国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
銅造菩薩立像
ふりがな
:
どうぞうぼさつりゅうぞう
解説表示▶
員数
:
1躯
種別
:
彫刻
国
:
時代
:
飛鳥
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
3564
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2009.07.10(平成21.07.10)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
新潟県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
関山神社
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
関山神社の御神体として祀られる。火中による傷みが著しいが、衣や装身具には刻線による精緻な文様が施されている。法隆寺夢殿の救世観音像と共通する形式を示すが、柔和な表情や眉に刻線を入れることなど、朝鮮・三国時代の仏像と関連する要素が多い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
関山神社の御神体として祀られる。火中による傷みが著しいが、衣や装身具には刻線による精緻な文様が施されている。法隆寺夢殿の救世観音像と共通する形式を示すが、柔和な表情や眉に刻線を入れることなど、朝鮮・三国時代の仏像と関連する要素が多い。
詳細解説▶
詳細解説
関山神社の御神体として祀られる菩薩立像である。鋳銅製(蝋型)で、頭体を通して一鋳し、像内体部は中空とし、裙裾底部が外部に開口する。両足は正面の裙裾の内側から造り出す。背面腰辺で型持孔に嵌め金を施す(縦は約三センチメートル、幅は〇・七センチメートルの範囲まで確認できる)。左目ほか各所に円形の嵌金が認められる。鍍金は確認できない。全体に火中し像表面が荒れ、形状に歪みが生じており、各所に亀裂、割損、欠失が認められる。 蕨手状に巻く垂髪の形、帯状をなし正面下端中央を尖らせる胸飾の形、正面では両膝辺でX字状に交差し、背面ではU字形に長く垂れ、側面に鰭状の出をつくって垂下する天衣の形、途中で結び輪をつくって両脚間を垂れる腰帯の形、左右対称を基調とする著衣や衣文の形、両手首先は失われているが、本来両手で宝珠をとる形を示していたとみられることなどの点が、奈良・法隆寺夢殿の木造観音菩薩立像(救世観音。国宝)と共通する。しかし、その柔和な表情や眉に沿って刻線を入れること、像内表面の鋳肌が荒れ、各所にバリが認められること、両足を正面の裙裾の内側から造り出す造法などは朝鮮・三国時代の金剛仏と関連する要素である。また、両手で宝珠をとる形式の菩薩像が百済で流行したとみられること、本像に使用された銅の産地が鉛同位体比の測定により韓国・忠清南道(百済の地域に当たる)であることが報告されていることなどの点で、特に百済との関連性が強いといえる。 衣や装身具には刻線による精緻な文様が施され、衣文表現も起伏に富んだ立体感のあるものとなっており、優れた造形性を発揮している。口端に笑みを浮かべた表情や顎の尖った顔立ち、冠帯や胸飾の形式、刻線による精緻な文様表現などが、本像の所在地と比較的近い、長野・観松院に伝わる銅造菩薩半跏像(重要文化財)と類似していることも注目される。 本像は、現存作例の少ない百済系の仏像として貴重であるとともに、飛鳥時代における仏像の様式系統や外来様式の受容、伝播のあり方を考えていくうえで重要な作例といえよう。