国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 懸守
ふりがな かけまもり
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員数 7懸
種別 工芸品
日本
時代 平安
年代
西暦
作者
寸法・重量 (1)高6.8 幅7.8 (2)高7.2 幅8.1 (3)高6.8 幅7.1 (4)(5)高4.5 幅6.0 (6)高4.7 幅8.5
(7)高7.3 幅7.4  (㎝)
品質・形状 (1)側面を楕円形に造り、胴部に膨らみある木芯の上に縹地小文錦を貼り、その端に細い伏組を施す。両側面には銀金具の火取香炉を据え、入角の火取母には魚々子地に鳳凰文を表し、網はすべて透彫とし、鍍金箸が添えられている。その両肩には海松丸文の金具を付し、箸に納められた丸鐶には両面山形の組緒が通されている。
(2)(1)と同形に造り、胴部に黄地錦と縹地小文錦を貼り合わせ、側面に各々緑地と茶地錦を貼り、その合わせ目を覆う伏組が施されている。胴の前後、両側および上下の両端には赤地錦を伏せた上に、花菱七宝文の銀台鍍金金具を据え、両肩には菊花形透かし彫りの座金に切台丸鐶を設け、両面矢筈の組緒が通されている。
(3)(1・2)と同形に造り、胴部に紺地錦を、側面に各々赤地と白地錦を貼り、胴の前後、両側面、上下の両端などに桜丸文の透彫金具を配し、上端の一方に桜華形金具一個を据え、その方に丸台、丸鐶を設けている。
(4・5)二懸共に同形であるが、その裂を異にする。胴部は斜角繋ぎに両側は七宝文形のくぼみを設け、各区画内には、それぞれ趣の異なる錦が貼られ、そのくぼみには伏組を沈めている。胴の前部、その上部には銀台鍍金、やや高肉の松喰鶴と鶴を据え、両側に松を散らし、片肩にそれぞれ松は座金に切子台丸鐶を付している。裂の剥落した下より墨書の文字が認められる。
(6)胴張りある隅切箱形の木芯に、各面趣を異にした錦を貼り、端々に伏組を廻らしている。胴の全面には蜀江錦風の錦を貼り、さらにその上に大小二枚、方形の錦おw貼り重ね、その左右の面に銀台鍍金高肉の狛犬を配し、両側面の上部ニ小形折れ金具を据えている。胴の後面、錦の剥落下に墨書の梵字七字が認められる。
(7)側面を桜華形に作り、その花弁にそれぞれ黄地小唐草文、紫地菱文錦など、地色文様を異にする錦を貼り、伏組によって各片を画くす。胴部と両側面にかけて、銀台鍍金の桜折枝を配し、銀薄金三枚重ねの八重桜と鍍金透彫りの華があしらわれる。木地の上に墨書の文字が認められる。
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 00053
枝番 00
国宝・重文区分 国宝
重文指定年月日 1897.12.28(明治30.12.28)
国宝指定年月日 1952.03.29(昭和27.03.29)
追加年月日
所在都道府県 大阪府
所在地
保管施設の名称
所有者名 四天王寺
管理団体・管理責任者名

解説文:
懸守は、婦女子が外出する際に頸から懸けて胸に垂らす御守である。四天王寺に伝わる懸守は、意匠がそれぞれ異なるが、同工同趣のもので、当代貴族の寄進によりものと推察されている。
この種の遺品は稀有であり、当代服飾、織技等、染織史上極めて貴重である。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書 なし
  添付ファイル なし