国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
高野版板木
ふりがな
:
こうやばんはんぎ
詳細解説表示▶
員数
:
5488枚
種別
:
歴史資料
国
:
日本
時代
:
鎌倉
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00107
枝番
:
0
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2000.06.27(平成12.06.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
和歌山県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
宗教法人金剛峯寺
管理団体・管理責任者名
:
財団法人高野山文化財保存会
解説文:
詳細解説
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
なし
添付ファイル
なし
詳細解説
本件は、金剛峯寺の管理になる勧学院、奥の院に伝来したもので、金剛三昧院所蔵の板木と共に高野版板木として著名なものである。 『紀伊続風土記』(巻二)所収になる『永正十八年焼失記』等によれば、永正18年(1521)の山内寺院の火災に伴い板木を保存・管理していた模経蔵が類焼し、その多くが灰燼となったことがうかがわれる。 勧学院に伝わる板木の体裁は、桜材を用いるなど基本的には金剛三昧院所蔵板木とほぼ同様の形態で、幸いにして焼失を免れた鎌倉時代から室町時代開版の板木の他、焼失後に開版された天正3年(1575)の刊記を有する『三中御不同鈔』や真言教学の主要教典として知られる『蘇悉地経<そしつじきょう>』『瑜祇経<ゆぎきょう>』『金剛頂経<こんごうちょうきょう>』『要略念誦<ようりゃくねんじゅ>』『大日経』の五部秘経がまとまって現存する他、教典類、注釈書、法要次第、寺誌類など多岐にわたる近世開版の板木、明治期開版の『大塔興廃略記』などを含めて都合5,483枚が今日伝わっている。 特にその中心を占める近世開版の板木の彫成過程について、従前には必ずしも明確ではなかったが、その出版事業についての具体的な実態が明らかになった。 即ち、高野山学侶直轄書林であった永寧坊書林・山本平七、松壽院経師<しょうじゅいんきょうじ>・八左衛門、山城屋茂八の他、山本長兵衛、藤田半兵衛らの版元名や経師名が確認され、山内に印刷書林が存在し、さらに高野山学侶の監督下で京都の洛陽書林や大坂方面の版元へ発注依頼して開版したことが判明し、近世における高野版の開版経緯を具体的に伝えて注目される。 近世開版の板木は、版元から完成後に板木の表面を保護するために板を付して納めたことが判明した。この板には納品年次や版元名などが墨書され、希有な事例として特記される。 この他、奥の院には、『十三仏像』(寛政5年開版)、『弘法大師像』など5枚の板木が現存し、少数ではあるがいずれも同院における弘法大師信仰の実態を伝えるものである。 火災によって中世開版の多くが焼失したことは惜しまれるが、焼失後に教学振興策の一環として精力的に開版し、かつその開版経緯が明らかであると共にこのようにまとまった現存遺例は稀であり、金剛三昧院所蔵板木と共に高野版板木の一括に現存する事例としてわが国印刷文化史研究上に貴重である。
関連情報
附指定
添板
関連情報
附指定
附名称
:
添板
附員数
:
六十八枚
附ト書
: