国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 浅黄綾威鎧〈兜、大袖付/〉
ふりがな あさぎあやおどしよろい〈かぶと、おおそでつき〉
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員数 1領
種別 工芸品
日本
時代 鎌倉
年代
西暦
作者
寸法・重量 高76.5 兜鉢高11.5 大袖高38.0 (㎝)
品質・形状 黒漆塗鉄革小札を一枚交じりに浅黄綾をもって威し(但し欠失し浅黄布を三畳にした芯のみ残る)、耳糸は啄木(後補)、畦目も啄木だが欠損する。菱縫の赤糸はほぼ鐶存。胴の仕立、前立挙げ二段、後ろ押付板、逆板、三の板、長側五段、草摺三間五段下り、弦走韋は牡丹地、不動明王、二童子の染赤五星韋の小縁とを紺白紫をもって伏せ組み、各金具廻り、韋所は向獅子牡丹文染韋を用い、花菱繋文染韋を裏包とし、吹返は牡丹地不動明王染韋で包み、異文菖蒲韋包の化粧板に菊座笠鋲の八双鋲を打ち、白綾と紅猿鞣の水引を食出す。総角付鐶台座とも欠失、脇楯の壺孔三個あり。菊座、玉縁の鵄目を施す。栴檀板三段、鳩尾板共に菊座大笠鋲を高くに打つ。
兜は、鉄地黒漆塗円鉢であり、三十二枚張、四方白鍍銀、星二十四間、一行に十点、八幡座一点、腰巻に一点宛、間向地板に花崎の鎬垂三條を伏せ、星中九点、左右八点、後左右とも三條、星一行十点宛、響孔四個あり。玉縁を施す。笠印付鐶台座とも欠失。八幡座鍍銀葵葉座、菊玉縁とも五重、眉庇に鍬形台を三光鋲の左右二個と菊笠鋲をもって打ち、鍬形を挿す。しころ〈革毎)五段、四段を吹き返す。
大袖七段、水呑緒鐶を表に打つ。籠手摺韋なし。
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 00038
枝番 00
国宝・重文区分 国宝
重文指定年月日 1923.03.28(大正12.03.28)
国宝指定年月日 1951.06.09(昭和26.06.09)
追加年月日
所在都道府県 広島県
所在地
保管施設の名称
所有者名 厳島神社
管理団体・管理責任者名

解説文:
本鎧を鎌倉前期のものと比較すると、小札は細く精緻になり、胴の裾開きの形状が上下同幅ないし裾絞りの傾向を示している。また、金具廻りが大きく、栴檀、鳩尾板が狭小となって障子板の前後が長い。兜においても頂辺の孔が縮小して間数が多く、星が小さく繁くなるなど、豪壮さに代わって端正な形姿となり、鎌倉時代後期の特色が著しい。
鎧の長側と大袖の板が普通四段と六段であるのに、五段と七段に仕立ててあり「着長」の名に適する。威糸と金物の色彩が壮麗な趣を加えた、当代の典型を示す一領である。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書 なし
  添付ファイル なし