国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
北海道西島松5遺跡出土品
ふりがな
:
ほっかいどうにししままつごいせきしゅつどひん
西島松5遺跡出土品
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
擦文時代前半
年代
:
7~9世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
676
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2024.08.27(令和6.08.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
北海道
所在地
:
北海道恵庭市牧場219
保管施設の名称
:
恵庭市埋蔵文化財整理室
所有者名
:
恵庭市
管理団体・管理責任者名
:
西島松5遺跡出土品
解説文:
詳細解説
西島松5遺跡は、石狩平野のほぼ中央にあり、擦文時代前半(7〜9世紀頃)の土坑墓や周溝墓が多数発見された遺跡である。
特に8世紀前半までにつくられた土坑墓からは副葬品が豊富に出土し、大刀や刀子 、鉄鏃、工具類などの鉄製品は、道内諸遺跡の出土品と比べ種類、数量とも群を抜く。なかでも刀類は、木製黒漆塗りの柄や鞘、その上に
巻かれた糸や樹皮、身に帯びるための革紐や組紐など、有機質痕跡が良好に残り、使用された当時の姿や製作方法を知ることができる貴重な遺例である。また、大刀には畿内で製作された金銀装の装飾付大刀、東北北部の末期古墳に副葬される蕨手刀や短寸の方頭大刀があり、北海道中央部と本州との関係性を明瞭に示す。東北北部との繋がりは、錫製の耳環や、柄や鞘を錫鋲で装飾する大刀の存在からも注目される。
土坑墓の壁には小さな坑が設けられ、そのなかには甕や注口土器などが納められていた。これらは総じて小形で、多くはうつわの口や底の一部が意図的に打ち欠かれている。副葬に際しての、葬送用の土器を打ち欠く儀礼
行為を復元することができよう。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
添付ファイル
なし
写真一覧
西島松5遺跡出土品
金属製品(大刀・刀子)
土器
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西島松5遺跡出土品
写真一覧
金属製品(大刀・刀子)
写真一覧
土器
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解説文
西島松5遺跡は、石狩平野のほぼ中央にあり、擦文時代前半(7〜9世紀頃)の土坑墓や周溝墓が多数発見された遺跡である。 特に8世紀前半までにつくられた土坑墓からは副葬品が豊富に出土し、大刀や刀子 、鉄鏃、工具類などの鉄製品は、道内諸遺跡の出土品と比べ種類、数量とも群を抜く。なかでも刀類は、木製黒漆塗りの柄や鞘、その上に 巻かれた糸や樹皮、身に帯びるための革紐や組紐など、有機質痕跡が良好に残り、使用された当時の姿や製作方法を知ることができる貴重な遺例である。また、大刀には畿内で製作された金銀装の装飾付大刀、東北北部の末期古墳に副葬される蕨手刀や短寸の方頭大刀があり、北海道中央部と本州との関係性を明瞭に示す。東北北部との繋がりは、錫製の耳環や、柄や鞘を錫鋲で装飾する大刀の存在からも注目される。 土坑墓の壁には小さな坑が設けられ、そのなかには甕や注口土器などが納められていた。これらは総じて小形で、多くはうつわの口や底の一部が意図的に打ち欠かれている。副葬に際しての、葬送用の土器を打ち欠く儀礼 行為を復元することができよう。
詳細解説▶
詳細解説
西島松5遺跡は、千歳川支流の柏木川とキトウシュメンナイ川(坂野川)に挟まれた台地上に立地する。擦文時代前半の墓跡90基(7世紀から8世紀半ばまでの土坑墓84基、8世紀後半から9世紀の周溝墓6基)が調査され、その過半数から170点を超える多種多様の金属製品が出土した。特に土坑墓は、口縁部などを打ち欠いた土器を坑壁の袋状ピットに納め、坑底には鉄製品を副葬し、さらに頭部側に礫2点を置くことが多い。この特徴的なあり方は、北海道中央部におけるこの時期の独特な墓制の内容を示す。 本一括は、これら墓跡の坑底などから出土した武器、農工具などの金属製品155点、主に袋状ピットから出土した甕形土器、片口・注口土器など62点、および琥珀玉1点と附とした礫7点にて構成される。 金属製品155点のうち150点は鉄製品で、大刀・蕨手刀・横刀・鏃などの武器、刀子・斧・鎌・鑷子・釣針などの農工具や漁労具など多種多様である。なかでも刀類は、黒漆塗された有機質製の鞘や柄がきわめて良好に遺存し、これらの使用時の姿を明瞭に伝えるとともに、製作方法もよく示す。また、金銀装の大刀(P96出土)は畿内で七世紀に製作された装飾付大刀と考えられ、蕨手刀(P101・112出土)や方頭横刀(P11・30出土)の存在は、鞘や柄に樹皮を巻く製作方法と併せて、東北地方北部の末期古墳出土品と共通する。さらに、錫鋲で装飾された拵え(P29出土)は、青森県丹後平古墳群出土品(平成三十年重要文化財指定)や同県の阿光坊古墳群出土品に類例があり、錫耳環(P15・23出土)の存在とともに、北海道中央部と本州東北地方北部との共通性をよく示す。 土器類は、甕を中心として片口・注口土器などがあり、口縁部や体部上半などを意図的に打ち欠き、それらを坑壁の袋状ピットに納めることが特徴的で、独特な葬法を伝える。これらは土師器の影響を受けて成立した擦文土器の様相をよく表し、墓制の変遷を示す時期的な指標としても重要である。 本一括は、擦文時代前半における北海道中央部独特の墓制の内容をよく示すと共に、当地と東北北部や畿内地域との交流や文化的影響関係、政治的関係性を考究するうえで、学術的価値が高い。
関連情報
附指定
礫
関連情報
一つ書
金属製品
土器
琥珀玉
関連情報
附指定
附名称
:
礫
附員数
:
7点
附ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
金属製品
一つ書員数
:
155点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
土器
一つ書員数
:
62点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
琥珀玉
一つ書員数
:
1点
ト書
: