国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
紙本墨画鳥獣人物戯画甲巻断簡
ふりがな
:
しほんぼくがちょうじゅうじんぶつぎがこうかんだんかん
解説表示▶
員数
:
1幅
種別
:
絵画
国
:
時代
:
平安時代
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
縦28.6センチ 横51.2センチ
品質・形状
:
紙本墨画 掛幅装
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
2124
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2023.06.27(令和5.06.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
滋賀県
所在地
:
保管施設の名称
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
秋草を背景に、擬人化された猿、蛙、鼠たちが左右それぞれに視線を送る様子が秀逸な墨線で描かれる。古くは右が競馬、左が蹴鞠の場面に接続していた。国宝・鳥獣人物戯画(京都・高山寺)甲巻に現状で直接接続するものではないが、様式と紙の特徴から、甲巻の断簡であることは確実である。本断簡は甲巻ひいては鳥獣人物戯画の全体像を考える上で極めて重要な作例である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
解説文
秋草を背景に、擬人化された猿、蛙、鼠たちが左右それぞれに視線を送る様子が秀逸な墨線で描かれる。古くは右が競馬、左が蹴鞠の場面に接続していた。国宝・鳥獣人物戯画(京都・高山寺)甲巻に現状で直接接続するものではないが、様式と紙の特徴から、甲巻の断簡であることは確実である。本断簡は甲巻ひいては鳥獣人物戯画の全体像を考える上で極めて重要な作例である。
詳細解説▶
詳細解説
筆運びが明確な肥痩のあるのびやかな墨線で、蛙や猿などの擬人化された動物たちを描く。秋草や動物たちの描写の特徴から、国宝「鳥獣人物戯画」(京都・高山寺蔵)甲巻の断簡と認められるものである。 本断簡は、現存の甲巻と直接接続するものではないが、慶長3年(1598)成立の住吉家旧蔵模本(東京・梅澤記念館蔵)の巻第五に本断簡に相当する場面が確認でき、烏帽子をかぶった猿が疾走する牡鹿を追いかける場面と、蛙・兎・猿が蹴鞠に興じる場面の間に位置していたことが分かる。また、同模本より、本断簡は、益田家旧蔵本と称される断簡(個人蔵)および高松家旧蔵本と称される断簡(東京・石橋財団蔵)と合わせて一巻を構成していたことが判明する。 甲巻については、平成21年から24年にかけての「鳥獣人物戯画」解体修理時に料紙の詳細な調査がおこなわれた結果、第一紙から第十紙までの前半と第11紙から第23紙の後半で料紙の質が異なることが判明した。本断簡については、この時にあわせて行われた料紙の透過光調査で、甲巻前半の料紙に共通する特徴が指摘され、料紙の点からも甲巻に属することが裏付けられている。 本断簡は、甲巻が制作当初から大きく姿を変えている中で、甲巻のみならず「鳥獣人物戯画」の全体像を考える上で重要な位置を占める貴重な遺品である。