国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
中村川ネコギギ生息地
ふりがな
:
なかむらがわねこぎぎせいそくち
中村川(下流限付近)
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種別1
:
天然記念物
種別2
:
時代
:
年代
:
西暦
:
面積
:
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
142
特別区分
:
特別以外
指定年月日
:
2011.09.21(平成23.09.21)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
(一)日本特有の動物で著名なもの及びその棲息地
所在都道府県
:
三重県
所在地(市区町村)
:
三重県松阪市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
中村川(下流限付近)
解説文:
詳細解説
三重県松阪市を流れる中村川は一級河川雲出川水系の支流で、その中流域には地域を定めない天然記念物に指定されている希少な淡水魚ネコギギが高密度で生息している。当該流域は本種の生息環境が良好な状態で残されており、その保護を図る上で重要な生息地である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
中村川(下流限付近)
ネコギギ写真
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中村川(下流限付近)
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ネコギギ写真
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解説文
三重県松阪市を流れる中村川は一級河川雲出川水系の支流で、その中流域には地域を定めない天然記念物に指定されている希少な淡水魚ネコギギが高密度で生息している。当該流域は本種の生息環境が良好な状態で残されており、その保護を図る上で重要な生息地である。
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詳細解説
ネコギギ (Pseudobagrus ichikawai) は、ナマズ目ギギ科に分類される、日本固有の淡水魚である。体長は10cm前後、体色は黄色味を帯びた茶褐色で、4対(8本)の口ひげを持つ。河川の中上流域に生息しており、夜行性で、日中は石の隙間等に潜み、夜間にそこから泳ぎ出て水生昆虫等を捕食する。6、7月に石の隙間等で繁殖し、オスは卵を保護する。日本産淡水魚の中でも特異な分布を示し、愛知県・岐阜県・三重県の伊勢湾・三河湾に流入する河川にしか生息していないこと等から、生物地理学上貴重な種であり、昭和52年(1977)7月2日に、日本特有の動物で著名なものとして、地域を定めない国の天然記念物に指定されている。 ネコギギは瀬や淵が連続する、水量の豊富な清流を主な生息場所としているが、近年そうした環境は河川改修等の人為的要因により失われつつあり、個体数の減少が懸念されている。ネコギギは環境省レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類(ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)、三重県レッドリストでは絶滅危惧ⅠA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に選定されている。 指定対象区域は、三重県松阪市を流れる雲出川水系中村川の中流に位置する。平成20年(2009)の三重県教育委員会による調査では、当該河川で延べ1020個体のネコギギが目視により確認され、約1700個体が生息していると推定された。これまでに個体数調査が実施されている8水系の中では、矢作川水系に次ぐ生息数と生息密度(個体/100m)を誇っている。指定対象区域はネコギギの隠れ場所となる巨礫や大礫等が多く、河川改修等もほとんど行われておらず、好適な生息地が維持されている。また、地元の中村川漁業協同組合がネコギギの密漁防止パトロールを自主的に実施しており、地域住民の本種に対する保護意識は高い。 ネコギギが高密度で多数生息し、生息環境も良好な状態で維持されており、地域住民の保護意識も高い、有数の生息地であることから、地域を定めない国の天然記念物に指定されている貴重なネコギギについて、さらにその生息地を天然記念物に指定することで、一層の保護を図るものである。