国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
国宝・重要文化財（美術工芸品）
主情報
名称
：
紙本著色布晒舞図〈英一蝶筆〉
ふりがな
：
しほんちゃくしょくぬのさらしまいず
紙本著色布晒舞図〈英一蝶筆〉
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員数
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1幅
種別
：
絵画
国
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日本
時代
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江戸
年代
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西暦
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作者
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英一蝶
寸法・重量
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品質・形状
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ト書
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画賛・奥書・銘文等
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伝来・その他参考となるべき事項
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指定番号（登録番号）
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2027
枝番
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国宝・重文区分
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重要文化財
重文指定年月日
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2008.07.10(平成20.07.10)
国宝指定年月日
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追加年月日
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所在都道府県
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埼玉県
所在地
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埼玉県比企郡川島町大字白井沼675
保管施設の名称
：
公益財団法人遠山記念館
所有者名
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公益財団法人遠山記念館
管理団体・管理責任者名
：
紙本著色布晒舞図〈英一蝶筆〉
解説文：
詳細解説
英一蝶（１６５２～１７２４）は市井のありふれた庶民の都会風俗、健全明朗な生活を、親しみやすいが洗練された絵画表現に高めて表した点で近世絵画史上に重要な画家。本作品は若衆歌舞伎の役者と思われる舞手が、布を晒す仕草や波の様を布を用いて表したさらしの舞を披露する様子を描く。小画面に一蝶の人物表現の優れた特質を凝縮した作品。画面左上に藤牛麻呂の款記がある。
関連情報
(情報の有無)
附指定
なし
一つ書
なし
添付ファイル
なし
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紙本著色布晒舞図〈英一蝶筆〉
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紙本著色布晒舞図〈英一蝶筆〉
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解説文
英一蝶（１６５２～１７２４）は市井のありふれた庶民の都会風俗、健全明朗な生活を、親しみやすいが洗練された絵画表現に高めて表した点で近世絵画史上に重要な画家。本作品は若衆歌舞伎の役者と思われる舞手が、布を晒す仕草や波の様を布を用いて表したさらしの舞を披露する様子を描く。小画面に一蝶の人物表現の優れた特質を凝縮した作品。画面左上に藤牛麻呂の款記がある。
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詳細解説
英一蝶（一六五二～一七二四）は、狩野安信（一六一三～八五）に師事して優れた画技を身につけ、その後に狩野派を離れ、自由な立場で新興の大都市江戸の市民生活を溌刺と描き出す風俗画を制作した。本図はいかにも小品であるが、無背景の簡潔な図様の中に、明るい都会的洗練と詩情を湛えた風俗画の分野を切り開いた一蝶画の特質がよくあらわれた代表作である。本図の舞手は、額まで覆う頭巾を被っていることから月代を隠していると考えられる。舞手は白く長い布を頭上に翻しつつ舞っている。川で布を哂す仕草や波のさまをあらわしたさらしの舞は、女方の元祖といわれ、歌舞伎史上に重要な役者右近源左衛門（生没年不詳、一六五九～七二の間江戸で興行）が始めたとの伝承をもつ小舞十六番（しつけ小舞ともいう）の一つとされる。一蝶が三宅島に配流となった翌年の元禄十二年（一六九九）の役者評判記『口三味線返答役者舌鞁』に掲載される山本右近は右近源左衛門の子どもとする説があるが、同書には「此君御きりやうよく、お姫役の外やつしもならず」と評され、記載の末尾に「是は所作事の家にてわけてさらしの名人なり」とある。本図に描かれた布は非常に長いにもかかわらず、地につくことなく翻っており、布を操る舞手の表情は冷静であるが、その目は極度の緊張をうかがわせる。足は相当な速度で動いていると思われるが、小袖の裾は乱れておらず、いかにも名人の舞を思わせる。本図は、さらしの舞を描いた、舞踏史上貴重な史料ともいえる。 人物描写をみると、囃子方と舞手とで、顔貌表現もさりながら、用いられた輪郭線の線質が異なっている。囃子方の輪郭線が太めでゆったりと引かれるのに対し、舞手の輪郭線は細く鋭い。また、小袖の翻る袖と膝、裾に曲線がいくつも繰り返されており、白い布の描く流麗な曲線がこれに呼応している。こうした線描の美しさ、形態の組み合わせに対する感覚は非常に洗練されており、一蝶の並外れた資質を示している。 一蝶には優れた小品画がかなり遺存しているが、本図ほど緻密な描写のものは珍しい。制作年の判明する作品が非常に少ないため、制作時期の確定は難しいが、生き生きした人物表現に四季日待図（重要文化財、出光美術館）との共通性が認められる。牛麻呂という自嘲的な款記からも、制作は元禄十一年（一六九八）から宝永六年（一七〇九）にわたる三宅島に配流となった一一年間と考えられている。また、元禄十六年（一七〇三）以前の制作であることが判明し、作風がややおとなしい吉原風俗図巻（サントリー美術館）よりも早い時期の作と考えられる。
