国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財(建造物)
各棟情報
名称
:
高梁川東西用水取配水施設
ふりがな
:
たかはしがわとうざいようすいしゅはいすいしせつ
棟名
:
酒津取水樋門
棟名ふりがな
:
さかづしゅすいひもん
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員数
:
1基
種別
:
近代/産業・交通・土木
時代
:
大正
年代
:
大正9
西暦
:
1920
構造及び形式等
:
鉄筋コンクリート造樋門、延長22.1m
創建及び沿革
:
棟礼、墨書、その他参考となるべき事項
:
指定番号
:
02650
国宝・重文区分
:
重要文化財
重文指定年月日
:
2016.07.25(平成28.07.25)
国宝指定年月日
:
追加年月日
:
重文指定基準1
:
(三)歴史的価値の高いもの
重文指定基準2
:
所在都道府県
:
岡山県
所在地
:
岡山県倉敷市酒津2826番地
保管施設の名称
:
所有者名
:
高梁川東西用水組合
所有者種別
:
その他
管理団体・管理責任者名
:
解説文:
詳細解説
高梁川東西用水取配水施設は,高梁川の下流に位置する農業用水施設である。治水を目的とした高梁川改修工事の一環として実施され,樋門は内務省大阪土木出張所の設計により大正13年に,事務所は同15年に竣工した。樋門はいずれも鉄筋コンクリート造で,酒津取水樋門は表面全体に花崗岩の切石を積む荘重な外観とし,南配水樋門は15連からなる大規模な構造物である。
高梁川東西用水取配水施設は,近世以来の小規模な取水施設を統合して,合理化と大規模化が図られた近代農業用水施設のうち,大正期における最大規模のものとして重要である。また大正期に全国的に導入が進められた鉄筋コンクリート造樋門の現存例としても貴重で,農業土木技術史上,価値が高い。
関連情報
(情報の有無)
附指定
添付ファイル
なし
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解説文
高梁川東西用水取配水施設は,高梁川の下流に位置する農業用水施設である。治水を目的とした高梁川改修工事の一環として実施され,樋門は内務省大阪土木出張所の設計により大正13年に,事務所は同15年に竣工した。樋門はいずれも鉄筋コンクリート造で,酒津取水樋門は表面全体に花崗岩の切石を積む荘重な外観とし,南配水樋門は15連からなる大規模な構造物である。 高梁川東西用水取配水施設は,近世以来の小規模な取水施設を統合して,合理化と大規模化が図られた近代農業用水施設のうち,大正期における最大規模のものとして重要である。また大正期に全国的に導入が進められた鉄筋コンクリート造樋門の現存例としても貴重で,農業土木技術史上,価値が高い。
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詳細解説
高梁川東西用水取配水施設 三基、一棟 酒津取水樋門、南配水樋門、北配水樋門、事務所 岡山県倉敷市 高梁川東西用水組合 高梁川東西用水取配水施設は、高梁川の下流に位置する農業用水施設である。この施設は、高梁川に点在していた旧来の取水施設を統合して、旧東高梁川の河川敷に築かれたもので、高梁川に面する酒津取水樋門から配水池内に引き入れた水を、配水池の南北に位置する配水樋門から、倉敷市内の複数の用水路へ配水している。工事は、高梁川の治水を目的として明治四〇年から内務省直轄事業として行われた高梁川改修工事の付帯工事として実施され、樋門は内務省大阪土木出張所の計画・設計に基づき大正一三年に竣工、事務所は岡山県の設計により大正一五年に竣工した。建設後、門扉の改修、配水樋門天端の通路部分の改修等が行われているが、全体として旧態を良好に保持している。 酒津取水樋門は、高梁川左岸に築かれた、正面二二・一メートル、背面一七・四メートル、通水部延長五三・〇メートルの規模を有する鉄筋コンクリート造樋門である。通水部は門形で七連からなり、躯体の表面全体に花崗岩切石を精緻に積み上げる。川側には、コンクリート造の溺堤を設け、樋門内への砂礫の進入を防ぐ。 南配水樋門は、倉敷用水、備前樋用水、南部用水、西部用水及び西岸用水への配水量を調節する、正面四八・三メートル、通水部延長四・二メートルの一五連からなる大規模な鉄筋コンクリート造樋門である。北配水樋門は、八ヶ郷用水への配水量を調節する、正面一八・一メートル、通水部延長三・四〇メートルの六連からなる鉄筋コンクリート造樋門である。いずれも、水切り、天端隅部等に花崗岩の切石を用い、背面は各通水部にアーチ形を施して外観を整える。 事務所は、木造二階建、桁行一八・二メートル、梁間七・三メートルで、寄棟造、桟瓦葺とし、正面中央に玄関ポーチ、背面中央に階段室を張り出す。外観は左右対称で壁面をモルタル塗仕上とし、正面中央に切妻の飾破風を設け、左右に上下窓を配し、屋根にドーマー窓を正面側に二所据える。一階内部は、中央の玄関広間の左右に事務室と会議室を配し、二階は会議室一室とする。 文庫は、昭和三年に記録文書や貴重品を納めるために、事務所の東南に建てられた鉄筋コンクリート造、平屋建、陸屋根の倉庫である。 高梁川東西用水取配水施設は、近世以来の小規模な取水施設を統合して、施設の大規模化と水利用の合理化が図られた近代農業用水施設のうち、大正期における最大規模のものとして重要である。また、大正期に全国的に導入が図られた鉄筋コンクリート造樋門の現存例としても貴重で、農業土木技術史上価値が高く、土地とあわせて保存を図る。 【参考文献】 『岡山県近代化遺産(建造物等)総合調査報告書』(岡山県教育委員会 二〇〇五年)
関連情報
附指定
用水工事竣功記念碑
関連情報
附指定
附名称
:
用水工事竣功記念碑
附員数
:
一基