国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録記念物
主情報
名称
:
曽根氏庭園(磁叟庵庭園)
ふりがな
:
そねしていえん(じそうあんていえん)
曽根氏庭園(主庭南部)
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
種別1
:
登録記念物(名勝地関係)
種別2
:
時代
:
昭和2年(1927)
年代
:
西暦
:
面積
:
887.99 m
2
その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
登録年月日
:
2016.10.03(平成28.10.03)
追加年月日
:
登録基準
:
所在都道府県
:
岐阜県
所在地(市区町村)
:
岐阜県瑞浪市
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
曽根氏庭園(主庭南部)
解説文:
詳細解説
製陶業者の邸宅に造られた庭園で,岐阜県の南部を流れる猿爪川(ましづめがわ)沿いに形成された小盆地の西端に位置する。大正末期に邸宅が新築された後に庭園の造営が始まり,昭和2年(1927)に完成した。作庭は名古屋の庭師の手によるものと伝わる。
曽根氏の邸宅は,敷地の中央に主屋,その南側に離れ,北側に蔵を配置し,庭園は主屋の南側から西側に広がる主庭のほか,離れの南側や玄関前等,複数の空間から成る。
主庭は,主屋の座敷の南側と西側に面し,主屋から南を望むと右手奥に築山(つきやま)が見える。築山からは手前に向かって枯流(かれなが)れが造られ,そこに石橋が架かる。庭内には花崗岩の飛石(とびいし)が縦横に打たれ,それらは庭門,主屋,離れ等を結ぶ。飛石の分岐点には大ぶりの踏分石を配置し,また随所に花崗岩の景石を据える。
製陶業者の邸宅に造られた近代庭園である曽根氏庭園(磁叟庵庭園)は,岐阜県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
曽根氏庭園(主庭南部)
曽根氏庭園(主庭座敷から)
曽根氏庭園(離れ庭)
写真一覧
曽根氏庭園(主庭南部)
写真一覧
曽根氏庭園(主庭座敷から)
写真一覧
曽根氏庭園(離れ庭)
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
製陶業者の邸宅に造られた庭園で,岐阜県の南部を流れる猿爪川(ましづめがわ)沿いに形成された小盆地の西端に位置する。大正末期に邸宅が新築された後に庭園の造営が始まり,昭和2年(1927)に完成した。作庭は名古屋の庭師の手によるものと伝わる。 曽根氏の邸宅は,敷地の中央に主屋,その南側に離れ,北側に蔵を配置し,庭園は主屋の南側から西側に広がる主庭のほか,離れの南側や玄関前等,複数の空間から成る。 主庭は,主屋の座敷の南側と西側に面し,主屋から南を望むと右手奥に築山(つきやま)が見える。築山からは手前に向かって枯流(かれなが)れが造られ,そこに石橋が架かる。庭内には花崗岩の飛石(とびいし)が縦横に打たれ,それらは庭門,主屋,離れ等を結ぶ。飛石の分岐点には大ぶりの踏分石を配置し,また随所に花崗岩の景石を据える。 製陶業者の邸宅に造られた近代庭園である曽根氏庭園(磁叟庵庭園)は,岐阜県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。
詳細解説▶
詳細解説
曽根氏庭園(磁叟庵庭園)は、製陶業者の邸宅に造られた庭園で、岐阜県の南部を流れる猿爪川(ましづめがわ)沿いに形成された小盆地の西端に位置する。創業者の曽根庄兵衛は、文久元年(1861)に製陶業を興し、地場産業の発展及び振興に功績があったとして明治34年(1901)に緑綬褒章を受け、その際岐阜県知事から「磁叟(じそう)」の号を贈られた。大正15年(1926)に邸宅を新築した三代目の昇三は、その後庭園の造営に着手し、昭和2年(1927)に完成式を行った。 曽根氏の邸宅は、敷地の中央に主屋、その南側に離れ、北側に蔵を配置し、庭園は主屋の南側から西側に広がる主庭のほか、離れの南側や玄関前等、複数の空間から成る。作庭は名古屋の庭師の手によるものと伝わる。 主庭は、主屋の座敷の南側と西側に面し、主屋から南を望むと右手奥に築山が見える。築山からは手前に向かって枯流れが造られ、そこに石橋が架かる。庭内には花崗岩の飛石が縦横に打たれ、それらは庭門、主屋、離れ等を結ぶ。飛石の分岐点には大ぶりの踏分石を配置し、また随所に花崗岩の景石を据える。 植栽はドウダンツツジを中心にイロハモミジ、アカマツ等の高木を配する。 座敷は、以前は社交の場として窯業業者の集まり等に使用されたが、現在は喫茶店の店舗として使われており、縁の外に広がる主庭の景観を一望することができる。 離れの庭は、三方を塀に囲まれた小規模な空間で、東西方向に飛石が打たれている。 そのほか、主庭の門前、あるいは主屋の玄関前には、石敷の通路が設けられ、その側に据えられた景石等と一体となって、落ち着きのある空間を形成している。 近年南西に隣接していた建物が火災で焼失し、塀の半分以上が焼けたが、その後修復された。また、火災の際に一部の樹木も失われたため、別の樹種が補植されたが、それ以外の部分は作庭当初の姿がよく保存されている。 以上のように、曽根氏庭園(磁叟庵庭園)は、製陶業者の邸宅に造られた近代庭園であり、岐阜県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。