国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財（美術工芸品）
主情報
名称
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花下群舞図
ふりがな
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かかぐんぶず
花下群舞図（右隻）
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員数
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六曲一双
種別
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絵画
国
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日本
時代
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桃山時代
年代
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１７世紀
西暦
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作者
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狩野派
寸法・重量
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（各）１４９．３センチ 横３５２．７センチ
品質・形状
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紙本着色 屏風装 本紙紙継五枚（上から一四・五、三五・九、三五・七、三五・六、二七・五センチ）
ト書
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画賛・奥書・銘文等
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伝来・その他参考となるべき事項
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…中村好古堂…松田福一郎…高見澤忠雄―池長孟（昭和九年購入）―市立神戸美術館（昭和二十六年寄贈）―市立南蛮美術館（昭和四十年移管）―神戸市立博物館（昭和五十七年移管）
平成十一年近世前期風俗画に関する懇談会選定
昭和三十一年度修理（宇佐美松鶴堂）。その際に除去された下貼文書が別置保管されており、天明七年、宝暦四年、元禄六年の年記が確認される。
指定番号（登録番号）
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2144
枝番
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国宝・重文区分
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重要文化財
重文指定年月日
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2025.09.26(令和7.09.26)
国宝指定年月日
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追加年月日
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所在都道府県
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兵庫県
所在地
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兵庫県神戸市中央区京町２４
保管施設の名称
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神戸市立博物館
所有者名
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神戸市
管理団体・管理責任者名
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花下群舞図（右隻）
解説文：
詳細解説
右隻に祇園社、左隻に上賀茂社を描き、両隻にわたって桜の下での宴遊を描く。名所そのものより、輪になって群舞する人々の熱気や、その場にいる人々の多彩な風俗に絵師の強い関心が寄せられている。複雑な雲の用法とその整った形状、緻密な人物表現などから、狩野派正系の絵師による１６世紀末から１７世紀初頭ころの作と考えられている。本作を四半世紀ほどさかのぼる狩野秀頼筆「観楓図」（国宝、東京国立博物館）や、本作とおよそ同時期の狩野長信筆「花下遊楽図」（国宝、東京国立博物館）とともに、狩野派による野外遊楽図の展開を考える上で欠かせない、近世初期風俗画の優品のひとつである。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
花下群舞図（右隻）
花下群舞図（左隻）
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花下群舞図（右隻）
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花下群舞図（左隻）
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解説文
右隻に祇園社、左隻に上賀茂社を描き、両隻にわたって桜の下での宴遊を描く。名所そのものより、輪になって群舞する人々の熱気や、その場にいる人々の多彩な風俗に絵師の強い関心が寄せられている。複雑な雲の用法とその整った形状、緻密な人物表現などから、狩野派正系の絵師による１６世紀末から１７世紀初頭ころの作と考えられている。本作を四半世紀ほどさかのぼる狩野秀頼筆「観楓図」（国宝、東京国立博物館）や、本作とおよそ同時期の狩野長信筆「花下遊楽図」（国宝、東京国立博物館）とともに、狩野派による野外遊楽図の展開を考える上で欠かせない、近世初期風俗画の優品のひとつである。
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詳細解説
本作は風流踊を構図の中心として桜下の宴遊を描いた野外遊楽図で、踊り手の躍動感や衣装の華やかさの際立つ近世初期風俗画の優品である。 本作は祇園と上賀茂を組み合わせているが、この組み合わせの意味については不詳である。祇園社の図様については「洛中洛外図」（重要文化財、福岡市博物館）や「豊国祭礼図模本」（妙法院）と共通性が高い。上賀茂社については適当な比較作例を欠くが、左右隻ともに社殿は上方に小さく描かれるのみで、絵師の関心は風流踊を中心とした野外遊楽に興じる人々とその風俗に向けられている。 本作に見られる桜下の宴遊は、様々な身分の人々が入り混じり多種多様に描かれる。酒席では男女や僧の乱れた姿も見受けられ、遠景には男性の膝に枕する女性も描かれる。このような享楽的な傾向は寛永期の邸内遊楽図で頂点に達するが、本作にも現れ始めている。また、左右隻ともに桜花を大きく描きながら、左隻には上部に蓮花も描くように、季節に振幅をもたせている。 本作は、花見の中心に風流踊の輪を大きく描く点に特徴がある。風流踊は、鉦や笛、鼓、太鼓などの拍子物にあわせて、仮装したり、造り物を身につけるなど、さまざまに趣向を凝らした出で立ちの男女が集団で踊躍する踊りである。本作に描かれた風流踊を舞う人々は、髪を振り乱して躍動的に描かれており、各人物は現実的には無理な姿勢であるものの、躍動感の中にも自然で凛然とした格調の高さを示している。 本作では雲に金箔は用いず、雲形に金泥を刷き、地面には銀砂子を散らす。本来は金地金雲の作例とは異なった、金泥と銀や色彩の対比により賑やかさや華やかさが演出されていたものであるが、現状は銀砂子の変色が惜しまれる。また、扁平な雲形が幾重にも重なることで画面空間に奥行きをもたらしており、遊楽の各場面は、屛風や幔幕をはじめ、樹木や土坡、雲によって区分され、明確な空間構成意識のもと配置されている。加えて、柔らかな屈折を見せる樹木や頭部手足の小さい長身の人物描写、画中の金屛風の構図は、狩野光信（一五六五～一六〇八）や狩野孝信（一五七一～一六一八）を中心とする慶長期後半の狩野派の様式を強く示している。 本作は、踊手の動的な描写や衣服の華やかさが慶長期風俗画の中でも有数のものである。狩野光信や孝信の様式が看取されることは重要で、狩野秀頼筆「観楓図」（国宝、東京国立博物館）や狩野長信筆「花下遊楽図」（国宝、東京国立博物館）とともに、近世初期風俗画を研究する上で欠かせない優品として高く評価することができる。
