国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
登録美術品
主情報
名称
:
谷家能楽資料
ふりがな
:
たにけのうがくしりょう
谷家能楽資料のうち紅紫段応龍波丸模様厚板
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員数
:
101点
種別
:
複合資料
国
:
日本
時代
:
室町時代~昭和時代
制作時期
:
室町時代~昭和時代
西暦
:
15世紀~20世紀前半
作者
:
寸法・重量
:
伝来・その他参考となるべき事項
:
登録番号
:
066
重文指定年月日
:
国宝指定年月日
:
所在都道府県
:
福岡県
所在地
:
福岡県太宰府市石坂4-7-2
公開契約館の名称
:
独立行政法人国立文化財機構 九州国立博物館
所有者名
:
谷家能楽資料のうち紅紫段応龍波丸模様厚板
解説文:
詳細解説
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
谷家能楽資料のうち紅紫段応龍波丸模様厚板
谷家能楽資料のうち六十三(熊坂)
谷家能楽資料のうち小面
谷家能楽資料のうち俊寛
谷家能楽資料のうち浅葱地桐蝶模様長絹
谷家能楽資料のうち紺地唐扇雲模様側次
谷家能楽資料のうち紅地檜垣花丸模様縫箔
谷家能楽資料のうち龍虎梅竹蒔絵小鼓胴
谷家能楽資料のうち能管
谷家能楽資料のうち山姥
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谷家能楽資料のうち紅紫段応龍波丸模様厚板
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谷家能楽資料のうち六十三(熊坂)
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谷家能楽資料のうち小面
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谷家能楽資料のうち俊寛
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谷家能楽資料のうち浅葱地桐蝶模様長絹
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谷家能楽資料のうち龍虎梅竹蒔絵小鼓胴
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谷家能楽資料のうち能管
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谷家能楽資料のうち山姥
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詳細解説
「谷家能楽資料」は江戸時代末期に日向国(ひゅうがのくに)延岡藩の豪商となり,近代には宮崎県下屈指の大地主となった谷家(屋号「藤屋」)に伝来した資料で,能面19面,能装束80点,楽器2点からなる。 同家は幕末以降,山海産物を中心に廻船によって上方との交易を積極的に行い,財政基盤を築いた。また,関西の能の名家とも親交があり,谷家の分家筋には能楽師も輩出している。能の名家との親交が本資料の伝来の背景である。 能面は,中世まで遡る1面と,江戸時代の15面,近代の3面からなる。 本資料中最も古い「山姥(やまんば)」は,室町時代まで遡る可能性のある優品として注目される。角を植えていた痕跡があり,もとは鬼面であった可能性のある能面である。 江戸時代の作品は,一定の水準を示す作品で構成される。「小面(こおもて)」・「喝食(かっしき)」・「平太(へいた)」の裏面には作者を示す焼き印があり,いずれも印どおりの作者による佳作である。「六十三(ろくじゅうさん)(熊坂(くまさか))」も優れた作品である。 近代の作品は,近代能面作家として著名な中村直彦や,幕末・明治期の彫刻家で宝生(ほうしょう)流の能面作家 矢野啓通(たかみち)の作品からなる。 また,附属する箱や面袋等には作者や伝来を示す墨書等があり,資料的価値が認められる。 能装束は,江戸時代後期から昭和初期にかけて制作されたもので,唐織(からおり)・縫箔(ぬいはく)・摺箔(すりはく)・厚板(あついた)・熨斗目(のしめ)・着付けの小袖もの・狩衣(かりぎぬ)・法被(はっぴ)・側次(そばつぎ)・長絹(ちょうけん)の広袖もの・大口(おおぐち)・半切(はんぎり)の袴類と主立った能装束をそろえる。ほかに,腰帯・鬘(かずら)帯の帯類,かぶり物の角帽子(すみぼうし),数珠を含む。全体に偏りなく様々な役柄に対応できるように整えられている。 能装束の一括資料は,大名家や能楽宗家,寺社に伝来しているが,町方に伝来するものについては江戸時代のものは希少性が高く,近代のものに限られることが多い。江戸時代の作品だけでなく,近代の作品についても実態を把握することは既に難しくなりつつあり,このように体系的かつ保存状態も良好な資料は貴重である。 楽器は,小鼓胴(こつづみどう)と能管(のうかん)の2点からなる。龍虎梅竹蒔絵小鼓胴(りゅうこうめたけまきえこつづみどう)は,金銀高蒔絵(たかまきえ)に切金(きりかね)で龍・虎・笹・梅樹等を表した江戸時代の佳作で,皮や蒔絵箱を備える。また,能管は20世紀の作ではあるが,瀟洒な蒔絵を施した笛筒も具備し,能の道具立てとして貴重である。 以上の谷家能楽資料は,主に江戸時代から昭和初期にかけてのまとまった能楽資料として貴重であるだけでなく,地方の商家における近代以降の能楽の受容を知る資料として重要な資料群である。