国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
宮崎県百足塚古墳出土埴輪
ふりがな
:
みやざきけんむかでづかこふんしゅつどはにわ
宮崎県百足塚古墳出土埴輪
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員数
:
一括
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
古墳時代後期
年代
:
6世紀
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
689
枝番
:
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2025.09.26(令和7.09.26)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
宮崎県
所在地
:
宮崎県児湯郡新富町大字上富田
6345番地5
保管施設の名称
:
新富町総合交流センター
所有者名
:
新富町
管理団体・管理責任者名
:
宮崎県百足塚古墳出土埴輪
解説文:
詳細解説
九州地域では他に比肩しうるものがない、種類豊富かつ残りのよい形象埴輪の一括資料である。
百足塚古墳は、史跡新田原古墳群の中の一基で、墳丘全長約82m、盾形の周溝と周堤を有する前方後円墳である。築造は、6世紀中頃、古墳時代後期の中頃と推定されている。
特に注目すべきは、両肩から脇にかけて帯を襷掛けし、右手で上衣の裾をたくし上げ、自らの性器を露わにする唯一無二の女性全身像である。儀礼の場で踊る所作を表しているとみれば、記紀神話に登場するアメノウズメを想起させ興味深い。鍔付き帽を被り、甲と籠手を身に着けた下げ美豆良の男性埴輪も貴重である。両手を地に着けて跪く所作をしており、誰かに何かを言上しているのであろうか。また、全国で四例のみの確認に留まる太鼓形埴輪も珍しく、曲線状の線刻文様や赤彩が施され、皮を留めた鋲も表現されている。ほかにも、止まり木が表現された鶏形埴輪、首輪をつけた犬形埴輪、居館や倉庫を表現した家形埴輪などバラエティに富む。形象埴輪の多くは、特定を組み合わせて置くことによって、古墳の被葬者が生前に行った儀式や儀礼の場面を再現しているとみられている。百足塚古墳の埴輪たちも、その登場人物や舞台装置のひとつと考えられよう。
なお、本埴輪の種類や組み合わせは、継体天皇陵と推定される大阪府今城塚古墳の埴輪群とよく似る。地理的に遠く離れた九州南部地域にも、大和王権の影響力が及んでいたことがみてとれる。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
添付ファイル
なし
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宮崎県百足塚古墳出土埴輪
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宮崎県百足塚古墳出土埴輪
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解説文
九州地域では他に比肩しうるものがない、種類豊富かつ残りのよい形象埴輪の一括資料である。 百足塚古墳は、史跡新田原古墳群の中の一基で、墳丘全長約82m、盾形の周溝と周堤を有する前方後円墳である。築造は、6世紀中頃、古墳時代後期の中頃と推定されている。 特に注目すべきは、両肩から脇にかけて帯を襷掛けし、右手で上衣の裾をたくし上げ、自らの性器を露わにする唯一無二の女性全身像である。儀礼の場で踊る所作を表しているとみれば、記紀神話に登場するアメノウズメを想起させ興味深い。鍔付き帽を被り、甲と籠手を身に着けた下げ美豆良の男性埴輪も貴重である。両手を地に着けて跪く所作をしており、誰かに何かを言上しているのであろうか。また、全国で四例のみの確認に留まる太鼓形埴輪も珍しく、曲線状の線刻文様や赤彩が施され、皮を留めた鋲も表現されている。ほかにも、止まり木が表現された鶏形埴輪、首輪をつけた犬形埴輪、居館や倉庫を表現した家形埴輪などバラエティに富む。形象埴輪の多くは、特定を組み合わせて置くことによって、古墳の被葬者が生前に行った儀式や儀礼の場面を再現しているとみられている。百足塚古墳の埴輪たちも、その登場人物や舞台装置のひとつと考えられよう。 なお、本埴輪の種類や組み合わせは、継体天皇陵と推定される大阪府今城塚古墳の埴輪群とよく似る。地理的に遠く離れた九州南部地域にも、大和王権の影響力が及んでいたことがみてとれる。
詳細解説▶
詳細解説
百足塚古墳は、宮崎県児湯郡新富町にあり、一ツ瀬川左岸の台地上から沖積平野にかけて所在する新田原古墳群の中の一基である。墳丘全長約82m、盾形の周溝と周堤を有し、横穴式石室を主体部とする二段築成の前方後円墳で、古墳時代後期中頃、6世紀中頃の築造と推定される。 本埴輪は、百足塚古墳から出土した形象埴輪、円筒埴輪などで構成される。 形象埴輪は、人物や動物、家形、各種の器財埴輪など多様な種類があり、遺存状態も良好である。なかでも注目される女性全身像の1点は、両肩から脇にかけて帯を襷掛けし、右手で上衣の裾をたくし上げ、自らの性器を露出する独特の表現がされる。踊る所作を表すとみられるが、他に例がない。人物埴輪は、他に鍔付き帽を被り甲と籠手を身に着けた男性跪坐像や、袈裟状衣を着用し器を捧げ持つ女性埴輪、盾持ち人埴輪などがあり、多様である。 動物埴輪のなかでは、鶏を表現するとみられる鳥形埴輪、および犬形埴輪の遺存状態が良く、特に鳥形埴輪の一点には羽を逆立てる表現があり珍しい。類例の限られる太鼓形埴輪も重要である。一部には赤彩が残り、下面や側面には曲線状の線刻文様が施され、側面には皮を留めた鋲の表現がある。この他、平屋の入母屋造建物、高床や掘立柱の寄棟造建物などを表現する家形埴輪など、みるべきものが多数存在する。 また、人物・動物埴輪、家形埴輪、太鼓形や甲冑形・柵形など器財埴輪の多くは墳丘西側の周堤上に配置されていたとみられる。これらの原位置は不明ながら、推定される配置位置やその種類は、継体天皇陵との説もある大阪府今城塚古墳の周堤に樹立された埴輪群と共通性を見出すことが可能である。今城塚古墳周堤上の形象埴輪配置は、関東・東北地方における埴輪樹立形態に顕著な影響を及ぼしたとする意見があり、大王権力の中心地と遠く離れた九州南部地域についても、同様の影響が認められることは興味深い。 以上本埴輪は、九州地域では他に比肩しうるものがない種類豊富かつ遺存状態良好な形象埴輪の一括資料である。また、古墳時代後期におけるヤマト王権と九州南部地域の政治的、文化的関係性をみるうえでも、学術的価値が高い。
関連情報
附指定
埴輪残欠
新田原六十二号墳出土埴輪
関連情報
一つ書
形象埴輪
円筒埴輪
関連情報
附指定
附名称
:
埴輪残欠
附員数
:
35点
附ト書
:
関連情報
附指定
附名称
:
新田原六十二号墳出土埴輪
附員数
:
8点
附ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
形象埴輪
一つ書員数
:
31点
ト書
:
関連情報
一つ書
一つ書主名称
:
円筒埴輪
一つ書員数
:
4点
ト書
: