国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
布施の山祭り
ふりがな
:
ふせのやままつり
布施の山祭り
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解説表示▶
種別1
:
風俗慣習
種別2
:
祭礼(信仰)
その他参考となるべき事項
:
公開日:毎年4月初丑の日(※選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
記録:『大山神社祭礼布施の山祭り調査報告書』(布施村隠岐島後教育委員会・平成9年3月31日)
選択番号
:
1
選択年月日
:
1994.12.13(平成6.12.13)
追加年月日
:
選択基準1
:
(一)由来、内容等において我が国民の基盤的な生活文化の特色を示すもので典型的なもの
選択基準2
:
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
島根県
所在地
:
保護団体名
:
布施区
布施の山祭り
解説文:
詳細解説
この行事は、毎年4月の初丑の日に行われる、山開きの祈願行事である。若者たちが、木遣り歌を歌いながら、南谷および中谷の大山神社、荒神様の御神木に山蔓を7巻き半巻き、最後に御幣だきと呼ぶ役の者が山蔓に大御幣を挿す。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
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布施の山祭り
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布施の山祭り
解説文
この行事は、毎年4月の初丑の日に行われる、山開きの祈願行事である。若者たちが、木遣り歌を歌いながら、南谷および中谷の大山神社、荒神様の御神木に山蔓を7巻き半巻き、最後に御幣だきと呼ぶ役の者が山蔓に大御幣を挿す。(※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
布施の山祭りは、毎年4月の初丑の日に行われる、山開きの祈願行事である。 祭りの前日は、「帯裁ち」といって、山入りをして山蔓と大榊を採る。この大榊は神輿のように若者たちが村のなかを担ぎまわり、最後は宿になる世話人のジジヤク(爺役)の家の前に立てたが、現在は個人の家ではなく春日神社の社務所の前に立てる。山蔓は、翌日の行事が行われる南谷および中谷の大山神社と村の荒神様にそれぞれもって行く。 また、御幣だきという役に選ばれた人(現在は区長)は、祭りの2日前から別火で、朝の水垢離をしなければならない。料理役をババヤク(婆役)といい、中年の女姓のなかから、ジジヤク同様に事前に決めていた。また、以前は7~10歳くらいまでの少年に、村の一軒一軒をめぐって宿への案内を口上させるなど、村を挙げての行事であった。 祭り当日の丑の日は、若者が春日神社の社務所に集まり、朝酒で木遣り歌を歌う。若者たちは、半纏に鉢巻姿である。鉢巻の後部には、榊の小枝に小さな御幣をつけたものを挿している。 次いで御幣だきを先頭にして、太鼓に合わせて木遣り歌を歌いながら南谷へ向かう。御幣だきは、長さ7尺2寸(約2.18㍍)の大ヌサ(御幣)をもつ。 祭場になる南谷および中谷の大山神社、それに荒神様には鳥居の奥に社殿がない。正面に生えている杉の大木が御神体の代わりとなる。その杉の大木に、木遣り歌に合わせて山蔓を7巻き半巻く「帯締め」の行事が行われる。 帯締めは、片方を大木に結びつけて長く伸ばし、神木の側に木遣り歌を歌う指導役の先輩が立ち、端は中間の先輩が握る。中央に最下級の若者をおいて蔓を握らせ、木遣り歌に合わせて前後に激しく揺する。すると中央の若者が振り回されて転び、それを見て見物人の間から歓声がおこる。 木遣り歌は、昭和の初め頃までは新造船の進水式や家造りの地固めにも歌われていたが、現在は山祭りのみで歌われる。木遣り歌が済むと、蔓を右巻きに巻きつけ、継ぎ足しの分を足しては同様のことを繰り返して7巻き半になったところで結んで終わる。 最後に巻き上げた蔓の帯に、御幣だきが大御幣を挿す。このとき男の子のいる家では、「大山神社」と書いた小さな幟の片方に男の子の名を書き添えて挿す。元来、一人前の山師になることを願う気持ちが込められていたという。同様のことを他の2か所でも行う。 この3か所の聖地は、神の鎮座する社の古い形式をとどめるものと考えられ、また、同島内や山陰地方の伯耆や出雲では荒神の神木に藁縄を蛇に見立てて巻きつける行事が広くみられるが、布施村の山祭りの帯締めは、そのさらに古い姿を残すものとの見方もできるものである。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)