国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
キトラ古墳壁画
ふりがな
:
キトラこふんへきが
解説表示▶
員数
:
5面
種別
:
絵画
国
:
日本
時代
:
飛鳥
年代
:
7~8世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
東壁 縦112.1 横203.7/南壁 縦95.7 横72.8/西壁 縦112.8 横204.2/北壁 縦112.2 横105.7/天井 縦105.8 横169.3
品質・形状
:
漆喰下地著色・石室壁画
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
162
枝番
:
0
国宝・重文区分
:
国宝
重文指定年月日
:
2018.10.31(平成30.10.31)
国宝指定年月日
:
2019.07.23(令和1.07.23)
追加年月日
:
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
国(文部科学省所管)
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
奈良県明日香村のキトラ古墳の石室壁画。四方の壁
に四方と四季を司る青竜・朱雀・白虎・玄武の四神と、12の方角を守護する十二支、天井に天界の見取り図である天文図と、昼夜を司る太陽と月が描かれる。古代人の時空認識を今に伝える貴重な作例である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
奈良県明日香村のキトラ古墳の石室壁画。四方の壁 に四方と四季を司る青竜・朱雀・白虎・玄武の四神と、12の方角を守護する十二支、天井に天界の見取り図である天文図と、昼夜を司る太陽と月が描かれる。古代人の時空認識を今に伝える貴重な作例である。
詳細解説▶
詳細解説
奈良県高市郡明日香村のキトラ古墳(特別史跡)は七世紀末から八世紀初頭に築かれた直径約十四メートルの小さな円墳である。古墳としては終末期古墳に分類され、石室天井の形状はほぼ同時期の高松塚古墳(特別史跡)よりも古い形式をとる。昭和五十八年から順次確認された壁画は、石室内で崩壊しかかっていたため、平成十六年から保存のために暫定的に石室からはぎ取られた。その後、平成二十八年までに安定化と再構成が完了し、同年秋から一般公開が行われている。 壁画は平滑に仕上げられた凝灰岩の切石の表面に漆喰で下地を作り、各種の色材で描かれる。四方の壁の中央には四方と四季を司る青龍・朱雀・白虎・玄武の四神が描かれ、各神の下には十二の方角を守護する獣頭人身の十二支が各面に三体ずつ配される。十二支は現状、子・丑・寅・午・戌・亥の存在が確認できる。残る辰・巳・申については表面を覆った泥土と漆喰地の間に何かが残存している可能性を残すが、卯・未・酉は完全に失われている。さらに天井には全面に天文図を描き、天井の東西壁との境目近くに日像と月像を配する。これらは相互に緊密な関係を持って計画的かつ整然と配置されており、この当時の人々の世界観をよく示しているものと言えよう。キトラ古墳においては、これら壁画の全体構想が判明する点が極めて貴重で、とくに高松塚古墳では失われている朱雀が良好な状態で残っていることが特筆される。天文図も東アジアにおける最古例に位置づけられる貴重なものである。線描や賦彩による絵画表現にも見るべきものがあり、各所に下描き時に付けられたと考えられる凹み線が明瞭に認められる点も絵画史研究上、極めて意義深い。「高松塚古墳壁画」(国宝)とともに我が国の古代絵画史を考える上で不可欠な作例である。