記録作成等の措置を講ずべき無形文化財
 主情報
名称 歌舞伎演技の型
ふりがな かぶきえんぎのかた
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種別1 芸能
種別2 歌舞伎
その他参考となるべき事項
指名区分
選択年月日 1978.03.25(昭和53.03.25)
選択基準1
選択基準2
選択基準3
地域

解説文:
 歌舞伎の演技は、古来の名優によって磨きがかけられ、それが「歌舞伎の型」として伝承されてきた。江戸中期以降、歌舞伎俳優の門閥が確立するに至り、父子相伝、師弟相承による演技が洗練され、これが「型」として継承された。また、明治時代には九世市川団十郎や五世尾上菊五郎などの演技が傑出し、さらにその薫陶を受けた六世尾上菊五郎、初世中村吉右衛門、五世中村歌右衛門などが大正・昭和期には優れた演技を残し、現在の舞踊、演劇等に多くの影響を与えている。
 しかし、この「型」の継承は演目によって差が生じるもので、伝承されずに失われるものもあるのが現状である。
 このような歴史の変遷において、一生涯に数多くの名演技を残した六世尾上菊五郎の舞台を言わば肌で学んできた尾上多賀蔵や、近世における女方の名優として活躍した五世中村歌右衛門に師事し、その芸を知悉している加賀屋鶴助、六世尾上梅幸の芸にも通暁している中村梅花、さらには大正・昭和期の歌舞伎界に新風を吹き込み、新鮮な演技で世評の高かった初世市川猿翁に師事し、その演技に精通している市川猿三郎などはそれぞれの師匠の「歌舞伎の型」を正しく熟知している人々である。
 舞台経歴が長く、かつての名優の舞台を身をもって接した俳優が少なくなってきている現状であるので、歌舞伎の変遷を知る上で貴重な各々の「歌舞伎演技の型」を選択し、記録作成等の措置を講じ、記録保存するものである。
関連情報
    (情報の有無)
  保持者情報(保持者/芸名・雅号)
  団体情報 なし
  添付ファイル なし