選定保存技術
 主情報
名称 美術工芸品保存箱紐(真田紐)製作
ふりがな びじゅつこうげいひんほぞんはこひも(さなだひも)せいさく
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種別(有形、無形、有形・無形) 有形
その他参考となるべき事項
認定区分 個人
選定年月日 2021.10.28(令和3.10.28)
選定基準1 二 有形文化財等の修理等の技術等の表現に欠くことのできない材料の生産、製造等又 は用具の製作、修理等の技術又は技能で保存の措置を講ずる必要のあるもの
選定基準2
選定基準3

解説文:
 美術工芸品保存箱には、箱の蓋と身を安定的に一体化させるために箱紐を付すことが伝統的に行われてきた。二重箱など大型の箱や茶道具の箱紐には、強靭【きょうじん】性、非伸縮性、耐久性に優れ、装飾性をもった真田紐が選ばれた。
 真田紐は、紐と称するものの、染織した経糸【たていと】と緯糸【よこいと】を密度高く織り上げ、単色もしくは文様をあらわした織物である。一重織のものもあるが、箱紐には二重織の1種で表裏2枚を密着させず端部分で綴じ合わせて袋織としたものを主に用いる。同紐は、中世より刀装・甲冑や生活用具に用いられたが、安土桃山時代以降は茶道の隆盛とともに箱紐としての利用が広く普及し、特定の家が特定の色、文様を占有する事例も生まれた。
 材料はかつては先染めした木綿、現在は木綿または絹の糸が用いられ、経糸・緯糸の準備、製織の準備、製織の各工程を経る。求めに応じた品質の真田紐を織り上げるには、材料の吟味及び繊細、正確な熟練の技倆【ぎりょう】が各工程に求められる。
 美術工芸品保存箱紐(真田紐)は、負荷が大きくかかる環境で用いられる。そのため、長期間の使用には耐えず修理に際し新調される例が多く、美術工芸品の保存には欠かすことができない。しかし、手作業を中心に真田紐を製作する技術者は極めて希少な存在となっており、良質な美術工芸品保存箱紐(真田紐)製作技術について、保存の措置を講ずる必要がある。
関連情報
    (情報の有無)
  保持者情報(保持者/芸名・雅号)
  保持団体(関係技芸者の団体) なし
  添付ファイル なし