国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
国富中村古墳
ふりがな
:
くにどみなかむらこふん
国富中村古墳空中写真
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
種別1
:
史跡
種別2
:
時代
:
古墳後期
年代
:
西暦
:
面積
:
1088.26 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
39
特別区分
:
特別以外
指定年月日
:
2013.03.27(平成25.03.27)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
一.貝塚、集落跡、古墳その他この類の遺跡
所在都道府県
:
島根県
所在地(市区町村)
:
島根県出雲市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
国富中村古墳空中写真
解説文:
詳細解説
6世紀後半~7世紀初頭に築造された、古墳時代後期の直径30m程度の円墳。横穴
式石室が未盗掘で、閉塞(へいそく)時の状況をとどめる極めて稀有な例であり、古墳時代後期の埋
葬儀礼のあり方を知ることのできる古墳としても極めて重要である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
国富中村古墳空中写真
写真一覧
国富中村古墳空中写真
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
6世紀後半~7世紀初頭に築造された、古墳時代後期の直径30m程度の円墳。横穴 式石室が未盗掘で、閉塞(へいそく)時の状況をとどめる極めて稀有な例であり、古墳時代後期の埋 葬儀礼のあり方を知ることのできる古墳としても極めて重要である。
詳細解説▶
詳細解説
国富中村古墳は、島根県の東部、宍道湖の西側に広がる出雲平野東北部を見下ろす旅(た)伏(ぶし)山南麓部に所在する。古墳は削平を受けていたこともあり、平成14年、工事用道路建設中に横穴式石室の存在が初めて知られるところとなった。発見直後に石室内の状況確認がおこなわれ、出雲地域においては石室規模が大きく、未盗掘である可能性が高いことから、その重要性に鑑み、工事計画を変更し現状保存の措置を執ることとなった。 以上の経過から、平田市(現出雲市)教育委員会は、平成14年度より古墳の内容を明らかにする発掘調査を実施した。その結果、古墳は直径約30メートルの円墳であり、埋葬施設は玄室と前室からなる複室構造の横穴式石室であることが判明した。石室規模は全長9.3メートル以上で、玄室は長さ3.3メートル、幅1.9メートル、高さ2メートル、前室は、長さ2.5メートル、幅1.2メートルから1.5メートル、高さ1.8メートル、羨道は長さ1.4メートル、幅1.05メートルから1.2メートル、高さ1.5メートルの両袖式である。石室の開口部は自然石で閉塞され、その閉塞石が埋葬当時の状況を完全に残していた。 玄室内には、組合式の家形石棺がある。蓋石は大きく三つに破損しており、蓋石に打撃痕が確認できることから、意図的な破壊によるものとみなされる。また、前室にも蓋のない箱形石棺があり、埋葬は、まず家形石棺に、続いて箱形石棺へと2度おこなわれ追葬はなかったと考えられる。石室内は保存のため完掘していないが、副葬品として珠文鏡1点、金環1点、銀環1点、ガラス製玉類3点、青銅製鈴4点、装飾大刀3点、刀子3点、鉄鏃3組、馬具3組と須恵器61点が出土した。これらの内容から、6世紀末から7世紀初頭に築かれたものと考えられる。石室内を層位的に発掘調査した結果、埋葬後に副葬品である、2点の大刀については石室壁に立てかけるなど再配置されたものや、破壊した後に再配置されたものがあることが判明した。このように意図的な石棺や副葬品の破壊、及びそれらの再配置は、埋葬後におこなわれた儀礼と捉えられる 国富中村古墳は、出雲地域においては規模の大きい横穴式石室を有する、6世紀末から7世紀初頭に築造された円墳である。この古墳は、横穴式石室が未盗掘で、閉塞時の状況を現在にまで留める稀有な例であり、古墳時代後期における埋葬に伴う儀礼のあり方を知ることができる古墳としてきわめて重要である。よって、史跡に指定し保護を図ろうとするものである。