国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 木造薬師如来坐像(金堂安置)
ふりがな
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員数 1躯
種別 彫刻
日本
時代 室町
年代
西暦
作者
寸法・重量
品質・形状
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 03483
枝番 00
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 山口県
所在地
保管施設の名称
所有者名 国分寺
管理団体・管理責任者名

解説文:
 周防国分寺金堂(重文)の須弥壇中央に安置される周丈六の本尊像である。ヒノキ材の寄木造で、頭体を別材製とする。頭部は正面左右二材、両側面各大略一材、背面左右四材を箱組み式に寄せ、一材製の肉髻を被せる。体幹部は正・背面各一材に両肩上面をなす一材を挟み、左肩外側部は正・側・背面および上面を箱組み式に寄せ、右肩外側部は地付まで前後二材製とし、両前膊と両手先はそれぞれ各一材を矧ぐ。両足部は上面前後二材、見付一材、左側面前後二材、右側面一材を箱組み式に寄せ、裙先に別材を矧ぐ。表面は錆下地漆箔仕上げ、像内は頭部素地、体部黒漆塗とする。
 面貌は頬が長くいささか沈鬱な表情を浮かべ、四角張った猫背の体型で、着衣には大振りで概念的な調子の襞が刻まれるなど、その作風には室町時代の特色が顕著にうかがえる。周防国分寺は応永二十四年(一四一七)に回禄に遭い、周防国守護大内盛見により再興造営が進められ同二十八年に本堂の供養が行われているが、このときの製作とみて誤りなかろう。当代大像の常として多数の材を箱組み式に寄せて造られるが、像内を深く浚って薄手に仕上げ、正・背面材を腰の高さで左右二本の束で連結し、像心束を下ろす仕口は院派仏師の特徴を示し、また両足部に同派の定型ともいえる大きく屈曲する衣文をあしらうところから、作者には院派系の仏師を想定すべきと思われる。
 光背・台座の意匠形式も室町時代の特色をよく示し、ことに一丈に及ぶ大光背が周縁部までほぼ完存することは特筆される。
 数少ない室町彫刻の大作であり、大内氏の庇護のもとに栄えた防長仏教文化の盛んなさまを示し、また国分寺本尊としての由緒を伝える遺品として貴重である。
 なお、像内に納められていた旧本尊のものと伝えられる仏手(平安時代)は附指定を受けた。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定
  一つ書 なし
  添付ファイル なし