国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
太安萬侶銅板墓誌
ふりがな
:
おおのやすまろどうばんぼし
太安萬侶銅板墓誌
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員数
:
1枚
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
奈良
年代
:
723
西暦
:
723
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
癸亥年七月六日の銘がある/奈良県奈良市此瀬町出土
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00384
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
1981.06.09(昭和56.06.09)
国宝指定年月日
:
2025.09.26(令和7.09.26)
追加年月日
:
所在都道府県
:
奈良県
所在地
:
橿原市畝傍町50-2
保管施設の名称
:
奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
所有者名
:
国(文化庁)
管理団体・管理責任者名
:
太安萬侶銅板墓誌
解説文:
詳細解説
銅製の薄板に、太安萬侶の居住地、位階、勲位、氏名、没年月日などが線刻される。その内容は『古事記』序文や『続日本紀』の記載と一致し、日本古代史の根本文献『古事記』の編纂者である、太安萬侶の実在を証明する。近年の科学調査で発見された、一部の刻字左側に残る下書き痕跡も興味深い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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太安萬侶銅板墓誌
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解説文
銅製の薄板に、太安萬侶の居住地、位階、勲位、氏名、没年月日などが線刻される。その内容は『古事記』序文や『続日本紀』の記載と一致し、日本古代史の根本文献『古事記』の編纂者である、太安萬侶の実在を証明する。近年の科学調査で発見された、一部の刻字左側に残る下書き痕跡も興味深い。
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詳細解説
『古事記』編者として著名な、太安萬侶の墓誌である。 太安萬侶墓は、奈良盆地の東方、大和高原と呼ばれる丘陵地の西北端に所在する。昭和54年、茶畑の開墾中に偶然発見され、その数日後には奈良県立橿原考古学研究所によって発掘調査が行われた。墓誌は、木炭槨に納められた木櫃底面に、文字面を下に粘土を介して貼り付いた状態であったことが確認された。 本墓誌は、短冊形の薄い銅板で、表面に41字から成る銘文が2行にわたって刻まれている。 「左京四條四坊従四位下勲五等太朝臣安萬侶以癸亥 年七月六日卒之 養老七年十二月十五日乙巳」 冒頭の「左京四條四坊」は太安萬侶の居住地(本籍地)とみられ、現在のJR奈良駅西方にその邸宅が存在していた可能性が高まった。続く「従四位下勲五等」は位階と勲位を「太朝臣安萬侶以癸亥年七月六日卒之」は氏名と没年月日を示す。位階と没年月は『続日本紀』養老七年(723)七月庚午条、勲位および「安萬侶」の漢字表記は『古事記』序文の記述と一致しており、太安萬侶の実在を証明するものとして高く評価される。また、「養老七年十二月十五日乙巳」は埋葬、あるいは墓誌製作の年月日とみられる。 本墓誌の下部、刻字左側からは、下書きの痕跡が確認されている。刻字は、この下書き文字の字形・配置を忠実に再現しており、墓誌銘文の施文字方法の一例を示す。また、丸毛彫り状の鏨彫りで刻字されたこと、一部筆順と異なる方向によって刻まれた文字の存在、欠失部への別材の嵌め込みなど、近年の科学的な再調査によって多くの知見が得られている。 また、奈良時代の墓誌の埋納状況が、発掘調査によって明確に把握された希有な例としても貴重である。墓誌を木櫃底面に置くその埋納方法は他に例がなく、真珠以外の副葬品を伴わない。年代の近い文祢麻呂墓や小治田安萬侶墓など、墓誌を伴う例と比して著しく薄葬である点は重要である。 真珠4顆は、骨片とともに発見されたもので、被熱していないことから副葬品と考えられる。木櫃残欠は、その材質や墓誌の埋納方法を知るうえで貴重であり、附に追加する。 以上本墓誌は、日本古代史の根本文献である『古事記』の編纂者、太安萬侶の実在を証明する、わが国の歴史上欠かすことのできない一級の考古資料である。また、学術調査によって埋納状況が確認された希有な例であり、奈良時代の墓制、墓誌研究上重要な位置を占める。さらに、近年の科学的な再調査によって、本墓誌について多くの知見がくわえられており、国宝にふさわしい。
関連情報
附指定
真珠
木櫃残欠
関連情報
附指定
附名称
:
真珠
附員数
:
4顆
附ト書
:
関連情報
附指定
附名称
:
木櫃残欠
附員数
:
1点
附ト書
: