国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
近江八幡の火祭り
ふりがな
:
おうみはちまんのひまつり
近江八幡の火祭り
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解説表示▶
種別1
:
風俗慣習
種別2
:
年中行事
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年3・4月(※選択当時)
記録:『近江八幡の火祭り行事民俗文化財調査報告書』(近江八幡市教育委員会・平成10年3月31日)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1992.04.25(平成4.04.25)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
滋賀県
所在地
:
保護団体名
:
特定せず
近江八幡の火祭り
解説文:
詳細解説
この行事は、3月の左義長祭りと4月の松明祭りという2つの大規模な火祭りで、いずれも日牟礼八幡宮の氏子により行われるものである。左義長祭りは、小正月の火祭りで、様々な飾りを施した「左義長」を青年が担ぎまわって最後に神社で燃やす行事である。松明祭りは、傘松明と呼ぶ傘状の飾りのついた大松明と大小30本余りの松明を神社に運んで、一斉に点火する行事である。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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近江八幡の火祭り
近江八幡の火祭り
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近江八幡の火祭り
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近江八幡の火祭り
解説文
この行事は、3月の左義長祭りと4月の松明祭りという2つの大規模な火祭りで、いずれも日牟礼八幡宮の氏子により行われるものである。左義長祭りは、小正月の火祭りで、様々な飾りを施した「左義長」を青年が担ぎまわって最後に神社で燃やす行事である。松明祭りは、傘松明と呼ぶ傘状の飾りのついた大松明と大小30本余りの松明を神社に運んで、一斉に点火する行事である。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
近江八幡市には、3月に行われる左義長祭りと4月の松明祭り2つの大規模な火祭りがあわせて伝承されている。 左義長祭りは、一般にドンドとかドンドン焼きなどとも呼ばれる小正月の火祭りである。近江八幡の左義長祭りは、様々な飾りものを施した「左義長」を青年たちが担ぎまわって最後に神社の馬場に並べて燃やす行事である。 これは、日牟礼八幡宮の氏子のうち旧城下(旧八幡町の66町)の人びとによって伝承されている。宝永2年(1705)以来の記録がある古い行事で、かつては正月15日に行われていたが、明治8年以降は3月に行われるようになった。 「左義長」は、タイマツと呼ばれる本体とダシと呼ばれる飾り部分とで構成される。高さは3㍍ほどあり、竹を三脚に組み、十二段祝着という藁束の飾りで覆い、その上方には杉葉で「頭【かしら】」を作る。さらにその上に数㍍の笹竹に赤紙、火打、猿、扇、吉書【きつしよ】などを飾り付けたジュウニンガツ(十二月)が飾られる。 「左義長」の前面を飾るダシは、十二支にちなんだ立体的な作りもののことで、年ごとに趣向を凝らし、しかもその表面を豆や胡麻などの穀類、昆布・干海老などの乾物類を貼り付けて質感を出すように工夫して作られ、いわば「左義長」の顔として町内ごとにその出来ばえを競うものである。 この豊富な装飾とダシの趣向、それに青年たちが担いで各町内を巡る点などから、「舁き山」の原初的な形態を思わせるものである。 4月の松明祭りは、日牟礼八幡宮の氏子を構成する農村部の13郷(大島・船木)の人びとによって行われる。松明祭りは、13郷それぞれの地区の小祭りと日牟礼八幡宮の宵祭りの松明祭りからなる。この地域の松明は、傘松明とも呼ばれるように頂部に傘状の飾りをつけた特異な意匠を持つ大松明を中心に、大小30本余りの松明が、古風な装束に身を固めた人びとによって各地区から八幡宮に運び込まれ、太鼓の音の鳴り響くなか、一斉に点火される。 このように近江八幡の火祭りは、我が国の典型的な火祭りの1つであるといえ、左義長祭り・松明祭りのそれぞれが注目されるだけでなく、これらが複合的に伝承されている点でも貴重であることから、早急に記録を作成する必要がある。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)