国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
姫島の盆踊
ふりがな
:
ひめしまのぼんおどり
解説表示▶
種別1
:
民俗芸能
種別2
:
風流
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年8月14日から16日(選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
選択年月日
:
2012.03.08(平成24.03.08)
追加年月日
:
選択基準1
:
(二)芸能の変遷の過程を示すもの
選択基準2
:
(三)地域的特色を示すもの
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
大分県
所在地
:
保護団体名
:
姫島盆踊り保存会
解説文:
詳細解説
姫島の盆踊は、盆踊の始めから終わりまで途切れることなく踊り続けられるナカオドリ(中踊)に加え、外側の踊りとして趣向をこらした新作の踊りを毎年作り上げるところに特色がある。ナカオドリは単純な所作で古風さをうかがわせ、外側の踊りには左左、右右と同じ足を二度ずつ動かすボンアシ(盆足)という独特な足運びがみられる。
本件は、単純な所作によるナカオドリと、趣向を凝らした外側の踊りからなる盆踊で、毎年8月14日から16日まで、姫島の各地区に設けられたボンツボ(盆坪)で踊られている。
ナカオドリは、盆踊の始めから終わりまで途切れることなく踊り続けられる単純な所作による踊りである。一方、外側の踊りは、流行を取り入れたり、衣裳や小道具などに趣向を凝らした踊りである。「キツネ踊り」や「アヤ踊り」などのように、繰り返し踊られて定着した演目もあるが、外側の踊りは、本来、地区ごとに形成された同世代の踊り集団が毎年新しく作り上げるものである。
ボンツボの中央に太鼓を置き、ナカオドリは太鼓を中心に輪となって踊られる。外側の踊りは、ナカオドリが踊られているボンツボに踊り込んだ踊り集団が、ナカオドリの外側に大きな輪を作り踊る。属する地区のボンツボで踊った後、他地区のボンツボを全て巡り、踊りを披露する。
また、地区内に新盆の家があると、位牌や灯籠をボンツボに集めての供養踊も行われる。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
解説文
姫島の盆踊は、盆踊の始めから終わりまで途切れることなく踊り続けられるナカオドリ(中踊)に加え、外側の踊りとして趣向をこらした新作の踊りを毎年作り上げるところに特色がある。ナカオドリは単純な所作で古風さをうかがわせ、外側の踊りには左左、右右と同じ足を二度ずつ動かすボンアシ(盆足)という独特な足運びがみられる。 本件は、単純な所作によるナカオドリと、趣向を凝らした外側の踊りからなる盆踊で、毎年8月14日から16日まで、姫島の各地区に設けられたボンツボ(盆坪)で踊られている。 ナカオドリは、盆踊の始めから終わりまで途切れることなく踊り続けられる単純な所作による踊りである。一方、外側の踊りは、流行を取り入れたり、衣裳や小道具などに趣向を凝らした踊りである。「キツネ踊り」や「アヤ踊り」などのように、繰り返し踊られて定着した演目もあるが、外側の踊りは、本来、地区ごとに形成された同世代の踊り集団が毎年新しく作り上げるものである。 ボンツボの中央に太鼓を置き、ナカオドリは太鼓を中心に輪となって踊られる。外側の踊りは、ナカオドリが踊られているボンツボに踊り込んだ踊り集団が、ナカオドリの外側に大きな輪を作り踊る。属する地区のボンツボで踊った後、他地区のボンツボを全て巡り、踊りを披露する。 また、地区内に新盆の家があると、位牌や灯籠をボンツボに集めての供養踊も行われる。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
姫島の盆踊は、単純な所作による踊りと、趣向を凝らした新作の踊りからなる盆踊で、大分県東国東郡姫島村に伝承されている。毎年8月14日から16日まで、夕刻から数時間にわたり踊られている。 姫島は一島一村の島で、瀬戸内海の西端、大分県国東半島の北方約5kmに位置する。周囲約17km、東西約7km、南北約4kmで、島の中央に標高約266mの矢筈岳(やはずだけ)が聳(そび)えている。矢筈岳の西側に西浦、北浦、南浦、松原、東側に大海(おおみ)、金(かね)、稲積(いなづみ)の地区がある。 姫島では庭や広場をツボ(坪)といい、盆踊を行う場所をボンツボ(盆坪)という。ボンツボは各地区ごとに作られる。現在は各地区ともそれぞれの公民館前の広場を踊りの場としているが、かつて、大海では、新盆の家の庭で、一軒につき一晩ずつ踊ったといい、金と稲積では、新盆の家が複数ある時には、一番早い時期に亡くなった人の家の庭をボンツボとし、位牌や灯籠を集めて踊ったという。8月13日の精霊迎えの後、おおむね14日から17日まで踊ったが、近年では14日から16日までの3日間となった。また、戦後、姫島港の広場にもボンツボを設けて、観光客に対し盆踊を披露するようになっている。 盆踊は、太鼓打ち、盆踊歌を歌う一番音頭と二番音頭、ナカオドリ(中踊)、外側の踊り、アバレボーで構成される。 ボンツボの中央に太鼓を配し、脇に一番音頭が立つ。一番音頭は「音頭出し」とも呼ばれ、歌が途切れることのないよう、また歌の調子が乱れないよう主導する。ナカオドリは太鼓を中心とした輪踊で、二番音頭はナカオドリの踊り手のうち一番音頭の後に続けて歌う者をいう。太鼓打ちは男性の役で、革面を上にして木枠に固定した枠付き締太鼓をグミの桴(ばち)で打つ。太鼓は盆踊で唯一の楽器であり、踊りのリズムを決める役割を持ち、重要とされている。姫島では踊ることを「太鼓をふむ」という。盆踊歌は七七七五の歌詞で歌われる。上の句を一番音頭が、下の句を二番音頭が歌い、同じ歌詞を二度繰り返す。ナカオドリは太鼓が打ち鳴らされると、盆踊が終了するまで途切れることなく踊り続けなければならない。踊り手は普段着で、単純な足の運びと手振りでゆっくりと右回りに踊る。誰が踊っても良いが、比較的高齢の者が踊っている。 一方、外側の踊りは、流行を取り入れたり、衣裳や小道具などに趣向を凝らした踊りである。各地区ごとに同世代による踊り集団が形成され、集団ごとに独自の演目を用意する。外側の踊りは、本来、毎年作られる新しい踊りであるが、「キツネ踊り」「アヤ踊り」「銭太鼓」「猿丸(さるまん)太夫(だゆう)」など、評判が良く、繰り返し踊られて定着した演目もあり、近年では、過去に踊った演目の繰り返しが多い。踊り集団は、ナカオドリが踊られているボンツボに踊り込み、ナカオドリの外側に大きな輪を作って右回りに踊る。踊り集団は、属する地区のボンツボで踊った後、他地区のボンツボを全て巡り、踊りを披露する。外側の踊りは新作の踊りではあるが、左左、右右と同じ足を二度ずつ動かすボンアシ(盆足)という足運びによって踊られている。 このほかに、個人または集団が、奇抜な格好をして前触れ無く踊り込むことがあり、これをアバレボーと称す。滑稽な所作を見せたり、小道具などを工夫して場を賑わしてきたが、近年ではほとんど見られなくなった。 地区内に新盆の家があると、踊りの最終日を供養盆として、位牌や灯籠をボンツボに集めての供養踊も行われる。歌やナカオドリは変わらないが、外側の踊りは、僧侶が登場する「坊さん踊り」などが踊られる。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)