国宝・重要文化財(美術工芸品)
 主情報
名称 足利尊氏自筆願文〈建武三年八月十七日/清水寺宛〉
ふりがな あしかがたかうじじひつがんもん
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員数 1幅
種別 古文書
日本
時代 南北朝
年代 1336
西暦 1336
作者 足利尊氏
寸法・重量
品質・形状
ト書
画賛・奥書・銘文等
伝来・その他参考となるべき事項
指定番号(登録番号) 00089
枝番 00
国宝・重文区分 重要文化財
重文指定年月日 1984.06.06(昭和59.06.06)
国宝指定年月日
追加年月日
所在都道府県 東京都
所在地 東京国立博物館 台東区上野公園13-9
保管施設の名称 東京国立博物館
所有者名 公益財団法人常盤山文庫
管理団体・管理責任者名

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解説文:
 建武三年(一三三六)八月十七日に足利尊氏が自筆をもって清水寺へ奉納した願文で、楮紙に全文十一行の仮名交じり文で書かれている。その内容は、尊氏に仏の加護を賜わり、後生の安穏を願うとともに、今生の果報を弟直義に与えられんことを祈願したものである。
 発願の契機は明らかでないが、尊氏はこの年の五月二十六日に、湊川合戦で楠木正成を敗死させ、六月十四日に光厳上皇、豊仁親王を奉じて入京し、八月十五日には豊仁親王の践祚【せんそ】(光明天皇)をみており、このような時期に尊氏がこの願文を納めたことは注目される。当時政治の中枢にあった尊氏が権力に対してあまり執着を示さず、前年の十二月にも鎌倉の浄光明寺に蟄居して、出家しようとしたことは『梅松論』などに見えている。室町幕府草創期の政治が尊氏と直義の両頭政治であったことはよく知られているが、この願文の作成された建武三年後半を境として、貞和末年に至る間、恩賞給付の最終的承認権以外の一切の権限を、直義が行使したこともまた事実である。
 この願文は、尊氏が直義に政務の実権を移譲しようとした心情を伝える自筆文書として重要である。
関連情報
    (情報の有無)
  附指定 なし
  一つ書 なし
  添付ファイル なし