選定保存技術
 主情報
名称 時代裂用綜絖製作
ふりがな じだいぎれようそうこうせいさく
解説表示▶
種別(有形、無形、有形・無形) 有形
その他参考となるべき事項
認定区分 個人
選定年月日 2018.09.25(平成30.09.25)
選定基準1 二 有形文化財等の修理等の技術等の表現に欠くことのできない材料の生産、製造等又 は用具の製作、修理等の技術又は技能で保存の措置を講ずる必要のあるもの
選定基準2
選定基準3

解説文:
 綜絖は、織機の一部分を構成する用具で、織物の緯糸を通す杼道を作るために経糸を運動させ、織組織と織密度を操る役割を担う。綜絖は、経糸の本数分、経糸を通す綜絖目【そうこうめ】(目ガラス)を持つ紋綜絖【もんそうこう】(紋ワイヤー)を、上部から通糸【つうじ】及びカタン糸(馬糸【うまいと】)で吊し、下部には矢金【やがね】(重錘【じゅうすい】)をつける。通糸は相互に絡まることを防ぐとともに織幅と柄の位置を決定する目板【めいた】を通りカタン糸と結ばれる。カタン糸は輪状に作られ、輪の内側に上下運動を伝える棒刀【ぼうとう】板が入れられる。
 時代裂は、時代の古い染織品を指し、染織品として賞翫されるのみならず、文化財(美術工芸品)においては書画の表具裂として珍重されてきた。表具裂は書画の内容に応じ、錦、金襴、鍛子、綾、羅、紗等多様な品質の時代裂が、時代の変遷とともに使い分けられてきた。したがって、書画の修理に際し表具裂を新調する場合には、文化財の内容、時代性に応じた表具裂を製作する必要がある。そのため、その製作技術は「表具用古代裂(金襴等)製作」として選定保存技術に選定される。
 時代裂を復元製作するためには、多様な材料、用具が不可欠であるが、なかでも綜絖は文様を織り出すうえで核となる用具である。時代裂用綜絖の製作にあたっては、時代裂の織組織、糸の太さ、織密度等を分析し綜絖を設計する能力と、高密度に紋綜絖の高さを揃えること等緻密な綜絖製作技術が必要となる。
関連情報
    (情報の有無)
  保持者情報(保持者/芸名・雅号)
  保持団体(関係技芸者の団体) なし
  添付ファイル なし