選定保存技術
 主情報
名称 植物染料(紅・紫根)生産・製造
ふりがな しょくぶつせんりょう(べに・しこん)せいさん・せいぞう
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種別(有形、無形、有形・無形) 無形
その他参考となるべき事項
認定区分 団体
選定年月日 1979.04.21(昭和54.04.21)
選定基準1
選定基準2
選定基準3

解説文:
 紅・紫は、古くから我が国の代表的な植物染料の一つとして、染色に欠くことのできないものであるが、最近その栽培・生産が減少し、あるいは採集が困難となってきており、伝統的染織関係者にとって大きな問題となってきている。
 紅花は、エジプト・小アジア地方原産のキク科植物で古く中国を経て我が国に伝来し、染料をはじめ、化粧用、薬用として広く用いられてきた。江戸時代には出羽、相模、上総、筑後、薩摩等でその栽培が盛んに行われたが、特に最上地方のものは質がよく、最大の生産量を示していた。幕末・明治以降、中国紅の輸入や新しい染料の開発により激減し、最近は、他の農産物に比して、収益の点で有利でないこともあって、栽培面積もきわめて限られたものになり、かつ、その過半が化粧用という状況である。このため、手間のかかる紅餅作りを行う農家もわずかとなってきている。
 紫は、山地原野に自生する多年生植物で、その根を乾燥させ、染料のほか薬用としても用いられてきた。古くは広く各地にみられたが、自然環境の変化により、現在は東北地方の山地原野にある程度自生している状態で、他ではきわめて稀になっている。この紫は、一部で鑑賞用に栽培も行われているが連作をきらう性質があり、また裁培したものは、染料薬用として不適当とされてきた。しかし最近染料薬用のための実験的栽培が行われ、ある程度の成果をみつつある。
 このような状況から、紅花の栽培、花摘みと花振り、花踏み、花寝せ、餅作り等の伝承者を確保するとともに、紫を積極的に栽培し、確保することが必要となってきている。
関連情報
    (情報の有無)
  保持者情報(保持者/芸名・雅号) なし
  保持団体(関係技芸者の団体)
  添付ファイル なし