国指定文化財等
データベース
・・・国宝、重要文化財
史跡名勝天然記念物
主情報
名称
:
犬吠埼の白亜紀
浅海堆積物
ふりがな
:
いぬぼうさきのはくあきせんかいたいせきぶつ
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
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種別1
:
天然記念物
種別2
:
時代
:
年代
:
西暦
:
面積
:
その他参考となるべき事項
:
告示番号
:
特別区分
:
指定年月日
:
2002.03.19(平成14.03.19)
特別指定年月日
:
追加年月日
:
指定基準
:
(一)岩石、鉱物及び化石の産出状態,(二)地層の整合及び不整合,(四)生物の働きによる地質現象
所在都道府県
:
千葉県
所在地(市区町村)
:
銚子市犬吠埼
保管施設の名称
:
所有者種別
:
所有者名
:
管理団体・管理責任者名
:
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
解説文:
詳細解説
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
写真一覧
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
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犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
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詳細解説
白亜紀の地層は,関東地方より西では連続的に分布している。銚子地域の白亜紀の地層はこの連続的分布の東のはずれにあり,我が国の地史を考える上で重要な位置を占めている。また,この地域の白亜紀層中には,堆積構造や化石など当時の浅い海で堆積した証拠が豊富であり,浅い海に堆積した地層の典型としても貴重である。千葉県(房総半島)を構成する地層は大部分が新第三紀(およそ2500万年前)以降の新しい時代の比較的柔らかな地層であるが,銚子地域には,千葉県としては異色の古く堅い地層が露出している。銚子が浸食されずに残ったのもこの地層が露出していたおかげである。 銚子半島東部には白亜紀(1億4,000万年前~6,500万年前)の銚子層群と呼ばれる地層が分布している。銚子層群は礫岩,砂岩,砂岩・泥岩互層などの堆積物からなり,浅海性の軟体動物化石やアンモナイトなどを産出する。銚子層群は,下位より海鹿島層,君ヶ浜層,犬吠埼層,酉明浦層,長崎鼻層で構成される。これらの地層は,沖合から浜辺にかけての浅い海で,嵐の影響を強く受けて形成されたと考えられている。 犬吠埼灯台周辺には,犬吠埼層(約1.19~1.13億年前)が分布している。犬吠埼層は細粒-中粒砂岩ならびに細粒-中粒砂岩・泥岩互層で主に構成される。砂岩には,平行層理のほか,ハンモック状斜交層理など,嵐の堆積物に特徴的な堆積構造が発達している。さらに,これらの堆積構造に伴って,浅い海での波でつくられたウェーブリップル葉理,浅い海の流れでつくられたカレントリップル葉理,などの堆積構造がみられる。また,砂岩には,浅い海の堆積物に特徴的な生物の痕跡の化石であるマカロニクナス(Macar onichunus)が認められる。砂岩と互層する泥岩は一般に砂質で,当時の海底に棲んでいた生物による擾乱が著しい。砂岩の多くは上に凸のレンズ状形態の断面型を示す。犬吠埼灯台周辺の海岸では,犬吠埼層の地層が様々な方向から観察でき,沖合から浜辺にかけての堆積環境で発達した嵐の堆積物と浅い海での様々な堆積物の特徴を詳細に観察することができる。 こうした地層は,白亜紀における浅い海の堆積物の典型として,さらには私たちが毎年経験する台風などの嵐に伴って,海底でどのような自然の営みが発生しているのかを理解する上でも大変重要である。天然記念物に指定し,長く保存を図ろうとするものである。 白亜紀の地層は,関東地方より西では連続的に分布している。銚子地域の白亜紀の地層はこの連続的分布の東のはずれにあり,我が国の地史を考える上で重要な位置を占めている。また,この地域の白亜紀層中には,堆積構造や化石など当時の浅い海で堆積した証拠が豊富であり,浅い海に堆積した地層の標識的な場所としても貴重である。千葉県(房総半島)を構成する地層は大部分が新第三紀以降の新しい時代の比較的柔らかな地層であるが,銚子地域には,千葉県としては異色の古く堅い地層が露出している。銚子が浸食されずに残ったのもこの地層が露出していたおかげである。 銚子半島東部には下部白亜系の銚子層群と呼ばれる地層が分布している.銚子層群は礫岩,砂岩,砂岩・泥岩互層などの堆積物からなり,浅海性の軟体動物化石やアンモナイトなどを産出する.銚子層群は,下位より海鹿島層,君ヶ浜層,犬吠埼層,酉明浦層,長崎鼻層で構成される.これらの地層は,外浜から沖浜にかけての浅海域で,ストームの影響を強く受けて形成されたと考えられている. 犬吠埼灯台周辺には,アプチアン統(約1.19―1.13億年前)の犬吠埼層が分布している.犬吠埼層は細粒-中粒砂岩ならびに細粒-中粒砂岩・泥岩互層で主に構成される.砂岩には,平行層理のほか,ハンモック状斜交層理やスウェール状斜交層理など,ストーム堆積物に特徴的な堆積構造が発達している.さらに,これらの堆積構造に伴って,ウェーブリップル葉理,カレントリップル葉理,ならびにトラフ型斜交層理なども発達する.また,砂岩には,外浜堆積物に特徴的な 生痕化石であるMacaronichunus (マカロニクナス)が認められる.砂岩と互層する泥岩は一般に砂質で,生物擾乱が著しいが,一部に平行葉理やリップル葉理が認められる.砂岩の多くは上に凸のレンズ状形態を特徴的に示す.犬吠埼灯台周辺の露頭では,犬吠埼層を構成する砂岩の堆積構造や外部形態が3次元的な断面で観察されるため,外浜から沖浜にかけての堆積環境で発達したストーム堆積物の内部・外部形態や堆積相の特徴を詳細に観察することができる.従って,こうした露頭は,私たちが毎年経験する台風などのストームに伴って,海底でどのような自然の営みが発生しているのかを理解する上でも大変重要である。天然記念物に指定し,長く保存を図ろうとするものである。