国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 木造男神坐像(伝大巳貴命)
ふりがな
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員数 1躯
種別 彫刻
日本
時代 平安
年代
西暦
作者
寸法・重量
品質・形状
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 03465
枝番 02
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 滋賀県
所在地 滋賀県栗東市小野223-8
保管施設の名称 栗東歴史民俗博物館
所有者名 小槻大社
管理団体・管理責任者名

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解説文:
 当社本殿(重文)の宮殿【くうでん】内に最近まで並座して祀られていた二躯の男神像である。主神像である落別命(於知別命・息束別命)像は、平安時代以降、宮廷の実務官僚氏族として活躍し、官務家とも称された小槻【おつき】氏の先祖神と伝えられている。〓頭冠、袍衣を着し、拱手持笏して坐す姿をヒノキの一材から丸彫りする。両袖が両足部まで垂れずに袂がかなり小さく、きわめて古式な袍衣を着し、服制は古態をとどめ、幾分大きめな頭部と両肘と両足を左右に大きく張った躰部がつくる正面観は安定感があり、頭部および上躰の奥行も深く、その量感の表現も古様である。ただ、眉根と球状の瞳をもつ眼を顔の中央に寄せて神威を表した顔立ちは、十世紀ころの作とみられる京都・禅定寺の四天王像(重文)などに通じるところも認められ、両腕と両足の着衣の衣文表現も構えに合わせて巧みに刻まれているものの、彫り口はかなり柔軟になっている。その製作は十世紀ころとみられるが、『園太暦』などによれば、当社は、貞観五年(八六三)の従五位下を皮切りに延喜十一年(九一一)の従四位下まで神階位の授与が続いてなされていることが判明しており、神階位の授与を考慮すれば、従四位下が授与された延喜十一年のあたりが製作の上限になろう。
 配祀神の伝大己貴命像は、主神像よりも一回り小さく造られ、カヤ材と思われる一材から全容を丸彫りしている。頭部および躰部の奥行も深く、安定感のある像であり面貌表現は連眉が表されるなど古式であるが、肩は撫で肩になり、躰貌が総じて丸みを帯び、服制も主神像に準じるものの、簡略化されている。その製作は、主神像に多少遅れ、十一世紀に入ってからの造像とみられるが、耳などに多少素朴な表現も認められる主神像に比べると、造形は全体に洗練されており、平安神像彫刻のなかでも端正な出来映えをもつ秀作として賞される。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書 なし
  添付ファイル なし