国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
久部良バリ及び久部良フリシ
ふりがな
:
くぶらばりおよびくぶらふりし
久部良バリ及び久部良フリシ(久部良フリシ)
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種別1
:
名勝
種別2
:
時代
:
年代
:
西暦
:
面積
:
79099.79 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
31
特別区分
:
特別以外
指定年月日
:
2014.03.18(平成26.03.18)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
八.砂丘、砂嘴(さし)、海浜、島嶼
所在都道府県
:
沖縄県
所在地(市区町村)
:
沖縄県八重山郡与那国町
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
久部良バリ及び久部良フリシ(久部良フリシ)
解説文:
詳細解説
我が国の最西端に位置する与那国島の北西岸には,久部良フリシと呼ばれる独特の海浜景観が展開し,そのほぼ中央に久部良バリと呼ぶ深い断層崖の亀裂が存在する。
久部良フリシは,主として砂岩から成る八重山(やえやま)層群の上面を堅い琉球石灰岩から成る琉球層群が覆う構造をもつ。海波の浸食により凹部が形成された緑色及び紫褐色の砂岩の急崖から成る風致景観は,独特かつ傑出している。その中央の久部良バリは全長約15m,幅約3.5m,深さ約7mの規模を持ち,琉球王府(中山)による人頭税(にんとうぜい)の負担にあえいだ島びとたちが,妊婦に崖を飛ばせて胎児とともに死に至らしめたとの伝承を生み,その背景を含め近世後期の与那国島における社会を考える上で深い意義を持つ。
また,海岸は,旧暦の4月に稲穂の害虫を駆除するために,虫の霊を海の彼方の理想郷・アンドゥヌチマへと送るフームヌン(穂物忌み)の儀礼の場となっており,その独特の風致景観と相俟って,与那国島の精神文化を語る上で重要な意義を持つ。
このように,久部良バリ及び久部良フリシの海浜地形は,与那国島に固有の伝承・儀礼に彩られた独特の風致景観を形成している。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
久部良バリ及び久部良フリシ(久部良フリシ)
久部良バリ及び久部良フリシ(久部良バリ)
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久部良バリ及び久部良フリシ(久部良フリシ)
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解説文
我が国の最西端に位置する与那国島の北西岸には,久部良フリシと呼ばれる独特の海浜景観が展開し,そのほぼ中央に久部良バリと呼ぶ深い断層崖の亀裂が存在する。 久部良フリシは,主として砂岩から成る八重山(やえやま)層群の上面を堅い琉球石灰岩から成る琉球層群が覆う構造をもつ。海波の浸食により凹部が形成された緑色及び紫褐色の砂岩の急崖から成る風致景観は,独特かつ傑出している。その中央の久部良バリは全長約15m,幅約3.5m,深さ約7mの規模を持ち,琉球王府(中山)による人頭税(にんとうぜい)の負担にあえいだ島びとたちが,妊婦に崖を飛ばせて胎児とともに死に至らしめたとの伝承を生み,その背景を含め近世後期の与那国島における社会を考える上で深い意義を持つ。 また,海岸は,旧暦の4月に稲穂の害虫を駆除するために,虫の霊を海の彼方の理想郷・アンドゥヌチマへと送るフームヌン(穂物忌み)の儀礼の場となっており,その独特の風致景観と相俟って,与那国島の精神文化を語る上で重要な意義を持つ。 このように,久部良バリ及び久部良フリシの海浜地形は,与那国島に固有の伝承・儀礼に彩られた独特の風致景観を形成している。
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詳細解説
我が国の最西端に位置する与那国島の北西岸には、久部良フリシと呼ぶ独特の海浜景観が展開し、そのほぼ中央に久部良バリと呼ぶ深い断層崖の亀裂が存在する。 久部良フリシは、主として砂岩から成る八重山(やえやま)層群の上面を琉球石灰岩から成る琉球層群が覆う構造をもつ。「フリシ」の呼称は与那国島の方言で砂岩を意味し、堅い琉球石灰岩の下層に柔らかな砂岩が広がっていることと関連すると伝えられている。島の北西岸を成す断層崖の沿岸は強風にあおられて海波が荒く、上部の琉球石灰岩に比較して下部の砂岩の浸食が早く進み、多くの箇所に庇状の凹地形(ノッチ)を形成している。中新世の堆積物から成る砂岩の崖面には、古生物の生活痕跡であるサンドパイプ状の生痕化石が無数に分布している。琉球石灰岩が上部を覆い、その下方に凹部を形成しつつ緑色及び紫褐色の砂岩の急崖が展開する海浜の風致景観は、独特かつ傑出している。 久部良フリシの中央に位置する深い亀裂が久部良バリである。「バリ」は「割(ば)り」と表記し、割れ目を意味する。全長約15m、幅約3.5mの断層崖の一部が地表に表出した亀裂・割れ目であり、深さは約7mもある。その迫力に満ちた地形は、琉球王府(中山)による人頭税(にんとうぜい)の負担にあえいだ島びとたちが、妊婦に崖を飛ばせて胎児とともに死に至らしめたとの伝承を生んだ。久部良フリシとその中央に位置する久部良バリの深い亀裂の地形から成る風致景観は、伝承が生まれた背景を含め、近世後期の与那国島における社会を考える上で深い意義を持つ。 また、久部良バリを含む久部良フリシの海岸は、旧暦の4月に稲穂の害虫を駆除するために、虫の霊を海の彼方の理想郷・アンドゥヌチマへと送るフームヌン(穂物忌み)の儀礼の場となっており、その独特の風致景観と相俟って、与那国島の精神文化を語る上で重要な意義を持つ。 以上のように、砂岩と琉球石灰岩の二層から成り、中央に深い断層崖が走る久部良フリシ及び久部良バリの海浜地形は、与那国島に固有の伝承・儀礼に彩られた独特の風致景観を形成しており、その観賞上の価値は高いことから、名勝に指定し保護を図ろうとするものである。