国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
旧関山宝蔵院庭園
ふりがな
:
きゅうせきやまほうぞういんていえん
旧関山宝蔵院庭園
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種別1
:
名勝
種別2
:
時代
:
年代
:
西暦
:
面積
:
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
40
特別区分
:
指定年月日
:
2013.03.27(平成25.03.27)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
一.公園、庭園
所在都道府県
:
新潟県
所在地(市区町村)
:
新潟県妙高市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
旧関山宝蔵院庭園
解説文:
詳細解説
中近世に妙(みょう)高山(こうさん)修験道の拠点を成した関山(せきやま)大権現の別当(べっとう)職(しょく)寺院の池(ち)泉(せん)庭園。霊山である妙高山を借景(しゃっけい)とし、高さ5mもの巨大な滝と組み合わせた景観構成は他に類例を見ない。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
旧関山宝蔵院庭園
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旧関山宝蔵院庭園
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解説文
中近世に妙(みょう)高山(こうさん)修験道の拠点を成した関山(せきやま)大権現の別当(べっとう)職(しょく)寺院の池(ち)泉(せん)庭園。霊山である妙高山を借景(しゃっけい)とし、高さ5mもの巨大な滝と組み合わせた景観構成は他に類例を見ない。
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詳細解説
越後と信濃の国境に位置する妙高山(標高2,454メートル)の東麓には、中近世に妙高山域における修験道の拠点として勢力を蓄えた「関山大権現」の境内が存在する。その北端に位置する関山宝蔵院は、大権現の祭祀を護持する別当職寺院であった。北国街道へと通ずる正門の枡形及びその左右を石垣で固め、奥部に石組の池泉庭園を擁する敷地の偉容からは、越後における宗教・行政の中枢を担った中核寺院としての風格がうかがえる。 東方への緩傾斜面を切削して造成した東西約40メートル、南北約60メートルの旧宝蔵院の敷地平坦面には、かつての院主御居間の沓脱石及び客殿・台所などを含む寺坊の建造物の礎石と思われる遺構が残されている。その西方には、切削した法面とその裾部を利用して造った石組みの池泉庭園があり、その中央には、大小の石を積んで形成した高さ5メートルもの凹部の上方から、神聖な湧水である「御膳清水」を石樋によって落とす独特の意匠・構造の滝がある。滝の背後及び両側の凹部には、小面を上にして石を斜め下方へと差し込むように積み上げていく石積みの手法が用いられ、単純ではあるが崩れにくく、比高のある安定した構造が保たれている。滝の左右に連なる傾斜面の随所には石組み、石段、土留めのための石列が存在し、斜面の頂部には一際高く築山が造られている。院主御居間の沓脱石と推定される上面の平坦な石の付近からは、西方に向かって池泉と水面に浮かぶ石組みの中島、その後方の奥まった石積凹部上方の石樋から落ちる滝を間近に見ることができ、さらには築山越しに妙高山の中央火口丘を望むことができる。 妙高山は、阿弥陀如来の西方極楽浄土を表す山であるとされた。近世の宝蔵院では、年に一度の参詣登山を主催し、妙高山に関する礼拝供養を行うなど、関山大権現及び妙高山に対する祭祀を通じて宗教的権威を示した。また、宝蔵院は建築用材及び薪炭材の調達において、妙高山域の豊かな山林資源を独占することにより、周辺の村落に大きな影響を及ぼした。妙高山は、宝蔵院にとって祭祀の対象となる山であるとともに、周辺村落における求心力の源泉を成す山でもあり、池泉庭園からの妙高山に対する展望は宝蔵院にとって特に重要な意味を持っていた。 霊山として崇められ、「越後富士」とも呼ばれる妙高山を借景とし、池泉庭園の主景である滝との強力な視覚的対比を意図した景観構成は、妙高修験の拠点として力を誇示した関山宝蔵院の庭園においてのみ実現し得たものであり、他に類例を見ない優秀なものである。その芸術上・学術上の価値は高く、名勝に指定し保護を図ろうとするものである。