国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
松坂城跡
ふりがな
:
まつさかじょうあと
天守台石垣
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種別1
:
史跡
種別2
:
時代
:
近世
年代
:
16世紀後半から
西暦
:
面積
:
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
11
特別区分
:
特別以外
指定年月日
:
2011.02.07(平成23.02.07)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
二.都城跡、国郡庁跡、城跡、官公庁、戦跡その他政治に関する遺跡
所在都道府県
:
三重県
所在地(市区町村)
:
三重県松阪市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
天守台石垣
解説文:
詳細解説
松坂城跡は、伊勢平野を東流する阪内(さかない)川と櫛田川とに挟まれた沖積地にある丘陵上に、16世紀後期に蒲生(がもう)氏(うじ)郷(さと)によって築造された平山城で、堅固な石垣を多用した織豊系城郭としての特色を備え、その姿を良好にとどめており、近世の政治・軍事を知る上で重要。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
天守台石垣
天守跡
希代丸跡
表門跡付近
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天守台石垣
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天守跡
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希代丸跡
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表門跡付近
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解説文
松坂城跡は、伊勢平野を東流する阪内(さかない)川と櫛田川とに挟まれた沖積地にある丘陵上に、16世紀後期に蒲生(がもう)氏(うじ)郷(さと)によって築造された平山城で、堅固な石垣を多用した織豊系城郭としての特色を備え、その姿を良好にとどめており、近世の政治・軍事を知る上で重要。
詳細解説▶
詳細解説
松坂城跡は、松阪市街地のほぼ中央部に位置し、伊勢平野の中央を流れる阪内(さかない)川と櫛田川に挟まれた標高35メートル余りの独立丘陵上に築造された平山城である。 16世紀末ごろ、伊勢国司の北畠家の養子となり北畠家を継いだ織田信雄(のぶかつ)(信長の二男)は松ヶ島に城を築くが、信長の死後、羽柴秀吉の攻撃により、松ヶ島城は開城となった。天正12年(1584)に、近江国日野から蒲生(がもう)氏郷(うじさと)(この時は賦(やす)秀(ひで))が城主として入り、約12万石を領有した。翌年、氏郷はこの松ヶ島城から南へ2.5キロメートル内陸部に所在し、元亀元年(1570)に潮田(うしおだ)長助が砦を構えたと伝えられる四五百森(よいほのもり)の地に新たに築城した。天正16年(1588)、これに入城し、松坂城と名付けるとともに、松ヶ島城下の商人や寺社を移住させ、近江日野や伊勢大湊からは商人を呼び寄せ、また参宮街道について城下を通過させるよう道の付け替えを行うなど、城下町の整備を行った。天正18年(1590)には、氏郷は陸奥国会津若松に移封となり、その後、服部一忠、古田重勝が城主となった。この間に、本丸・二の丸・三の丸の曲輪の整備がなされた。 元和5年(1619)に、徳川頼宣が和歌山に封ぜられると同時に、松坂はその統治下に入り、明暦3年(1657)には、城代が置かれ、和歌山藩領となった「勢州三領」(松坂・田丸・白子(しろこ))を治める役所が三の丸に設置され、以後、寛政6年(1794)には二の丸には御殿(徳川陣屋)の着工がなされるなど、幾度かの増築、修復を経て、江戸期を通じて城郭としての役割を果たした。 城の縄張りとしては、大手を北東に、搦手を南東に置き、本丸を中心に二の丸・三の丸・希代(きたい)丸・隠居丸などの曲輪を配置する。本丸は上下段に分かれ、天守台があり天守が建てられていた。また、本丸及び二の丸には櫓・門・塀などの建築物が存在していた。本丸・二の丸ほかの各曲輪を形成する法面には野面積みを主体とする豪壮な石垣が築かれており、この城郭の見所の一つとなっている。とりわけ天守台の石垣は築城当時の状況がよく遺存していると考えられる。また、松阪市教育委員会による発掘調査の成果からは、安土城出土と同笵と考えられる天正7年銘の軒平瓦をはじめ、金箔を押した瓦など近世初期の瓦が大量に出土したほか、建物の礎石が検出されており、築城期にほど近い時期から瓦葺き礎石建物があったと考えられる。これらの石垣や建物は織豊系城郭としての特徴を顕著に有するものである。 今回指定しようとするのは、上記曲輪のうち、本丸・二の丸・希代丸・隠居丸を含む地域で、堅固な石垣を多用した織豊系城郭としての特色を備え、その姿を良好にとどめており、当初は豊臣政権の東国への備えとして築かれたと考えられるとともに、御三家の一つ、和歌山藩領の飛地内に所在し、その支配の拠点となった城郭として明治期まで存続した点で特筆されるなど、近世の政治・軍事を知る上で重要である。よって、史跡に指定し、保護を図ろうとするものである。