国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財（美術工芸品）
主情報
名称
：
裸婦図〈山本芳翠筆／油絵 麻布〉
ふりがな
：
らふず〈やまもとほうすいひつ／あぶらえ まふ〉
裸婦図〈山本芳翠筆／油絵 麻布〉
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員数
：
1面
種別
：
絵画
国
：
日本
時代
：
明治
年代
：
19世紀
西暦
：
作者
：
山本芳翠
寸法・重量
：
縦８３．０ｃｍ 横１３４．０ｃｍ
品質・形状
：
油絵 麻布 額装
ト書
：
画賛・奥書・銘文等
：
伝来・その他参考となるべき事項
：
指定番号（登録番号）
：
2064
枝番
：
国宝・重文区分
：
重要文化財
重文指定年月日
：
2014.08.21(平成26.08.21)
国宝指定年月日
：
追加年月日
：
所在都道府県
：
岐阜県
所在地
：
岐阜県岐阜市宇佐４−１−２２
保管施設の名称
：
岐阜県美術館
所有者名
：
岐阜県
管理団体・管理責任者名
：
裸婦図〈山本芳翠筆／油絵 麻布〉
解説文：
詳細解説
山本芳翠（１８５０～１９０６）は岐阜県出身。五姓田芳柳、ワーグマン、フォンタネージらから洋画を学び、明治１１年（１８７８）に渡仏、およそ１０年間滞在し西洋における伝統的な絵画技法（油彩技法）を学んで帰国した。本図は、明治１３年（１８８０）ごろ、フランスで制作された作品である。
芳翠は明治期の日本洋画壇を牽引した一人であり、本作品は日本人による完成度の高い油彩裸体画としては最初期のもので、極めて画期的な作品である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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裸婦図〈山本芳翠筆／油絵 麻布〉
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裸婦図〈山本芳翠筆／油絵 麻布〉
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解説文
山本芳翠（１８５０～１９０６）は岐阜県出身。五姓田芳柳、ワーグマン、フォンタネージらから洋画を学び、明治１１年（１８７８）に渡仏、およそ１０年間滞在し西洋における伝統的な絵画技法（油彩技法）を学んで帰国した。本図は、明治１３年（１８８０）ごろ、フランスで制作された作品である。 芳翠は明治期の日本洋画壇を牽引した一人であり、本作品は日本人による完成度の高い油彩裸体画としては最初期のもので、極めて画期的な作品である。
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詳細解説
美濃国恵那郡明智村に生まれた山本芳翠（一八五〇～一九〇六）は京都で久保田雪江に師事したが、中国で南宗画を極めようと横浜に出て五姓田芳柳と出会い洋風画に転じ、またワーグマンに知遇を得、油彩画、水彩画の基礎を学んだ。明治九年（一八七六）に工部美術学校が設置されると画学科に入学し、ここでフォンタネージの指導を受ける。明治十年の第一回内国勧業博覧会に「勾当内侍月詠図」を出品し、宮内省買い上げとなった。翌年二月、パリ万国博覧会の事務局雇という身分でフランスに留学し、以来約一〇年間にわたり現地で洋画の研鑽を積んだ。フランスではエコール・デ・ボザールに入学し、ジャン＝レオン・ジェロームのもとで修行し、サロン様式を身につける。 本図は、当時主流の伝統的様式により、留学地での学習の成果を如実に示す作品である。裸婦のポーズについては複数の類似作品の存在が指摘されるが、このことは芳翠がともに同じモデルをデッサンしたか、あるいはいずれかの作品を下敷きとし、部分的にアレンジを加えて完成させたと考えられる。本図のＸ線撮影の所見によると、加筆や修正の痕跡が随所に認められ、モデルデッサンや先行作品の模倣から始め、オリジナルの寓意画へと発展させようとしたとも考えられる。本図はベルサイユで芳翠と同宿だった新潟県新発田の豪商の子息白勢和一郎が日本に持ち帰ったものである。 滞欧中の芳翠はパリで多くの文化人と交流し、またルーブル美術館で古典の模写を数多く手がけた。明治二十年の帰国後は合田清とともに画塾生巧館を開設し、フランス流の絵画教育の普及に努めた。この時ヌードモデルを用いている。生巧館は黒田清輝がフランスから帰国すると彼に譲られ、天真道場となる。また明治美術館や白馬会の結成にも関与し展覧会活動も行うが、一方で伊藤博文の琉球視察に同行し、会津磐梯山の噴火を取材し、日清戦争には従軍画家として出征し、記録的、報道的な作品も描いた。さらにジオラマの制作や舞台美術、活人画など、極めて幅広い活動を精力的に行い、洋画の普及に献身した。 明治期の日本洋画壇の牽引者の一人として評価すべき人物で、留学中に当地における伝統的かつ本格的な絵画制作がギリシャ・ローマ時代以来の裸体像の習得を通じたものであることを十分に理解し、それを追求した。明治初年の洋画が写実的で実用的な技術と理解された嫌いがある中で、フランス流の高度な表現技法をいち早く身につけ、歴史画、構想画へと繋がる要素をもった完成度の高い作品を描いた点で画期的でもあった。
