選定保存技術
 主情報
名称 邦楽器糸製作
ふりがな ほうがっきいとせいさく
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種別(有形、無形、有形・無形) 無形
その他参考となるべき事項
認定区分 個人
選定年月日 2015.10.01(平成27.10.01)
選定基準1
選定基準2
選定基準3

解説文:
 邦楽には、一般に邦楽器と称されるさまざまな楽器が用いられている。邦楽器といえば、箏・三味線といわれるように、これらの楽器が代表的なものとされているが、このほか雅楽に用いられる和琴【わごん】・楽箏・楽琵琶、平曲以降の琵琶楽に用いられる琵琶などの絃楽器も日本の伝統芸能にあって能楽を除くほとんどの分野で重要な役割を果している。
 これらの邦楽器の糸(絃)は、滋賀県木之本町の西山、大音で生産される原糸を材料とした絹糸製の糸(絃)が最良のものとされている。原糸から繰糸・寸法取・合糸・目方合せ・撚糸・染色・糊煮込・糸張・乾燥・選別・節取・糊引・乾燥・切断・紙付・糸巻の諸工程を経て糸(絃)が作られるが、この工程は次第に機械化される傾向がみられるものの、なお、もっとも肝要な工程では、長年の修錬による技術が不可欠のものとなっている。
 ナイロン糸・テトロン糸の開発に伴い、箏の糸はほとんどがナイロン糸・テトロン糸に切り換えられているものの、絹糸製の糸の方が遠音がきき、音色もやわらかいので、独奏の時には絹糸製の糸を用いる人も多い。また、箏以外の諸楽器では、そのほとんどが絹糸製の糸(絃)を使用している。
 日本の伝統的な音楽の保存振興のため、伝統的な絹糸製の糸(絃)製作の技術を選定し、これの保存を図ることが重要である。
 邦楽器の糸(絃)の製作工程は十数種の工程に分かれているが、製作の中心になる者はそのすべての工程に精通していなければならず、また、糸(絃)の種類も多いのでそれぞれの特色を生かせる知識と経験が必要であり、その製作には長年の修錬を必要とする。
関連情報
    (情報の有無)
  保持者情報(保持者/芸名・雅号)
  保持団体(関係技芸者の団体) なし
  添付ファイル なし