から知られるが、本像の存在は鎌倉幕府と慶派仏師、さらには東国における運慶の活躍等をうかがうにも大変重要である。 構造は、檜材の割矧造で玉眼を嵌入し、錆下地白土下地彩色および切金を施す。頭体幹部は、髻および両腰脇を含んで縦一材を用いて彫り出し、本面両耳後を通る線で前後に割り矧ぐ。内刳のうえ、本面三道下で割首【わりくび】する。内刳は頭部、胸部から腹部にかけて行い、両足部には施さない。頭部は各面とも面部を前後に割り矧ぎ、内刳を施す。右手は肩、肘で各矧ぐ。左手は肩矧目【はぎめ】より先を亡失する。 なお、蓮実製の舎利容器は、西大寺騎獅文殊菩薩像(重要文化財、永仁元年〈一二九三〉)の像内納入品の中に類例が知られているが、本像はそれに先行する違例としても貴重であり、仏舎利の納入法を考えるうえでも重要となろう。
関連情報
一つ書
一、蓮実製舎利容器
一、大威徳種子・梵字三身真言・梵字愛染真言・梵字千手陀羅尼
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
一、蓮実製舎利容器
一つ書員数
:
1口
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
一、大威徳種子・梵字三身真言・梵字愛染真言・梵字千手陀羅尼
一つ書員数
:
1巻
ト書
:
建保四年十一月、源氏大弐殿、法印運慶の奥書がある