国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 舎利容器
ふりがな しゃりうようき
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員数
種別 工芸品
中国及び日本
時代 唐及び鎌倉
年代
西暦
作者
寸法・重量 (舎利壺) 肩高4.5㎝ 胴径11.2㎝
(花網) 約長径27.9㎝
(舎利塔) 総高93.0㎝
品質・形状 (舎利壺)
 淡黄色を帯びた透明な白瑠璃の蕪形の壺。肩の張りが強く、角張り、口は筒状の長頸をなす。封のために口縁部の形状は不詳。底部はやや弧状に凹み、紙と見えるものを貼り付ける。壺中に仏舎利を納める。舎利は極めて小粒で、各々に黒点がある。口縁部は裂で覆い、銀紙を折りたたんで結び留める。
(花網)
 現状は外周の一部を残して欠失するが、ほぼ円形で、紺、茶緑、淡茶、白茶などの絹糸を中央の三重角形より順次外縁にからめて編み上げ、角形部には四十を数える横長四菱紋を透かし表す。
(舎利塔)
 亀を台としてその背に束を立て、蓮座を設け、花上に宝塔を置いて中に舎利壺を安置する装置になる。
 亀は四肢を張り、首を長く高くさいのべた姿で頭上に角をつくる。甲は花菱亀甲文を刻み、地に魚子を打ち、周囲に蓑毛を線刻し、底部は平で四個の丸鋲をつけ、これで全てを支えている。亀の背に単弁の伏蓮をおき、上に円筒形で中央を三条の紐で約した束を立て、上に八段魚鱗葺の蓮座を大きくつくる。舎利壺を覆うには宝塔形をもってするが、塔身の下層は唐草文透で、内部に天蓋、瓔珞を吊る。塔身下層上部には三重の菊座、小刻座を設ける。屋根は本瓦葺に模し、降棟は稚児棟をつくり、鬼瓦を彫る。宝珠火炎をつけ、相輪は規矩に則り、表面は刻文を施し、宝鎖、宝鐸を吊り下げてある。
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項 『七大寺日記』(嘉承元年)、『七大寺巡礼私記』(保延六年)、『建久御巡礼記』(建久二年)、『招提千歳伝記巻下之三』(元禄十四年)
指定番号(登録番号) 00230
枝番 00
国宝・重文区分 国宝
重文指定年月日 1959.06.27(昭和34.06.27)
国宝指定年月日 1961.04.27(昭和36.04.27)
追加年月日
所在都道府県 奈良県
所在地
保管施設の名称
所有者名 唐招提寺
管理団体・管理責任者名

解説文:
鑑真和上将来の三千粒の舎利を奉加護する舎利塔で、大師過海の時、竜神が奪うところとなった舎利壺を金亀がこれを加護したとの伝説に基づいてつくられたかたちになる。源頼朝が中世舎利殿を再興した際にこの塔をつくったとも伝えられるが、亀台連座、壺請の蓮華などは極めて古式で、宝塔の透彫や軒廻り組物等も精技を凝らして荘厳し、鑑真将来の舎利をかざるにふさわしい技巧を尽くしている。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書
  添付ファイル なし