国指定文化財等
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・・・国宝、重要文化財
登録記念物
主情報
名称
:
穂積橋
ふりがな
:
ほづみばし
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種別1
:
登録記念物(遺跡関係)
種別2
:
時代
:
江戸~昭和
年代
:
西暦
:
面積
:
113.6 m
2
その他参考となるべき事項
:
登録番号
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登録年月日
:
2018.02.13(平成30.02.13)
追加年月日
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登録基準
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所在都道府県
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愛媛県
所在地(市区町村)
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愛媛県宇和島市
保管施設の名称
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所有者種別
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所有者名
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管理団体・管理責任者名
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解説文:
詳細解説
穂積陳(のぶ)重(しげ)(安政2年〈1855〉-大正15年〈1926〉)は宇和島藩士穂積重樹(しげき)の次男として生まれた。日本初の法学博士,民法・戸籍法の編纂に尽力した。晩年には枢密院議長を務め,男爵となった。郷土愛も強く,宇和島市政や教育にも寄与,郷党(ごうとう)の敬慕の的であった。著書に『隠居論』『法窓夜話』『法律進化論』などがあり,「法学の祖」「民法の父」と言われた。宇和島市民は氏の功績を記念すべく,銅像の建立を申し出るが,「老生(ろうせい)は銅像にて同郷(どうきょう)萬人(ばんにん)に仰(あお)ぎ視(み)らるゝよりは 橋となって公衆に履(ふ)んで渡(わた)らるゝを以て無上の光栄とす」と固辞。氏の没後,木橋であった二級河川辰(たつ)野川(のがわ)の本開(ほんかい)橋(ばし)の架け替えの際,県の許可を得て,市が「穂積橋」と命名したものである。欄干親柱(おやばしら)の名称板に「穂積橋」,「ほつみはし」とあり,また「昭和五年二月架設」とある。現在の穂積橋はRC桁橋で,長さ9.1m,総幅員7.9m,欄干の高さ0.9mを測る。
その北東に隣接する小公園は,市民有志から寄贈を受けた石碑の設置場所として,平成4年に宇和島市が開設したものである。穂積橋と小公園を登録記念物に登録し,穂積陳重の人柄と業績を偲び,後世に伝えるものである。
関連情報
(情報の有無)
指定等後に行った措置
なし
添付ファイル
なし
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解説文
穂積陳(のぶ)重(しげ)(安政2年〈1855〉-大正15年〈1926〉)は宇和島藩士穂積重樹(しげき)の次男として生まれた。日本初の法学博士,民法・戸籍法の編纂に尽力した。晩年には枢密院議長を務め,男爵となった。郷土愛も強く,宇和島市政や教育にも寄与,郷党(ごうとう)の敬慕の的であった。著書に『隠居論』『法窓夜話』『法律進化論』などがあり,「法学の祖」「民法の父」と言われた。宇和島市民は氏の功績を記念すべく,銅像の建立を申し出るが,「老生(ろうせい)は銅像にて同郷(どうきょう)萬人(ばんにん)に仰(あお)ぎ視(み)らるゝよりは 橋となって公衆に履(ふ)んで渡(わた)らるゝを以て無上の光栄とす」と固辞。氏の没後,木橋であった二級河川辰(たつ)野川(のがわ)の本開(ほんかい)橋(ばし)の架け替えの際,県の許可を得て,市が「穂積橋」と命名したものである。欄干親柱(おやばしら)の名称板に「穂積橋」,「ほつみはし」とあり,また「昭和五年二月架設」とある。現在の穂積橋はRC桁橋で,長さ9.1m,総幅員7.9m,欄干の高さ0.9mを測る。 その北東に隣接する小公園は,市民有志から寄贈を受けた石碑の設置場所として,平成4年に宇和島市が開設したものである。穂積橋と小公園を登録記念物に登録し,穂積陳重の人柄と業績を偲び,後世に伝えるものである。
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詳細解説
穂積陳重(安政2年〈1855〉-大正15年〈1926〉)は宇和島藩士穂積重樹の次男として生まれた(三男は憲法学者である穂積八束。二人の生家跡は市指定史跡となっている)。日本初の法学博士、東京大学法学部長を務め、民法・戸籍法の編纂に尽力した。大津事件の判決に関係し、晩年には枢密院議長を務め、男爵となった。郷土愛も強く、宇和島市政や教育にも寄与、郷党の敬慕の的であった。著書に『隠居論』『五人組制度論』『法窓夜話』『法律進化論』等があり、「法学の祖」「民法の父」と言われた。 宇和島市民は氏の功績を記念すべく、銅像の建立を申し出るが、「老生は銅像にて同郷萬人に仰ぎ視らるゝよりは 橋となって公衆に履んで渡らるゝを以て無上の光栄とす」と固辞。氏の没後、木橋であった二級河川辰野川の本開橋の架け替えの際、県の許可を得て、市が「穂積橋」と命名したものである。欄干親柱の名称板に楷書体(南東)と行書体(北西)で「穂積橋」とある(北東は平仮名「ほつみはし」)。南西に「昭和五年二月架設」とある。昭和5年の竣工式の写真が残されているが、現在の橋とは異なるようである。橋の改修履歴をさらに調査する必要がある。 辰野川は宇和島城の東を北に流れたのち、西に折り返して宇和海に流れる。穂積橋はRC桁橋で、長さ9.1m、総幅員7.9m、車道幅7.3mを計る。欄干の高さ0.9m。錦町2号線の一部であり、南北方向に架かる。その北東に隣接して小公園がある。これは、市民有志から寄贈を受けた石碑の設置場所として、平成4年に宇和島市が開設したものである。橋の両端に2基のガス灯が建つ。地元ガス会社が小公園の開設とあわせ設置し、現在も同社が管理している。橋の南東親柱に接して「ほづみばし橋名の碑」が建つ。「宇和嶋尋常高等小学校職員児童一同」の建設によるものである。敷地は民有地と一部護岸上(河川区域)に入り込んでおり、今回は登録することができない。将来的に小公園へと移転し、活用を図るべきである。なお、この碑は、宇和島尋常高等小学校講堂前から戦後現在地に移されたものである。 穂積橋、小公園を登録記念物に登録することにより、穂積陳重の人柄と業績を偲び、後世に伝えるものである。そのことは、個人の顕彰という意味を越え、宇和島藩出身者の果たした歴史的な役割を考える上にも寄与するところがあると考える。