国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
主情報
名称
:
浄真寺の二十五菩薩練供養
ふりがな
:
じょうしんじのにじゅうごぼさつねりくよう
来迎:上品堂から本堂へ
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種別1
:
民俗芸能
種別2
:
渡来芸・舞台芸
その他参考となるべき事項
:
公開日:3年ごとの8月16日(選択当時・お出掛けの際は該当する市町村教育委員会などにご確認ください)
選択番号
:
選択年月日
:
2015.03.02(平成27.03.02)
追加年月日
:
選択基準1
:
(二)芸能の変遷の過程を示すもの
選択基準2
:
(三)地域的特色を示すもの
選択基準3
:
所在都道府県、地域
:
東京都
所在地
:
保護団体名
:
浄真寺二十五菩薩来迎会保存会
来迎:上品堂から本堂へ
解説文:
詳細解説
浄真寺の二十五菩薩練供養は、仏菩薩【ぶつぼさつ】の面をかぶって練り歩き、仏菩薩が来迎【らいごう】する様子を現す民俗芸能で、3年毎に浄真寺で行われている。同類の当麻寺【たいまでら】二十五菩薩来迎会【らいごうえ】に代表される中将姫【ちゅうじょうひめ】の木像が登場するものとは異なるもので、関東唯一の事例であり、来迎【らいごう】、往相【おうそう】のほか還相【げんそう】が行われるという特徴を有しているなど、地域的特色が顕著であり,芸能の変遷の過程を示していて貴重である。
本件は、東京都世田谷区奥沢の浄真寺で行われる二十五菩薩練供養で、二十五菩薩来迎会【らいこうえ】、またはお面【めん】かぶりとも呼ばれる。念仏行者の臨終に阿弥陀如来が菩薩を従えて西方【さいほう】浄土から来迎【らいごう】する様子を演じるものである。
西向きの本堂から正面の上品堂【じょうぼんどう】へ臨時に橋を架け、上品堂から本堂に仏菩薩が練り歩く来迎、仏菩薩が開山【かいざん】珂碩上人【かせきしょうにん】の木像【もくぞう】を連れ帰る往相、往生【おうじょう】した木像の上人が衆生【しゅじょう】を救うために再びこの世に戻る還相が行われる。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)
関連情報
(情報の有無)
添付ファイル
なし
写真一覧
来迎:上品堂から本堂へ
往相:本堂から上品堂へ
写真一覧
来迎:上品堂から本堂へ
写真一覧
往相:本堂から上品堂へ
解説文
浄真寺の二十五菩薩練供養は、仏菩薩【ぶつぼさつ】の面をかぶって練り歩き、仏菩薩が来迎【らいごう】する様子を現す民俗芸能で、3年毎に浄真寺で行われている。同類の当麻寺【たいまでら】二十五菩薩来迎会【らいごうえ】に代表される中将姫【ちゅうじょうひめ】の木像が登場するものとは異なるもので、関東唯一の事例であり、来迎【らいごう】、往相【おうそう】のほか還相【げんそう】が行われるという特徴を有しているなど、地域的特色が顕著であり,芸能の変遷の過程を示していて貴重である。 本件は、東京都世田谷区奥沢の浄真寺で行われる二十五菩薩練供養で、二十五菩薩来迎会【らいこうえ】、またはお面【めん】かぶりとも呼ばれる。念仏行者の臨終に阿弥陀如来が菩薩を従えて西方【さいほう】浄土から来迎【らいごう】する様子を演じるものである。 西向きの本堂から正面の上品堂【じょうぼんどう】へ臨時に橋を架け、上品堂から本堂に仏菩薩が練り歩く来迎、仏菩薩が開山【かいざん】珂碩上人【かせきしょうにん】の木像【もくぞう】を連れ帰る往相、往生【おうじょう】した木像の上人が衆生【しゅじょう】を救うために再びこの世に戻る還相が行われる。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)
詳細解説▶
詳細解説
浄真寺の二十五菩薩練供養は、東京都世田谷区奥沢の浄真寺に伝承されるもので、「二十五菩薩来迎会(らいこうえ)」または「お面(めん)かぶり」と呼ばれている。 浄真寺は、通称九品仏(くほんぶつ)浄真寺または単に九品仏といわれる浄土宗の寺院で、多摩川に近い武蔵野台地にある。堂宇(どうう)の配置は、釈迦如来を安置する本堂が西向きに建てられ、それに対面して東向きに三仏堂(さんぶつどう)と呼ばれる三棟の堂が建てられている。本堂の正面が上品堂(じょうぼんどう)、北隣が中品堂(ちゅうぼんどう)、南隣が下品堂(げぼんどう)で、上品堂には上品(じょうぼん)上生(じょうしょう)、上品中生(ちゅうしょう)、上品下生(げしょう)の三体の阿弥陀如来が、中品堂には中品上生、中品中生、中品下生の三体、下品堂には下品上生、下品中生、下品下生の三体が安置されている。 本件は、念仏行者の臨終に阿弥陀如来が菩薩を従えて西方浄土から来迎する様子を演じるもので、仏菩薩の面をかぶった者が練り歩く。浄真寺では三年に一度の8月16日に行われており、直近では平成26年に行われた。 練供養は、本堂を此岸(しがん)、上品堂を彼岸(ひがん)に見立て、その間に臨時に架けられた橋で行われる。はじめに上品堂から本堂へ仏菩薩が渡る来迎、次いで仏菩薩が当寺の開山である珂碩(かせき)上人(しょうにん)の木像を連れて本堂から上品堂へ帰る往相(おうそう)、さらに往生した珂碩上人が衆生を救済するために上品堂から本堂へ戻ってくる還相(げんそう)と、三回の行道(ぎょうどう)がある。来迎では、芝(しば)増上寺(ぞうじょうじ)の楽人(がくじん)が先頭で楽を奏し、住職らの念仏が唱えられるなか仏菩薩に扮した者が続く。仏菩薩の面は木製で、顔面部と後頭部を合わせて頭にかぶる形で、視界が悪いために付き添いが各仏菩薩に1人ずつ付いて手を引く。各仏菩薩はそれぞれゆかりの印を結んだり、幡や楽器などの持ち物を手にして歩き、特段の所作はない。往相では、振ると花吹雪などが散る造花で飾られた纏型(まといがた)の振籠(ふりかご)を先頭に、楽人、仏菩薩と続き、輿に乗った珂碩上人の木像、稚児、当寺の住職らが橋を進む。還相では、仏菩薩以外の人々が橋を渡って三仏堂から本堂へ戻り、最後に珂碩上人、当寺の住職が本堂へ入り、練供養が終了する。 (※解説は選択当時のものをもとにしています)