国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
福岡県西新町遺跡出土品
ふりがな
:
ふくおかけんにししんまちいせきしゅつどひん
福岡県西新町遺跡出土品
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
古墳時代前期
年代
:
3~4世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
687
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2025.09.26(令和7.09.26)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
福岡県
所在地
:
福岡県小郡市三沢5208-3
保管施設の名称
:
九州歴史資料館
所有者名
:
福岡県
管理団体・管理責任者名
:
福岡県西新町遺跡出土品
解説文:
詳細解説
西新町遺跡は、博多湾に面した砂丘上に広がる集落遺跡である。遺跡の最盛期である古墳時代前期を中心とした一括で、とくに朝鮮半島に由来をもつ土器やガラス小玉および鋳型、貨泉などの朝鮮半島や中国大陸との交流を示す資料が注目される。
朝鮮半島系土器は、両耳付平底壺・蓋、二重口縁壺、平底鉢、平底多孔式の甑など多種多様で、朝鮮半島南西部、現在の全羅道地域由来の土器が多数を占める。なかでも平底鉢と甑は、竈調理に用いられるうつわの組み合わせであり、渡来人の居住や彼の地の炊飯形態の受容を明らかにする。土器が示す交流は日本列島各地にもおよぶ。畿内や山陰、瀬戸内地域、九州内の各地域からの土器や、これらを現地で模倣し作った土器は、技術の伝播だけではなく、人の往来や居住を考える上で示唆に富む。玉類の生産、飯蛸壺や石錘などの漁労具も豊富で、当地が対外交易ならびに列島内交易の一大拠点であったことをうかがわせるとともに、交易を支え、当地に暮らした人々の生業を鮮明に伝える。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
添付ファイル
なし
写真一覧
福岡県西新町遺跡出土品
生業関連資料_漁労活動
生業関連資料_玉製作
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福岡県西新町遺跡出土品
写真一覧
生業関連資料_漁労活動
写真一覧
生業関連資料_玉製作
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解説文
西新町遺跡は、博多湾に面した砂丘上に広がる集落遺跡である。遺跡の最盛期である古墳時代前期を中心とした一括で、とくに朝鮮半島に由来をもつ土器やガラス小玉および鋳型、貨泉などの朝鮮半島や中国大陸との交流を示す資料が注目される。 朝鮮半島系土器は、両耳付平底壺・蓋、二重口縁壺、平底鉢、平底多孔式の甑など多種多様で、朝鮮半島南西部、現在の全羅道地域由来の土器が多数を占める。なかでも平底鉢と甑は、竈調理に用いられるうつわの組み合わせであり、渡来人の居住や彼の地の炊飯形態の受容を明らかにする。土器が示す交流は日本列島各地にもおよぶ。畿内や山陰、瀬戸内地域、九州内の各地域からの土器や、これらを現地で模倣し作った土器は、技術の伝播だけではなく、人の往来や居住を考える上で示唆に富む。玉類の生産、飯蛸壺や石錘などの漁労具も豊富で、当地が対外交易ならびに列島内交易の一大拠点であったことをうかがわせるとともに、交易を支え、当地に暮らした人々の生業を鮮明に伝える。
詳細解説▶
詳細解説
福岡県福岡市に所在する、西新町遺跡は、博多湾に面した砂丘上に営まれた、弥生時代から古墳時代にかけての集落遺跡である。遺跡は、弥生時代終末期の土器型式「西新式」の標式遺跡として早くから知られていたが、発掘調査の進展に伴い、古墳時代初頭前後の土器に朝鮮半島系土器が含まれており、また、竈を付設する朝鮮半島特有の竪穴住居跡が確認されたことで、当時の交流の様子を示す遺跡として注目を集めるようになった。とくに竈を伴う竪穴住居跡は同時期の日本列島においては稀であり、その数も100棟を超えるなど、一遺跡に営まれた棟数としても特筆される。 本一括は、遺跡の最盛期である古墳時代前期を中心とした一括である。 本一括を特徴づけるのは、多種の朝鮮半島系土器である。瓦質・陶質・軟質土器からなり、格子目・縄目タタキに多重沈線の短頸壺、両耳付平底壺と蓋、二重口縁壺、平底鉢、平底多孔式の甑など、朝鮮半島西南部の全羅道地域に由来する土器の割合が高い点が特徴である。甑と平底鉢は半島由来の新たな調理形態の存在を示す土器であり、造付竈とともに当地での渡来人の居住や炊飯形態の受容を明らかにする。また、半島東南部に由来する土器もあり、朝鮮半島との交流の多様さをよく示している。 土師器は他地域からの搬入や当地での模倣を多く含む。畿内系、次いで山陰系土器が主体を占め、甕などの日常器種にくわえて畿内系では小型精製器種、山陰系では鼓形器台、甑形土器などの特徴的な器種がある。外来系土器の形態や製作技法を取り入れた模倣土器の存在は、文物の移動のみならず、技術の伝播や人の往来・居住を考える上で注目される。 この他、金属製品には、五銖銭や貨泉、銅鏡、銅鏃などの青銅製品や、鉄鏃、鉄斧・鉄鎌などの農工具類といった鉄製品が、土製品には飯蛸壺、製塩土器、鞴羽口、ガラス小玉や勾玉の鋳型、石製品には加工途中の勾玉や山陰産碧玉、石錘などがある。これらは当地での様々な手工業生産や海産物を扱った漁労民としての生業と交流の実態をよく示している。 本一括は、多数の朝鮮半島系土器や、ガラス小玉および鋳型、貨泉など、朝鮮半島や中国大陸との交流を示す遺物にくわえ、畿内・山陰・瀬戸内地域からの搬入土器や当地での模倣土器からなる。多系統の土器をはじめとする器物の移動とそれら模倣土器の存在は、盛んな人の往来を示し、本遺跡が対外交易ならびに列島内交易の一大拠点であったことをうかがわせる。「博多湾貿易」とも称される、当地を起点とした朝鮮半島との大規模な交易拠点の様相と、交易を支え、当地に暮らした人々の生業の実態をよく示しており、学術的価値が高い。
関連情報
一つ書
朝鮮半島系土器
土器・土製品
金属製品
ガラス小玉
石製品
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
朝鮮半島系土器
一つ書員数
:
32点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
土器・土製品
一つ書員数
:
163点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
金属製品
一つ書員数
:
34点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
ガラス小玉
一つ書員数
:
2点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
石製品
一つ書員数
:
40点
ト書
: