国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
小部遺跡
ふりがな
:
こべいせき
小部遺跡
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種別1
:
史跡
種別2
:
時代
:
古墳時代前期
年代
:
西暦
:
面積
:
11370.37 m
2
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
44
特別区分
:
指定年月日
:
2021.03.26(令和3.03.26)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
一.貝塚、集落跡、古墳その他この類の遺跡
所在都道府県
:
大分県
所在地(市区町村)
:
大分県宇佐市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
小部遺跡
解説文:
詳細解説
大分県北部の周防灘(すおうなだ)に面した平野部に立地する古墳時代前期を中心とする構造の変遷が明らかな集落遺跡。古墳時代前期に,突出部を備える環濠集落(かんごうしゅうらく)として出現し,その後,環濠内に方形区画とその区画内に大型掘立柱建物(おおがたほったてばしらたてもの)を設け,居館の成立から廃絶までの変遷を辿ることができる重要な遺跡。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
小部遺跡
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小部遺跡
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解説文
大分県北部の周防灘(すおうなだ)に面した平野部に立地する古墳時代前期を中心とする構造の変遷が明らかな集落遺跡。古墳時代前期に,突出部を備える環濠集落(かんごうしゅうらく)として出現し,その後,環濠内に方形区画とその区画内に大型掘立柱建物(おおがたほったてばしらたてもの)を設け,居館の成立から廃絶までの変遷を辿ることができる重要な遺跡。
詳細解説▶
詳細解説
小部遺跡は,周防灘を望む宇佐平野西側,駅館(やっかん)川から分岐する黒川左岸に形成された,標高8m前後の低位段丘上に立地する古墳時代前期の集落遺跡である。昭和40年代の土木工事で発見され,その後の調査により,集落の構造と変遷が明らかとなった。古墳時代前期初頭には,南北120m,東西100m以上の規模を誇る環濠集落で,平面形状は南側に方形の突出部2箇所を備える隅丸方形を呈し,その内側には環濠に並行する柵列が設けられる。前期前半には,環濠内部のほぼ中央に南北約50m,東西約37mの柵列とみられる方形区画が設けられる。区画内には西辺に沿って桁行4間,梁行3間の大型掘立柱建物が建てられ,居館へと変遷する。また,外来系の土器が多数出土することから,他地域との海上交通において重要であった地域であったと考えられる。前期後半にこれらの施設はすべて廃絶し,一辺10m前後の方形周溝墓が築かれる墓域となる。また,近隣に所在する史跡川部・高森古墳群の赤塚古墳は,小部遺跡の居館とほぼ同時期の築造のため,居館の居住者が赤塚古墳の被葬者との見解もある。このように小部遺跡は,古墳時代前期における環濠集落として出現し,居館の発生から廃絶に至るまでの変遷過程を明らかにするとともに,古墳と居館の関係性が想起できるなど,古墳時代前期における社会構造の変化を考えるうえで重要である。