国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(美術工芸品)
主情報
名称
:
方格規矩四神鏡/京都府大田南5号墳出土
ふりがな
:
ほうかくきくししんきょう/きょうとふおおだみなみごごうふんしゅつど
方格規矩四神鏡
写真一覧▶
地図表示▶
解説表示▶
員数
:
1面
種別
:
考古資料
国
:
日本
時代
:
古墳
年代
:
西暦
:
作者
:
寸法・重量
:
品質・形状
:
ト書
:
青龍三年の銘がある/京都府大田南五号墳出土
画賛・奥書・銘文等
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
指定番号(登録番号)
:
00510
枝番
:
00
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
1996.06.27(平成8.06.27)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
所在都道府県
:
京都府
所在地
:
宮津市字国分小字天王山611-1
保管施設の名称
:
京都府立丹後郷土資料館
所有者名
:
京丹後市
管理団体・管理責任者名
:
方格規矩四神鏡
解説文:
詳細解説
古墳時代前期の方墳から出土した、紀年銘鏡である。
本鏡は、第一主体部に納められた、凝灰岩製の組合式石棺の内部から出土した、方格規矩四神鏡である。
関連情報
(情報の有無)
附指定
一つ書
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
方格規矩四神鏡
写真一覧
方格規矩四神鏡
Loading
Zeom Level
Zoom Mode
解説文
古墳時代前期の方墳から出土した、紀年銘鏡である。 本鏡は、第一主体部に納められた、凝灰岩製の組合式石棺の内部から出土した、方格規矩四神鏡である。
詳細解説▶
詳細解説
古墳時代前期の方墳から出土した、紀年銘鏡である。 古墳は、京都府竹野郡弥栄町字和田野小字大田と、中郡峰山町字矢田小字坂尾にまたがって所在する。土砂採取工事に先立ち、平成五年に発掘調査が実施された。墳丘の規模は長辺一八・八メートル、短辺一二・三メートル、高〇・九メートルで、四箇所の埋葬主体部があった。 本鏡は、そのうち規模の最も大きい第一主体部に納められた、凝灰岩【ぎようかいがん】製の組合式石棺【くみあわせしきせきかん】の内部から出土した、方格規矩四神鏡である。鈕【ちゆう】は扁平で、長方形の鈕孔【ちゆうこう】を、中央方格【ほうかく】と対角方向に開ける。方格内には、右回りに十二支の文字を環状乳【かんじようにゆう】と交互に配する。内区には、各辺の向かって左側に玄武【げんぶ】・青竜【せいりゆう】・朱雀【すざく】・白虎【びやつこ】の四神像【ししんぞう】を配置し、それぞれの右側にそれと対になるように、動物に乗る人物・動物・左手を挙げる人物・鳥を描く。各像の間に配したT・L・V字形の内、L字は逆に折れ、V字は角度が直角にならず鋭角になるなど割付に乱れが見られる。方格文とT・L・V字文の内部には、工具で削られた跡が線状に残る。 銘帯には、左手をあげる人物像のあたりから右回りに「青龍三年顔氏作竟成文章左龍右虎辟不詳朱爵玄武順陰陽八子九孫治中央壽如金石宜侯王・」(青龍三年、顔氏が鏡を作った。文様を入れるに当たっては、左に龍を置き、右に虎を置いて不詳を避け、朱雀も玄武も陰陽に従って正しく配置した。八子と九孫がすべて中央の官職に就き、壽齢は金石の堅きが如く長生きし、侯王となるにふさわしい」)の三九文字を入れている。外区は、珠点【しゆてん】をもつ複線波文帯を挾んで両側に凸線鋸歯文帯が回り、外周突線はない。外区の一部に布片が付着する。鏡面は、ほぼ全面が緑錆で覆われている。なお、東京国立文化財研究所が行った鉛同位体比による分析では、本鏡に含まれる鉛は、中国華南産のものであると推定されている。 本鏡は、棺内の北西隅で鏡面を上にして出土した。鏡背の布の付着と鏡下の黒色腐食物の残存状況から、鏡は当初布で巻かれ、木箱に納められて被葬者の頭部右側に置かれていたものと考えられる。 「青龍三(二三五)年」は魏【ぎ】の年号で、本鏡は日本出土の紀年銘鏡のうち、最古のものである。日本で出土した紀年銘鏡は、他に一〇面が知られ、本鏡出土以前に最古とされていたのは、山梨県鳥居原古墳出土の呉の鏡「赤烏【せきう】元(二三八)年」鏡で、魏の鏡では「景初【けいしよ】三年」銘のある、大阪府和泉黄金塚古墳と島根県神原神社古墳出土鏡であった。また、日本出土の紀年銘資料としても、東大寺山古墳から出土した「中平【ちゆうへい】」銘(中国後漢 西暦一八四-一八九年)の環頭大刀【かんとうたち】に次ぐ、二番目に古いものである。 この鏡にある「青龍三年」は、卑弥呼【ひみこ】が魏に使者を送った景初三(二三九)年の四年前に当たるため、卑弥呼が魏の皇帝から下賜された一〇〇枚の銅鏡との関連をめぐり、邪馬台国【やまたいこく】の所在論争とも絡んで論議されており、その点からも貴重な資料である。 なお、伴出した鉄刀【てつとう】一口と、古墳の年代を決める資料としての土師器【はじき】類一六箇分も、附として共に保存を図りたい。
関連情報
附指定
鉄刀
土師器残欠
関連情報
附指定
附名称
:
鉄刀
附員数
:
一口
附ト書
:
関連情報
附指定
附名称
:
土師器残欠
附員数
:
十六箇分
附ト書
: