国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
五所駒滝神社の祭事
ふりがな
:
ごしょこまたきじんじゃのさいじ
五所駒滝神社の祭事
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種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年旧暦6月13日~15日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『五所駒瀧神社の祭事』(企画文化庁・製作さいたま民俗文化研究所・平成29年3月)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1986.12.17(昭和61.12.17)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
茨城県
所在地
:
保護団体名
:
五所駒滝神社祭事保存会
五所駒滝神社の祭事
解説文:
詳細解説
五所駒滝神社の祭事は、江戸時代からの伝統をもつ真壁の町場の祭祀組織により執行される行事である。5つの町の大老、中老、世話人などの役員を中心に執り行われる。役員は、世話人→中老→大老と昇格する。祗園祭は、旧暦6月13日、山麓の神社から神輿が町のお仮屋に渡御し、15日に還御する。その間、神輿の引継ぎ、当番町への笠抜き式による頭渡しなどが行われる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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五所駒滝神社の祭事
五所駒滝神社の祭事
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五所駒滝神社の祭事
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五所駒滝神社の祭事
解説文
五所駒滝神社の祭事は、江戸時代からの伝統をもつ真壁の町場の祭祀組織により執行される行事である。5つの町の大老、中老、世話人などの役員を中心に執り行われる。役員は、世話人→中老→大老と昇格する。祗園祭は、旧暦6月13日、山麓の神社から神輿が町のお仮屋に渡御し、15日に還御する。その間、神輿の引継ぎ、当番町への笠抜き式による頭渡しなどが行われる。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
旧真壁郡真壁町由尾の五所駒滝神社は、古くは駒滝明神と呼ばれた。この神社の夏祭りは、江戸時代からの伝統をもつ真壁の町場の祭祀組織によって執行された特色を現在も伝承している。 祭りは、大正時代以降「祗園祭」と称されるようになったが祭神には祗園信仰との直接的な関わりは認められない。 祭りの起こりは、江戸時代初期に、真壁町の初代町年寄であった大関家が5つの町の町名主と相談して、商業の町として発展させるよう夏祭りを始めたと伝えられている。5つの町とは、旧真壁城下の御陣屋を中心にした上宿・下宿・高上町・仲町・新宿で、祭りは、この5町と明治以後に成立した大和町の6つの町により執行され、運営は町ごとに大老4人、中老4人、世話人(幹事)4人を中心に執り行われ、月番が各町間の使者役となる。各役員の任期は4年で、大老・中老の指導のもとに世話人が各町間の交渉の任にあたる。役員の任期を勤めると世話人は中老、中老は大老へと順次に昇格していく。6町間には、古参順という序列制度があり、会議における席順なども定められている。 神社での祗園祭は、旧暦6月13日、山麓の神社から神輿に神霊を乗せ、町のお仮屋に迎えてくるのであるが、午後1時過ぎ、各町の世話人が町印のある高張提灯を先頭に月番を従えて、お仮屋に参集する。今日では、カンカン帽子を冠り、町ごとに揃いの柄の藍染めの木綿着の上に紋付きの黒羽織を着て、役柄を示す弓張提灯を持つ。この場合、大老・中老は夏着に黒い絹の紋付羽織を着て白足袋に桐下駄を履く。 午後2時、各町世話人全員で、神社へ神輿迎えに出発する。神輿が神社を出るのは午後4時、牛方に導かれた牛が曳く牛車に安置(以前は、白丁に烏帽子姿の若衆によって舁がれていた)曳行され、途中各町の境に設けられた庭、旧町年寄・町名主の屋敷前に神輿は止まり、拝礼をうけ、各町内からは、ひょっとこ囃子を奏する若衆の山車が出迎え、やがて上宿・下宿・高上町・仲町・新宿・大和町を経て、午後7時頃お仮屋に着く。 15日まで3日間お仮屋に安置した後、神輿が還御し、祭りは終了する。 この祭りは、神輿の引継ぎ、当番町への笠抜き式(花笠を渡す儀式)による頭渡しなどが古式のままで継承されている。また、大老・中老・世話人・月番などにより運営される祭祀組織は、年齢階梯制と対応しており、町場の祭祀組織の特色がよくうかがえるものであり、早急に記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)