国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財（美術工芸品）
主情報
名称
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木造徳川家康坐像/木造秀忠坐像 康猶作 （所在御影堂）
ふりがな
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もくぞうとくがわいえやすざぞう/もくぞうとくがわひでただざぞう こうゆうさく （しょざいみえいどう）
木造徳川家康坐像
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員数
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1躯/1躯
種別
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彫刻
国
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時代
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江戸
年代
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西暦
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作者
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康猶
寸法・重量
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品質・形状
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ト書
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画賛・奥書・銘文等
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伝来・その他参考となるべき事項
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指定番号（登録番号）
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03611
枝番
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国宝・重文区分
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重要文化財
重文指定年月日
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2014.08.21(平成26.08.21)
国宝指定年月日
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追加年月日
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所在都道府県
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京都府
所在地
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保管施設の名称
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所有者名
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知恩院
管理団体・管理責任者名
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木造徳川家康坐像
解説文：
詳細解説
本堂（御影堂、国宝）西の間に安置される。秀忠像は元和6年（1620）に本人が命じて仏師康猶に造らせた自らの等身像で、家康像はそれをやや溯る時期に同じく康猶が造ったとみられる。平明で現実感のある造形に近世肖像彫刻の成立を告げる作例である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
木造徳川家康坐像
木造秀忠坐像
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木造徳川家康坐像
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木造秀忠坐像
解説文
本堂（御影堂、国宝）西の間に安置される。秀忠像は元和6年（1620）に本人が命じて仏師康猶に造らせた自らの等身像で、家康像はそれをやや溯る時期に同じく康猶が造ったとみられる。平明で現実感のある造形に近世肖像彫刻の成立を告げる作例である。
詳細解説▶
詳細解説
江戸幕府を開いた徳川家康および二代将軍秀忠の等身像で、いずれも束帯姿に佩刀【はいとう】し、右手に笏【しゃく】を執って威儀を正した姿である。知恩院御影堂（本堂）西の間に置かれる三基の宮殿のうち左右分に、中央分の伝通院像を挟んでそれぞれ祀られる。 『知恩院旧記採要録』によれば元和五年（一六一九）九月に秀忠が上洛、知恩院の三門・経蔵・大塔の建立を命じた際、別に自らの等身の寿像の調達を大仏師康猶に命じ、帝都鎮護のためとして翌年四月十七日に像を御影堂の西の間に安置したことが記され、秀忠像の製作年代および作者が判明する。なお康猶は本像完成後、翌年にかけて従兄弟にあたる康如【こうにょ】とともに経蔵の傳大士【ふだいし】像、三門の釈迦及両脇侍・十六羅漢像（重要文化財）を製作している。 家康像の製作については同書に秀忠像安置以降、家康像とならび両者を帝都鎮護の御影と称したとあり、また「役者書簡」四に権現様御影を板倉勝重が京都所司代（元和六年に退任）であった時、大方丈に安置したと記されることなどより、秀忠像に先立ち造られていたと考えられる。なお寛永十年（一六三三）正月九日に知恩院が火災に遭い、御影堂・大方丈とも焼失したが、両像は搬出されたものとみられる。その後ともに宝蔵に収められていたが享保十六年（一七三一）に御影堂に移され現在に至っている。 家康像の遺品として知られるものに正保四年（一六四七）康以作の愛知大樹寺像や慶安三年（一六五〇）の福岡警固神社像などがあり、本像はこれらと構えや衣文の扱い、衣の文様などがほぼ一致するが、相貌はより厳しくまた生彩が感じられる。前代の武将彫像を代表する遺品である天正十一年（一五八三）康清作の京都総見院織田信長像（重要文化財）の剛直で概念的な造形と比べると表現に平明さと現実感を増しており、そこに江戸時代らしい特色が認められる。肩をいからせ上半身を大きく表し、腕部で衣に複雑な面構成になる深い襞を刻むのは鎌倉時代の神像や冥官【みょうかん】像からの借用をうかがわせ、袍【ほう】の両袖が天神像にみられるごとく上方へ跳ね上がるなど、その像容には東照権現としての神威の表出が意図されているとみなせる。 両像は殊に頭部の彫法に顕著な類似を示し、家康像の作者も康猶とみて誤りない。『本朝大仏師正統系図幷末流』および『御用覚書』等によれば、康猶は日光（元和三年）・久能山（元和三年ころ）・紅葉山（元和五年）・名古屋（元和五年ころ）・紀州（元和六～七年ころ）・上野（寛永二年）の各東照宮の神体である家康像を製作している。『華頂第二十五世超誉上人伝』によれば本像の安置は慶長八年（一六〇三）、知恩院が将軍家菩提所となった時に家康自ら命じたというが信じられず、製作が行われたのは根本像である日光東照宮像以降、秀忠像の製作が始まる元和五年までの間とみるべきである。『知恩院御取立御趣意覚書』に「中興大僧正仕法の向き取り極むるの後、神君様等身の御神像御鎮座、深長の御神意を継がせらる」とあるごとく、製作主体は知恩院二九世の満誉尊照とみられる。 両像とも檜材の寄木造で頭体別材製、頭部は前後二材、体幹部は家康像が前後四列、秀忠像が正面背面各一材の間に肩上面をなす材を挟む構造になる。家康像のほうが体部の木寄せが細かく変則的で、玉眼の固定法（家康、押木一材。秀忠、左右各一材）も異なるなど構造の上で相違がみられるのは両者が一具として同時に造られたのではないことを示すのであろう。 秀忠像は家康像のような神像的な特色を示さず、頭体の比例をより自然にまとめながら堂々とした体容に像主の威厳を表している。その中庸を得た造形は以後、江戸時代武将像の規範となるものであり、この点に本像の意義が認められる。 このように両像は近世肖像彫刻の成立を告げる作例として重要であり、当代の彫刻史を考える上で逸することのできない存在と考えられる。
