国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
伊平屋島の念頭平松
ふりがな
:
いへやじまのねんとうひらまつ
伊平屋島の念頭平松(近景)
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種別1
:
天然記念物
種別2
:
時代
:
年代
:
西暦
:
面積
:
4223.3 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
29
特別区分
:
指定年月日
:
2016.03.01(平成28.03.01)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
所在都道府県
:
沖縄県
所在地(市区町村)
:
沖縄県島尻郡伊平屋村
保管施設の名称
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所有者種別
:
所有者名
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管理団体・管理責任者名
:
伊平屋島の念頭平松(近景)
解説文:
詳細解説
リュウキュウマツはトカラ列島の悪石島(あくせきじま)から先島諸島(さきしましょとう)の西表島(いりおもてじま)までに分布する固有種である。念頭平松は幹周4.5m,樹高約8mと幹の太さや高さはそれほど大きくはないが,枝張り東西約28m,南北約24mという巨大な枝振りの優美な樹形のリュウキュウマツで,天然記念物「久米の五枝(ごえ)のマツ」とともにリュウキュウマツの二大名木として著名である。マツ類では珍しく半円形の傘のような自然樹形を形成している。伊平屋島には松枯れ病を発症させる線虫を媒介するマツノマダラカミキリが確認されていないため,地元ではマツの苗木や材の持ち込み等を禁止して保護を図っている。
念頭平松の枝振りの美しさについては,伊平屋村に伝わる古歌である大田名節(うふたなぶし)の一節などに歌われ,昭和12年に沖縄縣山林會により作成された「老樹名木誌(ろうじゅめいぼくし)」に「枝ノ形状饅頭形ニシテ庭園ノ盆栽仕立ノ如シ」と形容されるなど,古くから樹形の優美な樹木として地元住民に認識されていた。地域の人々に親しまれ保護されてきたリュウキュウマツの名木として貴重である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
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伊平屋島の念頭平松(近景)
伊平屋島の念頭平松(遠景)
伊平屋島の念頭平松(幹)
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伊平屋島の念頭平松(近景)
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伊平屋島の念頭平松(遠景)
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伊平屋島の念頭平松(幹)
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解説文
リュウキュウマツはトカラ列島の悪石島(あくせきじま)から先島諸島(さきしましょとう)の西表島(いりおもてじま)までに分布する固有種である。念頭平松は幹周4.5m,樹高約8mと幹の太さや高さはそれほど大きくはないが,枝張り東西約28m,南北約24mという巨大な枝振りの優美な樹形のリュウキュウマツで,天然記念物「久米の五枝(ごえ)のマツ」とともにリュウキュウマツの二大名木として著名である。マツ類では珍しく半円形の傘のような自然樹形を形成している。伊平屋島には松枯れ病を発症させる線虫を媒介するマツノマダラカミキリが確認されていないため,地元ではマツの苗木や材の持ち込み等を禁止して保護を図っている。 念頭平松の枝振りの美しさについては,伊平屋村に伝わる古歌である大田名節(うふたなぶし)の一節などに歌われ,昭和12年に沖縄縣山林會により作成された「老樹名木誌(ろうじゅめいぼくし)」に「枝ノ形状饅頭形ニシテ庭園ノ盆栽仕立ノ如シ」と形容されるなど,古くから樹形の優美な樹木として地元住民に認識されていた。地域の人々に親しまれ保護されてきたリュウキュウマツの名木として貴重である。
詳細解説▶
詳細解説
念頭平松は沖縄県の伊平屋島に生育するリュウキュウマツの名木である。リュウキュウマツ(Pinus luchuensis Mayr)はトカラ列島の悪石島(あくせきじま)から先島諸島(さきしましょとう)の西表島(いりおもてじま)までに分布する固有種(こゆうしゅ)である。念頭平松は幹周4.5m、樹高約8mと幹の太さや高さはそれほど大きくはないが、枝張り東西約28m、南北約24mという巨大な枝振りの優美な樹形のリュウキュウマツで、久米島(くめじま)にある天然記念物久米の五枝(ごえ)のマツとともにリュウキュウマツの二大名木として著名である。マツ類では珍しく半円形の傘のような自然樹形を形成している。リュウキュウマツは美しい樹形の樹木といわれ、昭和41年には公募による「沖縄県の木」への選定、翌42年には県木への指定等、広く親しまれている樹木である。 対象範囲は伊平屋島の北部、田名(だな)地区の俗称ネント原(ばる)にある念頭平松公園内の園路の内側で、対象面積は0.4haである。周辺は農地であるが、昭和30年代までは集落があり、人の往来があった場所である。北西側には後岳(くしだけ)(231m)、タンナ岳(236m)の連なる丘陵があり、東に250m程で海岸に達する。背後に連なる丘陵により10月から3月にかけての冬季の北西の季節風から守られている。また、伊平屋島には松枯れ(まつがれ)病(びょう)を発症させる線虫(せんちゅう)を媒介するマツノマダラカミキリが確認されていないため、地元ではマツの苗木や材の持ち込み等を禁止して保護を図っている。 念頭平松は2代目のマツであるとわれ、次のような伝承がある。念頭平松は尚敬王(しょうけいおう)23年(第13代琉球国王、1735)頃に植えられたものとされているが、前に同じような美しい平松があり、俗に兄松と呼ばれていた。これを隣島の伊是名島(いぜなじま)の役人・山大筑登之(やまうふちくとうん)が盗伐し、その祟りで死んだ。そのため親類のものがお詫びに植えたものが念頭平松とされている。兄松に劣らぬ美しい枝ぶりで、島の人々から手厚く保護され、兄松を凌ぐ巨木となっていると言われる。伊平屋村に伝わる古歌である大田名節(うふたなぶし)の一節には、念頭平松の枝振りの美しさが歌われており、昭和初期には名木として県民に知られ、昭和13年に沖縄縣山林會により作成された「老樹名木誌」に「枝ノ形状饅頭形ニシテ庭園ノ盆栽仕立ノ如シ」と形容されるなど、古くから地元住民に親しまれている。 このように、地域の人々に親しまれ保護されてきた、優美な樹形のリュウキュウマツの名木であることから、天然記念物に指定し保護するものである。